家庭菜園でお世話になっているユーチューブビデオの色々を紹介して来たが、感じた事を少し。

 

日本の農家の殆どは農薬も肥料も使う慣行農法であり、スーパーで買える野菜の大半は農薬・肥料を使ったものと考えてほぼ間違いなさそうだ。健康に良いと言われる有機野菜が市場で売られるシェアは1%未満と極僅かであり(私のように家庭菜園で有機栽培する人も居るので、消費される食糧としてはもう少し高いかも知れないが)、お店で買うには、有機野菜を扱うお店を探さないといけない。その有機栽培も化成肥料は使わないものの、農薬に付いては一定の制限の基に使う事はある。

 

そういう意味では、無肥料無農薬栽培が体に一番良さそうだが、市場で買える機会は有機野菜よりも更に少ない。そんな自然農法・自然栽培だが、広める方達の多くは、大病や鬱病を患った経験があり真剣に人生を見つめる時期を経験した事がある様で、その事で人と自然の関わり方のスタンスが定まったのだと推察される。人柄は一様に穏やかで、ゆったりとしつつも活き活きと活動されているのも清々しい。

そーやんさんの「自然農の家庭菜園が広がれば、日本が抱える農業の諸問題解決に繋がる」という思いや、ふぁーちょさんの「野菜の本当の美味しさや、農業が如何に楽に出来るかを世界中に伝えたい」という思いが気負いなく発信されている姿は素晴らしく、とても共感出来るメッセージだ。

 

私は彼らの様な大病や鬱の経験が無いので、同じ境地にはなかなか辿り着けないのだが、無肥料・無農薬・無耕起栽培の素晴らしさだけは良く理解出来るし、地球環境改善に有効という面も含め、色々な情報が容易に得られる現代では、私と同じ様に感じる人が増えて行くのではと思う。

 

例えば、シェア畑 農園ライフ菜園アドバイザー能登山氏のビデオは、1年前には通常の有機栽培での肥料種類や投入手順・量の解説が中心であったが、一カ月前のビデオでは微生物を増やす事に着目し施肥量を減少させつつ無肥料・無耕起栽培に移行する手法を紹介されていた。

 

但し家庭菜園でも自然農が難しいのは、肥沃な土壌が出来る迄にどうしても3年~7年掛かるという処であり、せっかちな人には馴染みにくい気がする。また草マルチ用の草も必須だが、いざ草を集めようとすると意外に手近になかったりする。となると市民の間に広まるペースもゆっくりと地道なペースに留まるのかもしれない。

 

その意味では、3ヵ月で肥沃な土壌が育つ菌ちゃん農法は、純粋な自然農ではないものの無肥料・無農薬・無耕起栽培の仲間としては大変ユニークであり、私もすぐに飛び付いてその凄さを実感して更に畝を増やしている様に、一般市民に広がるペースは結構早いのではないかと、期待も込めて感じている。