昨日はこの本『看守の流儀』を読み終えました。
すごく良かったです!
この本に興味を持ったきっかけは、刑務所が舞台で看守が主人公のミステリーだったからです。
この本は、加賀刑務所で働く刑務官と受刑者をめぐる5つの物語で構成されている本で、主人公は全て別の人物です。
刑務所で起きる事件を通して主人公が受刑者や同僚と向き合い、うわべでは分からなかったその人物の内面や信条を知り、影響を受けることで固定観念にとらわれて見えなかった問題の本質を理解していくという内容の話です。
この時、主人公にさりげなく問題解決のヒントやアドバイスを与えるのがキレ者刑務官の火石という人物です。
寡黙で誰とも群れず、常に冷静沈着で事の成り行きを全て見通して行動しているようなキャラクターで、私はずっとこの人物を教場の風間をイメージして読んでいました。
この火石をはじめ、物語に登場する刑務所で働く人々や受刑者がとても人間として魅力的で、壁にぶち当たった時の葛藤や事件解決を通して成長していく姿もしっかりと描かれており、人間ドラマ、お仕事小説として読んでも充分に楽しめるものでした。
読んでいて「ミステリーかな?」と思う部分はあったのですが、この物語の世界観が好きで、登場人物にも読んでいくうちに愛着が湧いて「この話は映像化したらどうなるのかな?この役は誰に演じてほしいかな?」など考えながら読んでいました。
第四話では思わず感動して涙したり。
「いい本を読んで良かったな」と思い、勝手に第五話は一話から四話までのまとめ的な話だと思い込んでいたんですね。
しかし、第五話がまさかまさかの展開で、「ああ、やっぱりこの本はミステリーだったんだ」と真実を知った時に思いました。
そして、これは映像化できないし、小説として楽しむべき作品だと思いました。
色々なことを書くとネタバレになってしまうので、感想を書くのはここで終わりにします。
もしこの本をネットや書店で見つけて興味を持った方がいたら、極力前情報はなしでとにかく読んでみてほしいです。
そっちの方が絶対に楽しめます。超おすすめです!
さて、話は変わり、最近2つの映画を親子で見ました。
1つ目は『ホームステイ』。森絵都さんの小説『カラフル』が原作の作品です。
もう1つは『SABAKAN』。これは昨日見に行きました。
『ホームステイ』は、2週間ほど前に見ました。
私も兄弟も『カラフル』を読んだことがなく、話の内容も知らなかったのですが原作が評判が良かったので、なんとなく親子で楽しめる映画かもしれないと思って見てみました。
高校生が主人公の映画ですが大人の心にも響く作品でした。
生まれ変わりで運良く新たな身体にホームステイできた(乗り移ることができた)主人公が、その身体の本当の持ち主・小林真がなぜ死んだのかを探っていくというストーリーです。
最初は身体の本当の持ち主のふりをして生活を送る主人公のドタバタが面白く、笑いながら見ていたのですが主人公が小林真の死の真相に近づいていくにつれてシリアスになっていき、引き込まれていきました。
「いつもそばにいるからといって家族でも察して欲しいでは伝わらないことがある」という言葉や「人は1色ではない。色々な色が重なってその人の色になる」など考えさせられたり、いい言葉だなと思うセリフがたくさんありましたね。
また「自分を認めて受け入れる」というメッセージも含まれていて、そこにも共感しました。
『SABAKAN』は、親子3人で見に行くのにピッタリの映画そうだなと思っていて、長男の定期テストも終わり、タイミングもちょうど良かったので昨日見に行ってきました。
この映画もいい映画でした。
長崎の風景が綺麗で、人々が素朴であったかくて、子供たちがイキイキとしていて可愛くて子供時代が懐かしくなるような映画でした。
友達って言いたいのになぜか遠慮してしまうようなところとか、斉藤由貴に夢中だった主人公が冒険で出会った女子高生に淡い恋心を抱くのにその女子高生には男も惚れるようなカッコいい彼氏がいたところとか、そういう何気ないシーンがなんとなくリアルで微笑ましかったです。
ただ子ども映画って言うだけではなくて、子どもから少年へと変わっていく一瞬のきらめきみたいなものが一夏の物語を通してよく描かれていたなと思います。
作品を見終わった後に親子で感想を言い合う時間が好きです。
この二作品は、子どもたちの満足度がとても高い作品でした。
どちらも親子で見るのにオススメです。
長くなってしまったので今日はここらへんにしておきます。