今回は土の話は一回お休みして、別の話題を。

 

TKO木本武宏氏の復帰会見:

数日前に朝のテレビでお笑い芸人TKO木本武宏の投資トラブル後の復帰会見が流れていたので、何となくみていた。

儲け話に乗せられて、友人を巻き込んで6億円以上を投資につぎ込んでしまい、世間を騒がせた為暫く中止していた芸能活動を復活するという「みそぎ」的な会見だった。細かい事情は判らないが、会見で包み隠さず経緯を話し自分の非を認める率直な言葉と、吹っ切れて妙に清々しい表情が印象に残り、これから又頑張るんだなと、どちらかと言えば好意的に受け止めた。

 

「みそぎ」の文化:

その後で、以前ダイヤモンドオンラインで読んだ、日本人の悪癖としての”みそぎ”文化を紹介する記事を思い出した。

以下記事の要点(紫文字)

日本社会では企業や有名人が不祥事を起こした時に、危機管理として謝罪の「みそぎ会見」をすることが多い。謝罪会見では、フラッシュを浴びつつ頭を深々と下げ、記者からの厳しい質問や罵声を浴びながらじっと我慢する――。言わば「社会的制裁」を受ける事で、「反省している」と認めて貰い、再出発の機会が与えられる。

然し裏を返せば「みそぎ」さえ済めば、徹底的に追いつめられないとも言える。一定のペナルティを受けてしまえば、「誰が悪いのか」「根本的な問題は何か」の追及もされず、ウヤムヤに「水に流す」文化である。「みそぎ」は日本人のある種の「情け」とも言える。これは「不浄」「穢れ」を水で洗い清める「禊」という神道的な行為に基づく日本の伝統的倫理観だという説もある。

 

「みそぎ」とバックキャスト:

記事を読むと、日本にバックキャストが寝付きにくい事に「みそぎ」も関係しているのかも知れないと感じる。

以前のブログに書いたが、COPに参加したリコー社員が感じた欧州人と日本人の違いは、

お互いを判り合えない異なる民族・人種間でとことん争い続け、地獄を見た後でそれを繰り返さない為の原因と対策を徹底的に追求し実行する欧州

と、

お互いを判り合えるので、問題が発生しても都度協力して解決出来てしまい、原因と対策の追求が曖昧になりがちな日本人

であった。

記事にある「みそぎ」「水に流す」「情け」という日本人の気質は、バックキャストが馴染みにくい「問題を曖昧にしたままにする」という気質そのものではないか、と気が付いた次第。

 

バックキャストは一筋縄では行かない:

木本氏の復帰会見に清々しさを感じた私も「みそぎ」文化が染み込んでいる典型的な日本人と認めざるを得ず、バックキャストを根付かせるのは一筋縄では行かないな、と再認識させられた。

日本文化とも言える「みそぎ」「水に流す」「情け」のプラスマイナスを、改めて冷静に考える必要がありそうだ。