今日は、最近読んだ本について書きます。

 

読んだ本はこの2冊です。

 

 

・岡嶋二人『解決まではあと6人』

・高野和明『グレイヴディッガー』

 

『解決まではあと6人』は、岡嶋二人作品が好きなので久々に読んでみようと思いました。

『グレイヴディッガー』は以前図書館で借りたことがあるのですが、忙しかったか何かで読まずに返却してしまったことがありました。

そのため、たまたま図書館で目にして「今度こそは読もう」と思って借りました。

 

まずは『解決まではあと6人』について。

こちらは、6人の探偵役がいて「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「なぜ」「どのように」という6つの観点から事件を調査していき、真相に辿り着くというものです。

 

あらすじはこちら↓

次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。いったい、彼女の本当の目的は何なのか。やがて、それぞれの調査報告が、ひとつの輪のように繋がって隠された大事件の全容が明らかになっていく。斬新なスタイルで、読者に挑戦する華麗なるメドレー・ミステリー。

設定は面白かったのですが、読み終わるのに少し時間がかかりました。

なぜかというと、私は短編集が苦手だからです。

 

事件は同じだけれど、6人に接点はなく、1つ1つの物語に入り込むまで時間がかかりました。

 

読者は、一人一人が解いた謎を通して事件の全貌を理解していくことはできるのですが、6人も探偵役が出てくるのなら「前の人の解いた謎をヒントに自分も謎を解いていく」というものや「登場人物同士がどこかで接点を持ち、時には協力して事件解明にあたる」というような仕掛けがあると楽しかったかなと思いました。

 

最後に警察がまとめて事件を解明し、その過程で探偵役に接触はするのですが、それはあくまでも捜査対象の一人という扱いだったので。

 

あとは、真犯人に納得できなかったかなー。「まさかこれって」と思いながら読んでいましたが、真犯人が分かった時に「やっぱりか」と思ってがっかりしてしまったんですよね。意表をついているのかもしれないけれど唐突すぎるし、ミステリ好きとしては「このパターンを何回読んだかな」と正直思ってしまいました。

 

次は『グレイヴディッガー』について。

 

これは楽しんで読むことができました。

 

あらすじはこちら↓

改心した悪党・八神は、骨髄ドナーとなって他人の命を救おうとしていた。だが移植を目前にして連続猟奇殺人事件が発生、巻き込まれた八神は白血病患者を救うべく、命がけの逃走を開始した。首都全域で繰り広げられる決死の追跡劇。謎の殺戮者、墓掘人の正体は?圧倒的なスピードで展開する傑作スリラー巨編。

高野和明さんは元脚本家だけあって動きの描写が巧みですね。

この物語は主人公の八神が謎の集団に追いかけ回されたり、襲われたり、警察とカーチェイスを繰り広げたりと、とにかくアクションシーンが満載なのですが、どれも表現が上手くて光景が目に浮かぶようでした。

スッキリとしていて簡潔な文章も私の好みで、惹きつけられるような言い回し、表現が多く、その度に読むのを中断してメモを取っていました。

 

私は文体が好みの作家さんの本を読むとメモを取りたくなるタイプです。

太田愛さん、富樫倫太郎さん、真保裕一さんの文章などがそうで、後でメモ書きしたノートを読み返して「こんな表現の仕方があるんだ」、「この文章、素敵だな」と思うのが楽しい時間です。高野和明さんの文章は私にとって久々に「メモを取りたい」と思うような文章でした。

 

早い段階で犯人の目星がついてしまったし、あんな格好で犯罪を犯していて目撃者が一人もいないのはあり得ないなとか感じた部分はありましたが、それでも作品が持つエネルギーが物凄くて、スリリングに展開する物語が文句なしに面白かったため、勢いで一気に読んでしまった本でした。主人公八神と古寺刑事の関係性も良かったですね。二人の信頼関係は、『ホワイトアウト』の富樫と奥田刑事を彷彿とさせるものがありました。

 

さて、長々と書いてしまったのですがここからは兄弟が最近読んだ本をのせていきます。

 

まずは次男。

 

・世界から猫が消えたなら

・偽りの王子

 

そして長男。

 

・ナミヤ雑貨店の奇跡

・君の顔では泣けない

 

『ナミヤ雑貨店の奇跡』は「東野圭吾ってこういうお話も書ける人なんだね」と言いながら読んでいました。とても気に入ったようです。

 

『君の顔では泣けない』は男女の入れ替わりものだそうです。入れ替わった後も元に戻らない話らしく「女子は吹っ切れて新しい生活に適応していくのに男子はなかなか状況を受け入れることができなくて苦しんでいるのを自分のことのように感じてしまって読んでいて辛かった」と言っていました。

 

そして今日新たに長男が読んだ本がこちら。

 

 

なぜ私が紹介した『グレイヴディッガー』の表紙と違うかというと、気にって自分で購入してしまったからです〜。

 

私がテーブルにこの本を置いているのが気になったらしく、あらすじを読んで何気なく読んでみたら面白くて止まらなくなったそうです。興奮気味に話の内容を実況しながら5時間くらいかけて読み終わってしまいました。

 

これを読んで逃走劇を繰り広げる作品をまた読みたくなってしまったらしく、何かおすすめはないかと言われました。

 

「パッと思い浮かぶのはゴールデンスランバーかな。あとは犯罪者も追いかけられるよ」と言ったら「これも追いかけられるんでしょ?」と言って本棚から出してきた懐かしい本がこれ。

 

 

 

「懐かしいわ〜。そういえば追いかけられてたね、それも。面白いよ。でも、海外の本だから最初はなかなか慣れないかも。あとは確か秘密結社が出てくるから分かりづらいかもよ。それから火車を読み終わってないのにダヴィンチコードを読んだら長いから火車が読み終わるのが遅くなっちゃうよ」と言いましたが、やはり読みたいそうなのでとりあえず解説本としてこの本も預けました。

 

 

今日はこんな感じです。