只今、19時15分前。

今日はスモークするという意味を伝えたいと思います。

↑の倒木、何かわかりますでしょうか?

 

これが天然のブナの木。

よくキャンプなんかでは桜の木のチップを

利用するのですが、私達がホテル関係などから依頼される場合は

大抵、ブナの樹木を指定される方が多いです。

 

理由はブナで燻すと、香りの深さと

表面の渋みがないからです。

桜はどうしても表面に渋みがついてしまう。

 

さて、このブナの樹木が大変なんです。

これを裁断して約2年ほどは天日干しをする。

それが次の写真です。↓

 

 

 

これで約1年ぐらいですかね。

試しに切ってみると、、、。

 

ちょっとピンボケですが、まだ樹木が若い。

まだ水分があるんです。

↑が完全に干し切った状態。

これを使って燻すわけですが、

燻製には2種類に燻し方があるのをご存知でしょうか?

 

温燻と冷燻。

ホテルのパーティーとか洋食屋は大半が冷燻。

つまり素材に温度をいれると、

素材の風味がおちてしまう。

そこで煙の温度を限界まで下げて燻すわけです。

 

最近流行りのキャンプのベーコン作りなんかは

どうしても温度があがってしまう。

また干しこむ時間もないのでしかたないんです。

 

↓の写真がパンチェッタ。

日本のベーコンにあたります。

これで約4ヶ月くらい。

日本ではベーコンといえば食べるものなんですが、

スペイン、イタリアではダシのひとつ。

パスタなんかを炒めるときの油替わりと言えば

理解しやすいかもしれません。

 

これをスライスすると

こんな感じになります。

 

 

固そうでしょ。

これの脂で炒めるパスタが旨いんです。

 

次はノルウェーサーモン。

これが冷燻でいぶる前、

 

塩と特製のスパイス。

添加物は一切いれません。

そして冷えたブナの煙に燻すこと3時間。

 

 

これで仕上がりなんですが、

ここからがプロの厳しいところ。

このままだと実割れを起す。

 

冷却器で一機にマイナス40度までさげます。

↑がベーコンを燻している最中。

 

 

これが冷燻で燻し上げたサーモン。

よく俺の料理素材への質問に多いのが

表面がカサカサになると言われる方が多くいます。

これが温燻と冷燻の大きな違いになります。

 

寒いノルウェーなんかで、

外に干しこむと急激に乾燥して

水分がなくなる。

昔の人達の知恵は凄いですよね。

生き残るために蓄える食料。

 

これが現代の贅沢料理になるわけですから

時代の潮流から生まれる

1品の絶品料理。

 

それでは、、、。

(なかなか、仕事してます。