最近、にわかにマニュアル否定論のようなものが流行り始めているようなので、少し反論しておこうと思います。
ファストフード業界が長かった私にとってマニュアル論は切っても切れないモノであって、ファストフードのマニュアルの大原則は『いつでも・どこでも・誰とでも均一のサービスを提供する為に不可欠なモノ』として活用されていました。
また、私が今居るアウトソーシング業界では、『作業(業務)を標準化(マニュアル化)して、単純作業化(ルーチンワーク化)させて切り割りして外へ出す』事は常套手段であり、これは発注企業にとっても決して悪いことではなく、業務に精通したプロパー社員をコア業務に専念させて効率化や高度化を図れるモノとして有用であると考えられています。

さらに、営業会社として急成長している企業の多くは、前記のアウトソーシングの手法そのものを、新入社員に適用させ僅か半日の座学のみで、昼からは実戦部隊に投入できるよう周到に練り込まれたマニュアルで成果を出し短期間で上場を果たしています。

確かに、FF業界にいた時のマニュアル研修時でも、オブザーバーとして参加された、出資商社の社員も『マニュアルの意義と限界を学びに来た』と堂々と言うくらいマニュアルには限界がありますが、そんな場合は管理者が対応すれば良いだけなので、それを柔軟に対応できるかどうかは、別に管理者用にトラブルシューティングを作っておけば問題にもなりません。

良く、『マニュアルに縛られて個性がなくなる』とか『マニュアルで全てを対応出来ない』など言われますが、その通りです。その方が管理者として管理しやすく、ルーチンワーク化する事で低賃金に抑えられます。
社員として付加価値の高い仕事をしようとすると社会規範の範疇でマニュアルを飛び出して考え行動しなければなりません。そのためには商品知識だけでなく、会社の仕組みや商取引や関連する法令を十分に理解し無ければなりません。そう言う準備が出来てこそマニュアル論を論じなければタダの愚痴で終わってしまいます。

そう言うわけで、私はいつもこう思うのです。『企業活動を阻害するようなマニュアルが存在しているのなら、それは、マニュアルが悪いのではなくそれを作ったヤツが悪いんだ』と・・・・・