プラモ劇場版世界をかける少女 第2話 | しゅご神ブログ

プラモ劇場版世界をかける少女 第2話

戦乙女、修羅の姫、忍者の血を引く者、それぞれが特有の力を持っていた。
 

だが、いざという時にその力を使うことができず、アメインゴーストに成す術がなかった。

 

この窮地を救ったのは、天界から派遣されたという見習い天使であった。

 

 

 

~若葉女子高校 とある教室~

「それじゃ、ファクトリーで落ち合いましょう」

 

「はーい」

 

「じゃ、またあとでね」

 

「はい…はい…わかりました」

 

「あお、指令から?」

 

「うん。広場で犯罪組織のヘキサギアかもしれないものが暴れていたって」

 

「暴れていたって…すぐに向かわなくていいんですか?」

 

「すぐ急行するように言われるかと思ったけど、なんか逃げていったみたい」

 

「逃げた…?」

 

「とりあえず映像は記録したから、調整も兼ねてあとでファクトリーでみんなに見てほしいって」

 

「なるほど。しかし犯罪組織のヘキサギアかもしれないものというと」

 

「最近アーキテクトフレームの謎の暴走が多発しているし…もしかして」

 

「気になりますね」

 

「それと」

 

「それと?」

 

「なんか…女子高生が数人現場の近くにいたとか」

 

「え?あおと同じくらいの?」

 

「うん、そうみたい。半数は見たことのない制服だったけど、あとの半数は近くの高校の生徒だって」

 

「犯罪組織の関係者とか?」

 

「いや、ヘキサギアみたいなものに襲われていたから、関係者というよりかは被害者だろうけど…多分接触してほしいって言われそう」

 

「近くの高校はともかく、見たことのない制服の生徒を探すのは大変そうですね。この街は広いですし」

 

「まあなんとかなるって。とりあえず、私たちは先にファクトリーに行こうか?“ナルミ”」

 

「わかりました、あお」

 

 

翔子「で、ルミア。どこへ向かっているの?」

 

ルミティア「先輩のお家です」

 

翔子「屋敷って…あんた場所わかるの?」

 

ルミティア「エクステリア様から地図をもらっていますので」

 

翔子「エクステリアのやつ…」

 

響子「愚痴っぽく言わないの。路頭に迷うよりマシでしょ」

 

鈴香「エクステリアさんには、なんだかんだで色々助けてもらっていますね」

 

翔子「あんまり顔出さないけどね」

 

ルミティア「エクステリア様は天界で忙しそうですから」

 

翔子「ふ~ん。ていうか…あんたなんであたしを先輩って呼ぶの?あたし別に天使じゃないけど」

 

ルミティア「先輩は先輩ですよ!」

 

翔子「いやだからなんでよ」

 

ルミティア「世界に潜む悪の根源と人知れず戦う旅人。通りすがりの戦乙女の活躍は天界でも有名なんですよ!」

 

鈴香「…天界でも有名なんですか」

 

響子「あんた天界でも有名人なのね」

 

ルミティア「私は将来、先輩のような戦乙女になって、世界を悪から守りたいんです!私は先輩が目標なんです!」

 

翔子「それで先輩か…でもま、あんたの憧れる戦乙女っていうのは、そんな簡単になれるものじゃないわよ」

 

ルミティア「もちろんわかっています!」

 

翔子「…じゃ、そんな目標でもある通りすがりの戦乙女から1つ助言をしてあげようか」

 

ルミティア「是非!」

 

翔子「生半可な覚悟で、この道を歩けるとは思わないことね」

 

ルミティア「え?」

 

鈴香「ちょ、翔子さん」

 

翔子「あたしみたいになるっていうことはね………いろんな知識を身に着ける必要があるわよ。それも莫大な量の」

 

ルミティア「…は、はい?」

 

響子「…それは言えてるわね」

 

鈴香「た、確かに…」

 

ルミティア「お二人も納得してる!?」

 

