最近、ブルース関連のリリースが減ってきていると感じているのは私だけかもしれませんが、定期的にショップに足を運んでいる者としては、少々寂しく思うこともあります。

 でもブルースは今でも元気ですし、驚くことが多々あります。そこで比較的今でも手に入れやすい、私がここ数年の間に手に入れたブルース作品を紹介したいと思います。

 

 まずはこれ。マディ・ウォーターズの1954年のライブ。10インチ・アナログ盤です。最近と言っても、もう2年ぐらい前になるのですが、定期的に足を運んでいるショップでたまたま見つけて、最初は「このマディは何だろう?」と思い、手に取って繁々と見つめていました。しかし今一つ、よくわからなかったので、その時は私の愛読書である「Blues&Soul誌」を買うことを目的に行ったので、それだけを取り合えず買って、マディは買わずに店を出て帰りました。ところが家に帰って開いてみたら「驚嘆!!マディ・ウォーターズ1954年ライブ発掘」という記事があるではないですか。「うわ~~~」と叫び、その日のうちにすぐに買いに行きましたよ。

 詳しくは「Blues&Soul誌162号」を見ていただければよいのですが、マディのライブ盤は数々あれど、本盤に勝るものはないと断言されています。この文書を読んだ瞬間に、これは買わなければと、自然に足が買いに行かされました。帰ってきてすぐに聴きましたが、確かにマディが一番脂の乗った時期で、何というか、凄くエネルギッシュでバリバリの内容で、とてつもなく満足度の高いアナログ盤です。

 今でも購入することが出来ますので、興味のある方はぜひ購入をお勧めします。

 

 次は私の大好きなベア・ファミリーからのハウリン・ウルフの10インチLP。まずは右のLPをショップへの定期訪問で、「一体これは何だろう?」と思って、ジャケットのウルフも「若いしなー」と思って、ちょっと高かったのですが、私の大好きなウルフだしと思って買って大正解でした。そして左がその第2集になります。

 どうもシカゴに移る前のメンフィスでのセッションからセレクトされており、シカゴ時代のウルフに慣れ親しんでいた私にとってはとても新鮮でした。でもウルフはどこでもいつでもウルフだな~と、しみじみ思ったものです。この中では16歳のジェイムズ・コットンのハープが聴くことが出来ます。これも嬉しいことです。

 

 これもお勧め。ジェイムズ・ブッカーの「BEHIND THE IRON CURTAIN」。5枚組の秘蔵ライブ音源。ブッカー好きの私としては5枚組のライブ盤があること自体に正直びっくりしたのですが、このライブ盤が日本で手に入れられることにさらに驚いたのと、ブッカーは日本でも人気があるんだということに僅かながら嬉しくなった次第です。

 内容はと言うと、バンドサウンド好きの私がいうのも多少の矛盾があるのですが、これは全て「ソロ、弾き語りライブ」です。1976年~1977年のヨーロッパ・ツアーの音源。思ったのは、ブッカーの技量がとてつもなく偉大であるから弾き語りでも、そのピアノサウンドの厚さとブッカー自身のセンスが絡み合って、何ともゆったりとしたブルースが流れているのだなと思ってしまいます。

 ジェイムズ・ブッカー好きで本当に良かったと思うことが出来たブルースでした。

 

 これは何かといったら、ジョン・リー・フッカーの「BOOGIE CHILEN'」の500枚限定のEP盤。これも多分、ショップで見つけ何のためらいもなく購入したもの。

 A面B面にBOOGIE CHILEN'のヴァージョン違いとなっており、正直、物珍しさから購入感は否めません。ただ、BOOGIE CHILEN'は名曲ですから、やっぱりいいものはいいのですよ。

 

 そして最近の大ヒットはこれ。ライトニンの黄金時代と言われている54~55年のヘラルド録音の2枚。実は「ライトニン・アンド・ブルース」に「~2」があるなんて全く知らず、後から「なに~~」と気付きましたが、時すでに遅しで手に入れることが出来なかったもの。そりゃそうですよ、「~2」は日本独自編集版で知る由もありませんでしたから。でもね、偉いですよ。ライトニンのスロー・ブルースとブギが紛れもなく炸裂していますから。どこかで見かけたら、即買い、をお勧めします。

 

 今回紹介した作品は、多分、簡単ではないかもしれませんが、今でも手に入れることはできると思います。興味のある方は是非是非手に入れていただきたいと思います。