13巻以降の話数の感想を書いていこうと思います
以前からツイッターでも書くようにしたんですが文字数が少なくてほとんど書けなかったので
毎話更新していく予定なので先の展開でUPした時点の分析が後の展開で否定されることもあると思いますが
一度書いたものは修正しません
(文章が分かり辛かったり、誤字脱字など内容が変わらない形の修正はします)
前回考察を読んでからでないと意味が分からない箇所が出てくるのでこれを読まれる方はその前に必ず12巻考察記事をお読みください
勿論、原作karte.1~karte.168も必読!です

異論反論含め、感想ご意見大募集
コメントにてお願いします

 

前回karte.183

 

まずはあらすじから

前回、幕有高校の不合格通知を見た直後から
帰宅中に言葉も交わさない京太郎と山田
イマジナリーは京太郎が腫れ物扱いになっていると言います
ぷっくりと膨らむ京太郎が可愛い
ストーリーの深刻さを絵の可愛さで帳尻合わせしていますね
こういうコマがないと本当に辛すぎて、読めないですよ

「山田もどう触れていいものか困っているじゃないか」
そうでしょうか?山田の表情を拡大して見ると・・・
京太郎に気を使って話しかけらなれない表情ではないですね
しかし何も考えていないかというとそうでもない、
なにか深い考えがありそうなキリっとした表情にみえますね
この漫画では表情が適当に描かれるという事はありません
その時にキャラクターが何を考えているかはすべて設定して描かれています
会話やストーリーの流れと表情が一致していないときは要注意!ですね
(勿論食べ物のことを考えている可能性もあります)

真剣な表情の山田でしたがコンビニが近づくと京太郎を忘れてはしゃいでしまいます
コンビニくじでA賞を引いて喜ぶ山田
ねこサメのぬいぐるみが登場
ねこシャークと同じ作品のキャラなんでしょうか
僕ヤバ世界ではねこサメ、ねこシャーク、ねこカマキリは国民的人気コンテンツですね

 

京太郎を置き去りにしてはしゃいでしまったことにハッと気づきます
表情がころころ変わって可愛い

なにを考えていたのかはわかりませんがコンビニに着いてからは純粋にはしゃいでいたようです

「山田に気を遣わせるな」
karte.151にもほぼ同じ台詞がありまして、あちらは場違いな台詞でした
あの時は京太郎が山田を腫れ物扱いしているような違和感を感じましたが
予告の段階では台詞を一致させることで意味を持たせたのかと思いましたけど
本編で読んでみるとあまり関係がないように感じました
意味や状況がかなり違うので
対比させているわけではなかったか

おねえにも不合格を報告しますが、
前回に引き続いておねえがおねえらしくない印象を受けましたね
前回帰宅の時点でテストの感触が芳しくないことはわかっていたんですから
わからなかったところの対策、苦手の克服はその日のうちにやっておくべきです
二日経過してからではすでに遅い
受験巧者の香奈ならそのことは当然わかっているはずなのにkarte.183の時から強く言えませんでした
萌子躍進の鍵はももちゃんという強い味方の存在でした
おねえも京太郎の勉強を直接見てやればひとりで勉強するより成果が上がるはずです
おねえはその後の食卓にも顔を出していません
京太郎の不合格はおねえにとってもショックだったように感じます
京太郎が中学受験に失敗し、一時期登校拒否になったことは
市川家全体にとっての大事であったことは想像に難くありません
7巻得喪版エピソード零でも香奈が京太郎を腫れ物のように扱うシーンがありました
中学受験失敗がトラウマになっているのは香奈も同じです

いつもの明るいテンションで京太郎たちと接することはいまのおねえには難しかったのではないでしょうか
最低限のアドバイスだけで自室に戻ったのは涙を堪えられなかったからのようにわたしには見えます

「二度と気を抜かないように」「気を抜いたつもりなんかない」
本当はどうだったのでしょう
京太郎は万全の備えで試験に臨んだと言えるのでしょうか

京太郎の精神はさらに追い詰められ、不合格を別人格のせいにしようとします
とても悪い兆候です
月並な予想ですがこの次は勉強に集中できないことを山田のせいにする展開もないとは言えない
karte.181で深夜に飛び出し、karte.182で風邪を引いた展開は
山田の対応にも原因があるかのように描かれていますね
さらにkarte.182では、これからは山田を寂しがらせたりはしないと誓っています