翔子「ま、あんたがその気なら、色々教えてあげてもいいわよ?ただし…さっきも言ったけど、生半可な覚悟じゃ同じ道は歩けないわよ?」

 

ルミティア「…が、頑張ります」

 

翔子「よろしい。ところで、この道で合ってるの?」

 

ルミティア「はい、そこを曲がってのところです」

 

 

~天空寺家 正門~

翔子「…おぉー!確かに屋敷だ!」

 

響子「とりあえず拠点は確保したってことね」

 

鈴香「ですね」

 

翔子「屋敷には誰かいるのかな?」

 

??「お帰りなさいませ、お嬢様」

 

翔子「その声は…ベル!」

 

ベル「鈴香様と響子様もよくご無事で。それと…あなたがルミティア様ですね?」

 

ルミティア「はい!ルミアと呼んでください!ベルリネッタさん!」

 

ベル「でしたら、私のことはベルとお呼びください、ルミア様」

 

翔子「…時にベル。その格好は…」

 

鈴香「何と言いますか…」

 

響子「バニーガール…?」

 

ベル「気づいたらこの姿になってました。それに皆様も少し変わっていますね。これも世界を渡った影響でしょうか」

 

翔子「今後のことについて話をしたいし…」

 

ぐー

 

翔子「…その前に夕飯かな」

 

ベル「そうだろうと思って用意してあります。今後の方針は、その後でもよいかと」

 

翔子「そうしますか」

 

 

夕食後、食後のお茶を飲みながら、今後の方針を話し合うことになった。

翔子「時にクラースや伊吹君は?」

 

ベル「異変に気付いたときは、屋敷には私1人でした。連絡もつかないです」

 

翔子「となると、あたしとベルだけがこっちに来たっていうパターンか」

 

響子「近くにいた私と鈴香さんも一緒に飛ばされた、と」

 

鈴香「それで、この世界でやることは」

 

翔子「まどかたちから聞いた話からすると、ヴァリアントフォースと戦うことだろうね。それに、あのアメインゴースト」

 

響子「あいつは一体何なの?」

 

翔子「自立志向型AIを搭載したロボ、なんだけど、人間サイズで出てくるとは驚きだったけど」

 

鈴香「あの、まさかとは思うんですが…アメインゴーストって、あれだけではない…ですよね?」

 

翔子「嫌な予感が当たると、Mk-Ⅱとかも出てきそうね」

 

響子「なによそのMk-Ⅱって…」

 

ベル「確か自身で改修やら改造を施したのですよね」

 

響子「…なんか私だけ話についていけてない」

 

ルミティア「私もです」

 

翔子「とりあえず元ネタになったロボットアニメでも見てみなさい。今後の対抗策にもなるかもだし」

 

響子「…ま、そうさせてもらうわ(ていうか、翔子やベルさんはともかく、鈴香さんまであのアメインゴーストに詳しいなんて…いつ見たのかしら)」

 

鈴香「対抗策といえば…翔子さん、今私たちは戦力外も同然なんじゃ」

 

翔子「そこよね。ヴァルキリーパスはなくなっちゃうし、八神の薙刀は呼び出せない、血桜もない。一体どうなっているのよ」

 

ベル「その点に関してなんですが、エクステリア様から伝言を預かってます」

 

翔子「なんでベル宛てに!?」

 

ベル「ルミア様がそれを聞く前に飛び出していったから、だとか」

 

翔子・鈴香・響子「じーっ」

 

ルミティア「…あっ」

 

翔子「肝心なことを聞く前に飛び出したって、あんたねぇ…」

 

ルミティア「あ、あははは…そ、それでエクステリア様はなんて?」

 

鈴香・響子「(あ、ごまかした)」

 

ベル「この世界は特殊で、今までの力が発揮できないことがあるだろう。規格が違うから、だとかで」

 

翔子「規格…?」

 

ベル「そしてこの世界で戦い抜くために、その手段を生み出すしかないとのことです。お嬢様、そろそろ携帯に通知が来る頃かと」

 

翔子「新しいアプリ?ヴァルキリーファクトリー?なにこれ」

 

