久々の更新です。

前回から2ヶ月以上経ってしまいました。

 

さて、今日は録り溜めていた『美の巨人たち』を見ました。

 

今回の絵画はミレイの『オフィーリア』。

とても有名な絵ですね。

 

 

『ハムレット』の登場人物であるオフィーリアが溺死していくシーンを描いた作品です。

死を描いた作品なのに、なぜかロマンティックで美しい絵だなぁと初めて見た時から思っていました。

植物の色彩が華やかで、オフィーリアが美女に描かれているので、そう感じたのかもしれません。

 

番組を見て初めて、この絵の中に死や悲恋を暗示する様々なアイテムが描かれていると知りました。

ケシ、スミレ、わすれな草、パンジー、ヒナギク、バラ、

そして、隠れたドクロ、オフィーリアの口元がうっすら開いているのと、コマドリの関係。

 

番組を見てから絵画を見ると、印象がまた変わりますね。

より作品に深みを感じながら鑑賞できました。

 

番組では、オフィーリアの表情や、わずかに開いた口元から、恍惚の表情が伺えるみたいなことを確か言っていたのですが、ちょっとこの作品を思い出しました。

 

大好きなカラヴァッジオの『マグダラのマリア』です。

この表情も一度見たら忘れられないですよね。

暗闇とそこにぼうっと浮かび上がる光、肌の白さ、上掛けの鮮やかな赤と

色のコントラストが素晴らしく、一目で心奪われた作品でした。

 

 

さて、話をオフィーリアに戻しましょう。

作品のモデルは、エリザベス・シダル。

彼女は作品のために真冬の4ヶ月、ずっとミレイのアトリエのバスタブで水風呂に浸かりながらモデルをさせられていたそうです。

そのため風邪をひいてしまい、裁判で負けたミレイは彼女に現在の価値で約100万円を支払う事になってしまったのだそうですよ。

バスタブの中で水風呂に何時間もひたすら浸かる4ヶ月。想像したくないです。過酷すぎる…。

 

ちなみにエリザベス・シダルは画家のロセッティの奥さんだった人です。

ロセッティが彼女を描いた作品がこちら『ベアタ・ベアトリクス』。

 

 

この絵は、シダルの死後に描かれたもの。

この絵でも死を意味するケシの花が描かれています。

シダルはロセッティの浮気癖に心を痛め、身体が弱かった事もあって結婚して2年もたたないうちに亡くなってしまったそうです。

ロセッティは彼女の死を嘆いて自殺未遂を図ったそうです。

 

その約10年後、描かれたのがこちら。

 

 

『プロセルピナ』。

モデルはジェイン・モリスで、彼女は作家・芸術家のウィリアム・モリスの奥さん。

ロセッティはジェイン・モリスと恋愛関係になりますが、彼女への思いとシダルへの罪悪感に苛まれ、この後、また自殺未遂を起こしてしまったそうです。

 

なんだかすっごいドロドロしてる。

ピカソもドロドロしてるけど、ロセッティもドロドロしてる。

恋愛体質だからこそ、ファムファタルって言葉がピッタリの妖艶な美しさを持つ美女の絵画を何枚も描けたのかな?

 

 

話がまとまらなくなってしまったので今日はこのへんで…。