京太郎は山田のために勉強を控えると言っている?

karte.182の感想でも京太郎は山田のために勉強ができないと言っているように聞こえる
と書いたと思います
京太郎の中で「山田のため」が「山田のせい」になることはないのか
「京太郎が嫌だっていうまでずっとそばにいる」
京太郎が山田を拒絶する展開もあり得なくはないとみるのは考えすぎでしょうか

二日経って萌子の合格発表
京太郎は萌子の合格を心の底から喜びます
3年は自分が不合格で他人の合格を心からは喜べなかったんですが、
karte.176を経て京太郎も成長しましたね

さっそくお祝いのカラオケパーティが企画され、付いていこうとする京太郎
女子6人の女子会に付いていこうとして引かれています
フラモブ事件以後、山田と付き合ってないことになっていることを
忘れてしまっていたんでしょうか
メンバーは京太郎の不合格を知らなかったので別に腫れ物扱いしたわけではありません

萌子が最初から余所余所しかったのは、萌子だけ京太郎の不合格を知っていたのかな
知っているとしたら情報ルートは山田しかありませんが
山田は萌子にだけ京太郎のことを相談済なのか
今までの経緯を考えればあり得る話ですが、すると萌子にもまだ活躍機会があるのか

京太郎は萌子のお祝いという理由があるにせよ、
試験まで3週間を切っているのにまたもや遊びに出て行ってしまいました
萌子のお祝いなら1日くらいいだろうとか、
描写がないだけで勉強も毎日何時間もしているはずだ、
というのはあまり重要じゃないです
のりお先生は、京太郎の勉強シーンを描かずに遊びのシーンだけを描くことで
そろそろ読者にもあれ?京太郎も言ってることとやってることがおかしくない?と
違和感を持ち始めるように誘導してきたということです
実際は京太郎は13巻あたりからあまり勉強している様子がありませんでした
だからおねえは気を抜かないようにと言ったんですね
karte.182で言った、山田が寂しがっているのに自分は勉強ばかりしていたという自己分析が実態と乖離しているということでもあります

カラオケルームで落ちたことを告白する市川
落ちたことにもですが、滑り止めに落ちたのにカラオケに来たことにも
ドン引きされてるんだと思うんですが、京太郎はそれには気づいていないのか


着々と不合格に向かって転落していく展開が続いている気がしますが
最終回も近いという事で現状の確認をしてみたいと思います

京太郎の受験がストーリーの中心軸となり、
山田との関係、恋愛軸が本題から離れてしまったように感じられる昨今ですが
しかしこの漫画の本題はあくまで京太郎と山田の距離感です
karte.155では山田と会わなくなってから成績が停滞し始めたこと
karte.158では雑念が京太郎にはかえって集中力を高めることが説明されてました
実は京太郎のテストの成績は山田との関係値と連動しているシステムになっており
京太郎の成績の浮き沈みは現在の山田との親密さを読者に伝えているのです
9月模試の成績はkarte.142までは二人の関係が良好だったことを
10月模試の成績はkarte.155では悪くなってしまったことを表しています
11月12月の模試の結果は詳しく描かれていませんが
10月模試とあまり変わらなかったと思われます
karte.176で出た1月模試の結果、B判定は

まだ良いとは言えないが山田との関係が回復し始めたことを表していました
そして1月模試の時点ではA判定だったはずの併願1校目、幕有高校に落ちた事実は
山田との関係値がkarte.176の時よりも大きく下がってしまったことを伝えています

二人の関係に改善がなければ京太郎の受験は危ういままでしょう
逆に言えば山田との関係が回復すれば京太郎の勉強への集中力は回復し
成績も上がって難関校にも合格できるようになるという意味でもあります