ベル「それを使って、お嬢様たちの戦う力を生み出して、この世界の悪の根源を断ち切ってほしい。とのことです」

 

翔子「なるほど。ないのなら作ればいいってわけね。というか、それをアプリでって…なんか今どきっぽいね」

 

響子「そうね」

 

鈴香「アプリで作るのはいいんですが、本当にそれで作れるんですか?」

 

翔子「あたしも初めてだし、試しに何か作ってみますか。まずは武器ね。これがないと始まらないし」

 

ルミティア「…あの、そのあぷりっていうのはなんなんですか?」

 

響子「アプリケーションソフトウェアの略称で、特定の用途や目的のために設計されたソフトウェアのことよ」

 

鈴香「最近では携帯電話で、いろんなアプリが配信されてますよ。私は最近献立が色々紹介されてるアプリを入れました」

 

響子「私はクラスの子から勧められたアプリゲームを最近入れたかな。まぁほとんどやる時間がないんだけどね」

 

ルミティア「はぁ…」

 

翔子「…とりあえず、鈴香と響子の武器から先に作ってみようかな」

 

響子「え?いいの?」

 

鈴香「ですが、それでは翔子さんは」

 

翔子「あぁいいよ。2人の武器の方が早くできそうだし」

 

響子「………あんた一体何を作るつもりよ」

 

翔子「なんかよくわからないけど、生産時間とか決まってるっぽいし、武器なら早くできそうだったから。あ、別に低スペックの武器作ろうってわけじゃないよ?」

 

鈴香「ちなみに武器以外は作れるんですか?」

 

翔子「そうね。防具的な物も作れるね。何なら何か作る?」

 

鈴香「わ、私は武器さえあれば今のところは…」

 

響子「私も。けど、忍者刀だけでいけるのかな」

 

翔子「なら、武器増やしてみようか?響子、あんたならいくつか使いこなせるでしょ?守護神たちと一緒だったんだから」

 

響子「まあ、あいつらに鍛えられたっていうのもあるけど…私たちの武器を作ってくれるのはいいとして、ちゃんと自分の分も作っておきなさいよ?」

 

翔子「わかってるって」

 


その後、鈴香、響子、ルミティアの3人に屋敷で空いている部屋を提供。明日から活動を開始するため、そして世界を移動してきたこともあり、疲れも出てきていることから、早めに就寝することとなった。

 

翔子も自室で眠ろうとしたが、その前にヴァルキリーファクトリーの画面を眺めていた。

翔子「…やっぱヴァルキュリアセイバーを生み出そうとすると、時間はかかるよね。鈴香は薙刀があれば十分って言ってたし、響子も血桜に代わる刀とサブウェポンとして守護神たちの武器をベースにしたのがあればって言ってたし。それに比べあたしは…戦乙女の力がないと何にもできないのね。しばらくは後方でサポートかな」

 

翔子「というか、なんでルームウェアがこれしかないのかしら?まぁいいんだけどさ…(くまのルームウェアなんてあったかしら?)」

 

 

翌日

翔子「あれ?鈴香」

 

鈴香「おはようございます、翔子さん」

 

翔子「おはよう。朝練?」

 

鈴香「ですね。腕が鈍らないようにしないといけませんし。それに…」

 

翔子「それに?」

 

鈴香「この身体に慣れておきたいんです。足手まといにはなりたくありませんから」

 

翔子「…やっぱり、元の身体とは勝手が違うっていうことには気づいていたか」

 

鈴香「はい。自分の身体ですからね。規格が違う、というのを聞いた後、どうも違和感を覚えて。翔子さんも同じじゃないですか?」

 

翔子「そうね。あたしも素振りでもやろうかな」

 

鈴香「そう言うと思いまして、用意しておきましたよ」

 

翔子「準備万端か…。じゃ、軽く」

 

 

~天空寺家 広間~

ルミティア「あの…先輩どうかしたんですか?」

 

響子「調子に乗って素振りしてたら筋肉痛になったって」

 

