響け!ユーフォニアムってアニメ観たありますか?今、第3期放送中なので観たことない人はぜひ。ここから先はかなりのネタバレを含むので、アニメ若しくは原作小説をみてから読むことをおすすめします。


響け!ユーフォニアムは高校の吹奏楽部を舞台にした主人公と周辺人物の成長物語的なアニメです。第1期は吹奏楽に対して少し冷めた現実的な考えを持っていた主人公(黄前久美子)が、高い目標を掲げて真っ直ぐに進む同級生の高坂麗奈に影響されて、純粋に楽器の上達を楽しみたいという自分の感情に素直になっていく、、といった感じの話です。


ゆる言語学ラジオで堀元さんがこのアニメは現代版の罪と罰、つまり行き過ぎた理性主義に対する警鐘だ!と言っていたのですが、確かにそうだな、、と思いました。第1期では久美子が麗奈に影響されて変化していくのに対して、第二期では自分の考えを外に出さない大人な考えを持ったあすか先輩が久美子に影響されて自分の感情に素直な行動をとるようになるという対比になっているんですよね。これはどちらも理性主義から非理性主義への変化といえます。この行き過ぎた理性主義への警鐘はユーフォの大きなテーマの一つだと思います。ただ、もう一つのテーマがあると思っていて、それはメリトクラシーとノブレスオブリージュに関してです。


久美子の一年目では、オーディションに合格し大会に出るべきなのは実力のある下級生かそれとも実力の劣る上級生か、で部員は悩むことになります。この能力か属性のどちらをとるかという問いに主人公の周辺人物は悩むのですが、最終的に主人公は能力のあるものがステージに立つべきという姿勢をとります。これはメリトクラシーの考え方そのものだと思うのですが、主人公の言動を見ているとメリトクラシーをとるか否かという部分で悩んでいるのではなく、寧ろ自分の感情に対して素直な立場をとるかという観点で悩んでいる様に見えるんですよね。よく考えたらこれも非合理主義への変化と言える気がします。


主人公以外の人物はステージに立つ人間の選び方や選ばれた部員の責任についての考えていましたが、主人公はその一つ上の次元で考えているんですよね。大人ですね。