トランプ再選の憂鬱という話を書いたのは僅か3ヵ月前だ。

問題の本質は格差拡大だと思いつつ、大統領就任後のショックを和らげる為の頭の体操として、やりたい放題の政策をある程度予想してみたものの、破天荒な話がこうも矢継ぎ早に繰り出されると矢張り唖然としてしまうというか、思考停止で考えるのを止めてしまいそうになる。

 

数日前には、選挙で選ばれた世界最強国のトップが、侵略されたウクライナの弱みに付け込んで資源の権益を提供しろと、火事場泥棒まがいの要求を突き付け、副大統領以下の要人も右へならえをし、応じないゼレンスキー大統領を追い返すテレビ中継を見た。少し調べてみたら、そもそもウクライナは1994年に旧ソ連から独立するに当たり、それまで保有していた核兵器を放棄する条件として、主権と領土保全に基づく安全保障を要求し、米国・ロシア・英国はブダペスト覚書に署名してウクライナの要求を受け入れる約束をしたという経緯がある。アメリカは核兵器を放棄させて安全を守るとの約束をしておきながら、約束を守らない上に助ける見返りとして資源を寄越せ、と言っている訳だから何をか言わんやだ。ブダペスト覚書は条約でなくて覚書だから法的拘束力が曖昧な処がある様だが、それを言い逃れの口実にして反故にしているとすれば、要は仁義なきヤクザやマフィアと同じレベルで、お人よしのウクライナは狡猾なアメリカやロシアに騙されたという構図だ。

今はこんな事がまかり通る様になった世界だとすると、改めて時代が節目に来た事を感じざるを得ず、歴史は繰り返す事を肝に銘じて平和ボケの頭を切り変えないといけないんだなと思い知らされる。

今後4年間で世界は何処へ行くのだろうか?