翔子「うぅ…なんでこんな簡単に…」

 

鈴香「これも規格が違う影響でしょうか」

 

響子「引きこもってばかりだったからじゃない?それで身体がなまっているのよ」

 

翔子「…返す言葉がない」

 

ベル「とりあえず今日はどうされますか?」

 

翔子「街に出て情報収集かな。それに、しばらくこの世界に留まることになりそうだし」

 

鈴香「そうですね。生活用品は余裕がありますが、食料は…」

 

ベル「昨日買い出しをと考えていた時に世界移動でしたから」

 

響子「となると、まずは食材の買い出しってところかしら」

 

ルミティア「お買い物ですね!」

 

翔子「それはいいけど…ルミア、あんたその格好で街に出るつもり?」

 

ルミティア「え?」

 

響子「確かに…というか、ベルさんもさすがにそれは」

 

ベル「私はしばらく屋敷にいます。防衛設備は起動させてますが、誰かがここを守らないといけませんし」

 

鈴香・響子「ぼ、防衛設備…」

 

翔子「そぅ…となると、あとはルミアの服装ね」

 

ルミティア「要するに、皆さんと同じような格好になれば問題はないってことですよね?」

 

翔子「まあそうね」

 

ルミティア「そんなこともあろうかと…えい!」

 

パチン

 

一同「おぉー」

 

ルミティア「どうですか?これなら怪しまれなくて済みますよね?」

 

響子「確かに。これなら普通の女子高生と見られるわね」

 

翔子「でも、戦闘になった時は、ちゃんと自分のスタイルに合わせなさいよ?」

 

ルミティア「わかりました!先輩からのアドバイスですね!」

 

翔子「あはは…まぁそういうことで。それじゃ、いきますか」

 

 

翔子「とりあえず買い物はこれでOKかな」

 

鈴香「そうですね。一通り近くのお店は回りましたし、必要になった時にまた補充すればいいかと」

 

響子「ところで、ヴァリアントフォースはかつての大戦で壊滅状態になったって言うけど、最近物騒な事件が多発しているって言ってたけど、あれはヴァリアントフォースの仕業?それとも別の組織?」

 

鈴香「軽く調べてみましたが、ヴァリアントフォースにはいろんなグループがいたとなってますが、ほとんど15年前の戦争で壊滅状態になっているとか」

 

翔子「けど1つだけ、今もなお活動を続けており、その脅威は全世界に知れ渡っている」

 

ルミティア「どんな組織なんですか?」

 

翔子「えっと確か…」

 

??「エクスパンダー」

 

一同「?」

 

翔子「誰か何か言った?」

 

鈴香「いえ…」

 

??「どこを見ている。ここだ」

 

響子「えっと…これはなに?」

 

ルミティア「お人形さんでしょうか」

 

??「誰が人形だ。それはさておき、今日は平日だ。こんな時間から街に出歩くとは、学校をさぼっていいのか?」

 

翔子「ん~この街の学校に通っているなら、確かにそうだけど」

 

??「なに?」

 

鈴香「それより、エクスパンダーというのはなんですか?」

 

??「エクスパンダーというのは、ヴァリアントフォースのグループの中でも昔からかなりヤバイ連中が集まったグループで、ヴァリアントフォース内で1,2を争うチームだ。今では犯罪組織エクスパンダーの名前で通っている。奴らのせいでどれだけの犠牲が出たか…」

 

翔子「何か訳ありって感じね」

 

??「ま、そうだな。だが、こんな真昼間から女子高生がエクスパンダーのことを嗅ぎまわっているなんて。お前ら、ただの女子高生ではないな?何者だ?」

 

ルミティア「な、なんと言いますか」

 

翔子「真面目に答えなくてもいいわよ、ルミア」

 

??「ほぅ…返答次第では、同行してもらうことにもなるぞ?」

 

