11月4日の米中間選挙まで1週間を切った。与党・民主党が上院で過半数を維持できるかが焦点だ。上院奪還を狙う野党・共和党は、6議席を積み増す必要がある。注目選挙区の情勢を報告する。
中西部アイオワ州東端にある人口約6000人の町マコーケタ。「ジョニ」「ジョニ」「ジョニ」--。25日、ある飲食店に上院選の共和党候補、ジョニ・アーンスト氏(44)が赤いジャケット姿で現れると、約70人の支持者が星条旗を手に声を上げた,ユンハンス時計。アーンスト氏が「米国の進む方向を変えなきゃいけない」と呼びかけると、割れんばかりの拍手と歓声があふれた,ユンハンス時計。
アーンスト氏の切り札は軍歴だ。陸軍州兵を長年務め、イラク戦争の現場で輸送任務を担った。イスラム過激派組織「イスラム国」への対応で、当初は軍事行動に消極的だった対抗馬の民主党候補、ブルース・ブレイリー下院議員(57)を、「煮え切らない」と切り捨て、「外交政策を理解している上院議員が必要だ」と訴えた。会場にいた元海軍大佐、トム・バッドさん(64)は「ジョニは母であり、生命を尊重し、農業をやり、(州上院議員として)均衡予算を作ってきた最適の人物だ」と話した。
アーンスト氏は、富裕層増税や医療保険制度改革(オバマケア)などオバマ政権の政策を批判し、ブレイリー氏のオバマ氏への同調ぶりを絡めた。
同州は民主、共和両党の支持が拮抗(きっこう)し、大統領選で勝敗が揺れ動く「スイング・ステート」だ。引退する民主党のベテラン、トム・ハーキン上院議員(74)も常に僅差で勝利してきた。新人同士の今回は、激戦に拍車がかかる。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、直近の世論調査の支持率平均値は、アーンスト氏が46.7%で、ブレイリー氏の45%とほぼ並ぶ,ユンハンス時計。
共和党は、人気の低下したオバマ大統領と候補者を結びつけて批判する選挙戦術を展開。一方、民主党は最低賃金引き上げなど中間層支援を打ち出すと同時に、人工妊娠中絶に反対する共和党候補の「極端さ」を批判し、若者や女性を引きつけようとする。
「共和党候補は連邦政府による最低賃金をばかげたこと、と呼んだ。しかし、アイオワでフルタイムで働いても年1万5000ドル(約160万円)しか稼げない。貧困にあえいでいることこそ、ばかげたことだ」
ブレイリー氏は24日、州都デモインの鉄鋼労働者が集まる集会で訴えた。大企業の海外移転を防いで雇用を守ることなど、製造業の重要性を強調したあいさつを終えると、ジュースやビールを手にチリドッグを食べる約60人の労働者に「あなたたちの味方です」と声をかけ、握手して回った。
アイオワ州には両党の大物が次々と応援に入った,ユンハンス時計。民主党はヒラリー・クリントン前国務長官(67)やエリザベス・ウォーレン上院議員(65)、共和党はランド・ポール上院議員(51)やニュージャージー州のクリス・クリスティー知事(52)--。大統領選の各党候補者選びで全米で最初に投票が行われる重要州だけに、応援には2年後の大統領選に向けた支援網構築の思惑もにじむ。
ドレイク大のデニス・ゴールドフォード教授(政治学)は「アイオワは共和、民主、無党派がほぼ均等だ。過去2回の大統領選でオバマ氏に勝利をもたらした無党派は既に民主党から離れており、共和党に比べて投票率の低い民主党支持層が投票に行くかどうかが勝敗を決める」と語る,ユンハンス時計。【米中西部アイオワ州デモインで西田進一郎】