初めて知りました。
パーム油を原料とするバイオマス発電所が、日本で次々と建てられたり建設計画が進んでいます。
バイオマス発電とは何?
石炭や石油のような化石燃料ではない生物(主に植物)由来の原料を燃やして、発電する方法をバイオマス発電と呼びます。
燃料となる植物は成長時にCO2を吸収するため、燃やしてもCO2を排出したとはみなさないという考え方(カーボンニュートラル)から、バイオマス発電は環境にやさしい再生エネルギーの一つとされています。
またバイオマス発電で作られた電気は、再生可能エネルギーの固定買い取り制度 「FIT」 の対象です。
パーム油とは何?
パーム油は 「アブラヤシ」の実から採れる油で、ポテトチップスやカップラーメン、菓子やパンなどの製造に使われ、なたね油に次いでよく使われる植物油です。(日本の植物油消費量の約1/4)
その他にパーム油は洗剤や化粧品、ねり歯磨きなどの非食品にも多く使われています。
日本に輸入されるパーム油の大半は、インドネシアとマレーシアから輸入されています。
発電に使われるパーム油量は?
2018年12月までにすでにFIT制度で認定されている国内のパーム油発電だけで約180万kwもあり、もし全てのパーム油発電所が稼働すると、年間最大で360万トンものパーム油が燃やされることになります。
これは食用、非食用を合わせて消費されているパーム油輸入量75万トンの5倍近くにもなります。
パーム油がエコならいいんでないの?
パーム油を大量に使うことは、すなわちアブラヤシの植林を促進することにつながります。
アブラヤシの植林は自然林を焼いたり、切り開いたりして行われます。いわゆるプランテーション農業です。
この開発は、ボルネオ島などでCO2を吸収してくれていた熱帯雨林を減らし、オランウータンや象などの生息域を分断縮小しているのです。
また切り開いた土地が泥炭地であることも多く、開墾によって泥炭に含まれている大量の炭素が温室効果ガスとなって放出されるのです。
更に泥炭が燃えて大規模な森林火災になるきっかけが、開墾によることも多いのです。
しかもプランテーションにおける児童労働も問題になっています。
その原因が日本のパーム油輸入量増加にあるとしたら、他国の出来事と静観していられるでしょうか?
パーム油発電はエコではない。
このような環境破壊の結果、生産されたパーム油を燃やすことがエコと言えるでしょうか。
本来バイオマス発電の主旨は、間伐材や、生ごみ、家畜の糞尿などを有効利用することにあります。
パーム油は他国の環境を破壊して、遠くから船で運び、更に発電所周辺で公害問題を引き起こしているのです。
(今までパーム油発電の問題を知らなかった自分を少々恥じているところです。)
パーム油発電公害。
実際にパーム油発電所が開設され公害問題が起きている所があります。
京都府福知山市では3年前、住宅地に隣接する場所にパーム油発電所が建てられ、事前の説明と食い違う悪臭と騒音に住民が苦しんでいると報じられています。
頭痛や吐き気、臭気を訴える住民が多くいるとのこと、現在はコロナ禍の影響で一時的に工場の稼働が止まり、住民は束の間の静けさや深呼吸を満喫しているそうですが、企業側の操業再開姿勢は変わらず係争が続いているとのことです。
その他の発電所計画
舞鶴市でも同じ企業によるパーム油発電所建設計画があり、福知山市の事例を知った市民の反対運動でストップしているようですが、まだ断念したわけではないようです。
更に宮城県角田市で、大手旅行会社HISの子会社がパーム油発電所を建設中です。
HISは熱帯雨林などのエコツアーを実施する反面、このような発電所を建てていることに、環境保護団体から厳しい批判が起きています。
世界的に見てもパーム油発電には批判や疑問が多くあり、禁止を決めた国もあります。
石炭火力発電に続いて、世界の環境保全の潮流に逆らってまでパーム油発電を推進する政策を続けることは看過出来ません。
パーム油を生産するためのアブラヤシプランテーションは、環境と生態系の破壊、気候変動、児童労働などにつながるSDGsの象徴的な問題なのです。
SD爺さん