翔子「別に怪しい者じゃないわよ。あたしらはちょっと遠くの学校に通ってて、この街には旅行で来てるの。でも、なんか最近物騒だって話を聞くから、何が起きているのか調べているのよ。ほら、いざという時自分の身は自分で守らないといけないしね?」

 

??「…ま、確かにそうだな。だが、あまり深く関わらないことをお勧めしておくぞ。深入りしすぎると、エクスパンダーに消されるかもしれんからな。あと、俺みたいなガバナーを見かけたら近寄らないことだ。そいつは高確率で…敵だ」

 

一同「ガバナー?」

 

??「なんだ、ガバナー(搭乗者)のことを知らないのか?」

 

響子「初めて聞くわね」

 

??「…まぁ、本当はあまり知られていない方がいいのかもしれないな。俺たちみたいな戦争が生み出した兵器なんてものは。とりあえず、気を付けておけよ」

 

翔子「ええ、ご忠告ありがとう。そのお礼と言ってはなんだけど、こっちからもいいかしら?」

 

??「なんだ?」

 

翔子「女の子の後ろに立つときは、せいぜい気を付けることね。あんたにその気はなくても、訴えられたら勝ち目薄いわよ」

 

鈴香・響子「…あっ」

 

ルミティア「???」

 

??「…やれやれ、そういえばそんなことを前にも言われた気がするな。言っておくが、そんなつもりはないからな?」

 

翔子「そういうことにしておくわ」

 

 

響子「…この街には、ああいうのがたくさんいるのかしらね」

 

鈴香「ど、どうでしょうか」

 

翔子「どさくさに紛れて見られないようにしないとね」

 

響子「それはあんたも同じでしょ。それより…」

 

翔子「犯罪組織エクスパンダー…あったわ」

 

鈴香「あのガバナーさんが言ってた通り、ヴァリアントフォースの中ではけっこう危険視されているグループなんですね」

 

響子「ほとんど壊滅したヴァリアントフォースの中で、今もなお活動をしていて、壊滅した組織の残存勢力を取り込んで、力を増している。最近工場などの爆破事件などに、エクスパンダーが関わっているかもしれない、か」

 

翔子「敵はエクスパンダーとして見ていいわね。どれだけの力を蓄えているのかはわからないけど」

 

ルミティア「敵は強大ですね」

 

翔子「まぁそれはいつものことなんだけどね」

 

鈴香「エクスパンダーの度重なる襲撃事件は、あちこちで起きているようですね。ですが、エクスパンダーに手が出ない、というわけではないようですね」

 

翔子「15年前の戦争でも、ヴァリアントフォースに立ち向かったリバティー・アライアンスがあったって言うし、今でもエクスパンダーへの対策を講じているらしいわ」

 

響子「いろんな企業が参加しているって言ってたわね。どんな企業があるの?」

 

翔子「当時参加していた組織一覧もあるわね」

 

翔子「今でも表向きは様々な企業として稼働しているようね。成子坂製作所、ヤシマ重工、株式会社Glitter、エデン・インダストリー…ん?」

 

鈴香「どうかしましたか?」

 

翔子「ファクトリーアドバンス…まさかこの名前は」

 

ルミティア「何か心当たりが?」

 

翔子「あたしが知るファクトリーアドバンスなら、アレがいるかもしれない」

 

響子「アレってなによ」

 

鈴香「…サポート型のアンドロイド?」

 

響子「本来は人とのコミュニケーションやサポートを目的として開発研究がされていたが、近年のエクスパンダーの動きに対し、一部のアンドロイドに防衛機能を搭載することが決定。デザインは過去の戦争でも活躍した人型戦術兵器フレームアームズをベースにして生み出されており、その妹分ということから、そのアンドロイドたちはフレームアームズ・ガールと呼ばれる。その製造や管理などを統括しているのが、ファクトリーアドバンスだって」

 

翔子「フレームアームズ・ガール…やっぱり彼女たちがいるのね(でも、サポート型アンドロイドってことは、人間サイズよね。本来の彼女たちは、だいたい15センチくらいだし。この世界では違うのか)」

 

鈴香「ここはフレームアームズ・ガールの世界ということでしょうか?」

 

ルミティア「ということは、昨日会った彼女たちもその登場人物なんですか?」

 

翔子「いや、違う。まどかたちはフレームアームズ・ガールの登場人物じゃないわ。それにエクスパンダーという組織なんてないし、さっきのあのガバナーというのもフレームアームズ・ガールには登場しないわ」

 

響子「じゃあ、ここは一体何の世界なの?」

 

翔子「わからないわ。でも、なんかこれらの共通点があるような気がするんだけど…なんだったかな…」

 

翔子「そろそろ下校時間か」

 

響子「一旦屋敷に戻る?」」

 

鈴香「荷物もありますからね。今日はこの辺で」

 

ルミティア「それなら心配ありません。私が屋敷に転送します」

 

翔子「転送って、あんたそんなことできるの?」

 

ルミティア「任せてください。このリングを使って」

 

 

 

 

鈴香「はぁ~転送されましたね」

 

響子「ルミアがいれば、買い出しの荷物そのまま屋敷に直送ね」

 

翔子「とりあえずこれで荷物はなくなったし、調査続行しようか」

 

響子「…ねぇ、なんか向こうの方が騒がしくない?」

 

翔子「このパターンはもしかして…」

 

鈴香「翔子さん!あれ!」

 

翔子「あれは…アーキテクフレーム!」

 

響子「あれって、昨日広場とかにいた」

 

ルミティア「警備用のロボットでしたよね?でも、なんで」

 

翔子「暴走しているのかしら」

 

「いいぞ!やってしまえ!」

 

翔子「今度はなに?」

 

鈴香「あれはもしかして…ガバナー?」

 

ルミティア「ですが、さっきの方とは別のガバナーですよね」

 

翔子「…あれが、エクスパンダーかしら」

 

「はっははっ!いいぞいいぞ!もっと暴れろ!」

 

翔子「これ以上は見過ごせないわよ」

 

鈴香「ですが、今の私達では」

 

ルミティア「私が行きます!先輩たちは皆さんの避難を!」

 

翔子「わかった。頼んだわよ、ルミア!」

 

翔子「とりあえずこの場はルミアに任せて、避難誘導しますか」

 

鈴香「ですね!」

 

響子「せめてそれくらいだけでもしないとね」

 

 

同じころ

「えぇ!?この近くで!?」

 

??『はい。今1番近いのは、あなた達です。至急現場に向かってくれますか?』

 

「わかりました」

 

「もぉ~!買い出しの途中なのに!さっさと終わらせちゃおう!」

 

「2人は助っ人でしたね。ここは私1人で」

 

「私を忘れちゃ困るよ」

 

「そうでした。急ぎましょう、あお!」

 

 

響子「他に逃げ遅れた人は!?」

 

鈴香「周辺にはいません!」

 

翔子「あとは…あいつらさえなんとかなればってところか」

 

ルミティア「やあっ!!」

 

 

「撃て!撃て!」

 

「なんだよこいつ!すばしっこいぞ!」

 

 

ルミティア「そんな攻撃は当たらない!」

 

ルミティア「はあっ!」

 

 

ルミティア「やあっ!」

 

「あいつ強いな…」

 

「だけど1人だ!囲め!」

 

ルミティア「多勢に無勢…まだ増援が来る。このままだとこっちが押し切られちゃう。だけど、先輩たちが戦えない今、私がなんとかしないと!」

 

響子「力はルミアの方が勝っているけど、数が多すぎる」

 

鈴香「このままじゃ押し切られてしまう」

 

翔子「(…いざという時は、撤退も考えないとだけど、あれから逃げきれるのかが微妙ね)」

 

「いました!あお!」

 

「よし!間に合った!」

 

鈴香「えっ!?逃げ遅れた人!?」

 

響子「まだいたの!?あなたたち!危ないわよ!」

 

翔子「いや待って、この2人は…!」

 

「それはこちらのセリフです。あなたたちこそ、早く避難をしてください」

 

「そうそう。ここは私たちに任せて」

 

「な、なんだ!?」

 

ルミティア「これは…結界?」

 

ナルミ「あお、お願いします!」

 

あお「OK!行くよ、ナルミ!」

 

“フレームアームズ・ガール!スタンバイ!”

 

翔子「おっ…おぉっ!これは!」

 

響子「いやなに興奮しているのよあんたは」

 

あお「本当はあんまり人前で見せちゃいけないんだけど、この際仕方ないよね!フレームアームズ・ガール!」

 

ナルミ「轟雷!セッションGO!!」

 

 

 

 

 

 

 

翔子「フレームアームズ・ガール!やっぱ本物だ!」

 

響子「あれが、フレームアームズ・ガール」

 

轟雷「いきます!!」

 

 

 

 

 

 

鈴香「は、早い…!」

 

あお「轟雷は多くのバトルの経験を積んできているからね。あの程度の奴らなんて敵じゃないよ」

 

響子「バトルって…」

 

あお「ところで、あっちの天使はあなたたちの?」

 

翔子「ええ。彼女と連携を取ってくれないかしら」

 

ルミティア「あ、あなたは?」

 

轟雷「援護します。一緒にエクスパンダーを倒しましょう」

 

??「おっと!俺も混ぜてくれよ!」

 

翔子「あれは、さっきのガバナー!」

 

轟雷「来ましたか、トール」

 

トール「ああ。お前たちと同じで近くにいたからな。加勢するぞ」

 

「な、なんなんだよ!次から次へと!」

 

「くそっ、ここは撤退だ!ボスに報告しないとな!」

 

「あ、ああ、そうだな。覚えてろよ!」

 

トール「…なんだ、お約束のセリフ吐いて逃げていったか」

 

ルミティア「追いかけますか?」

 

トール「いや、やめておいたほうがいいだろう」

 

あお「お疲れ。轟雷」

 

翔子「ルミアもお疲れさん」

 

トール「まさかさっきの女子高生たちとまた会うことになるとはな。しかもお前天使かよ」

 

轟雷「…あお、この人たち」

 

あお「うん、わかってる」

 

トール「ここに来る前に話に出ていたが、こいつらを連れてこいって言ってたな」

 

翔子「え?」

 

響子「連れてこいって…」

 

あお「あ、別に悪いことしようって思ってないから安心して」

 

轟雷「あなた達に会わせたい人がいるんです」

 

鈴香「会わせたい人?」

 

トール「俺たちの司令官だ。あんたらに興味があるってな」

 

翔子「へぇ…ということは、ファクトリーアドバンスの代表者さんに会えるってことでいいのかな?」

 

あお「ん~代表というのは違うかもだけど、まぁそんな感じ?」

 

翔子「いやどっちよ」

 

トール「とりあえず、付いてきてくれないか?早く連れて来いってうるさいからさ」

 

??『あら、うるさいとは心外ですね、トール』

 

トール「…聞いてたのかよ」

 

??『こちらからモニタリングしてますから、ばっちりですよ』

 

翔子「と、とりあえずお邪魔しようかな?」

 

 

翔子たちは、あお、轟雷、トールの案内で司令官が待つファクトリーアドバンスへ招かれることになる。

 

司令官ははたしてどんな人物なのか?

 

そこで待っているのは、意外な人物であることに、翔子たちはまだ知らない。

 

第3話へ続く

 

 

次回予告

フレームアームズ・ガール轟雷とヘキサギアのトールの協力でエクスパンダーの兵士を退けた一行。だが、犯罪組織の戦力はあんなものではない。翔子たちの情報を聞きつけた幹部たちが、徐々に動き出そうとしていた。

 

その頃、翔子たちを連れてくるよう言われ、一行をある場所へ案内する。そこで待っていたのは、意外な人物と新たなフレームアームズ・ガールたちとの出会いだった。

 

次回、プラモ劇場版 世界をかける少女 KOTOBUKIYAの世界編

第3話「ファクトリーアドバンス」