13巻ラスト、karte.182で京太郎は山田の真意を受け止め理解し、
ついに杏奈と下の名で呼ぶイベントまで達成し、山田の望みはすべて叶えたはずです
万全の状態で臨んだはずの試験に合格できなかったのはどういう事でしょうか
今、京太郎と山田の間には大きな溝があり、二人はそれを乗り越えられていないということです
京太郎は何を間違えたのでしょうか
山田の理想の彼氏になれたはずの京太郎にあと何が足りないのでしょうか

今回はこの謎を追っていきます
※内容的にはこれまでの考察記事

12巻考察

感想karte.169~karte.178

karte.179「僕は後押ししたい」感想

karte.180「私は積もり積もる」感想

karte.181「僕はくそゴミ」感想

karte.182「僕らはまた愛おしくなる」感想

13巻読了

karte.183「僕は戦闘開始」感想

までと同じ内容をまとめたものとなります

今の京太郎に足りないもの、これまでに京太郎が重ね、償っていないやらかしを
一つずつ数えてみたいと思います
そのためには物語を11巻の最初のほうまで戻る必要があります
現在にも続いている京太郎の最初のやらかしはkarte.145
「山田の事務所が自分との交際に反対していると勘違いしたこと」
ですね
11巻をちゃんと読んでみるとわかるんですが、
芸能人の恋愛禁止令の話をしているのは京太郎と足立だけです
山田の事務所はいくつか制限を課しましたが内容は公立の学校やその生徒たちに迷惑が掛からないための常識の範囲内のものです
事務所の山田の恋愛に対するスタンスはkarte.81で諏訪さんが言った通り
「仕事の支障にならない範囲なら問題ない」です

2つ目のやらかしはkarte.150
「山田とのデート中、周囲の視線に恐怖を覚えるようになる」
この頃から京太郎は山田を拒絶するようになります
その理由が自分の仕事だろうことは山田もなんとなくわかっていますが
事務所から恋愛禁止令を課されているだの、
交際が公になれば大スキャンダルに発展するだのは

京太郎の山田への過大評価が生んだ妄想です
京太郎がなぜここまで過敏になっているのか山田には見当が付きません
以降、大好きな京太郎とのデートを心から楽しむことができなくなります
とても悲しいできごとでした

3つ目のやらかしはkarte.154
「芸能界や事務所を敵視するようになる」
山田は自分との文化祭より事務所の命令のほうが大事で、
もし自分との交際を事務所が正式に反対したらそれに従う
京太郎はそんなあり得ない妄想に執りつかれてしまいます
現実は逆です
山田の中での最優先は京太郎で確定しており、
どちらを取るかと言われれば山田は京太郎を取ります
山田がモデルを続けているのは交際との両立に支障がないからです
それは事務所が山田と京太郎の交際に理解を示している証左でもあります

4つ目のやらかしもkarte.154
「高校合格するまで外で会うのをやめようと言い出す」
この約束のおかげで二人は健康に支障が出るほど悩み、苦しむことになります
karte.154での京太郎は、突然教室に現れ、山田に抱き着いた後
理由の説明をしないまま合格までは外で会うをやめようと言い出していますね
山田はどうやったら京太郎がそんなことを言い出した理由が
直前の諏訪さんとの会話にあったこと
京太郎が事務所が交際に反対していると勘違いしていること
自分を大スキャンダルになるほどの人気アイドルだと思っていること
などを予想できたでしょうか
「合格まで」と条件を付けたら勉強に集中するためとしか思えません
山田は謂れのない理不尽な理由で恋人との接触を禁じられることになりました

これらに際して、山田はどう対応をしていたでしょうか
山田は文化祭欠席を事前に告げなかったのは突然現れて驚かせたかっただけなのこと
むしろ諏訪さんのおかげで一番いい位置で京太郎主催の催しの反応を見れたこと
これらを11巻のおまけページでちゃんと説明していますね
山田の側から交際は秘密にしたいと言い出したわけでもありません
山田に交際を秘密にするよう迫ったのはkarte.144の京太郎でした
事務所にも反対されてない、などはわざわざ言うわけがありません
事務所から反対されている云々は京太郎の頭の中にしかなく、
京太郎がそんなことで悩んでいるとは山田は知る由もないのですから
山田は自分にとっての一番が京太郎であることは何度も言葉にして伝え
なにかあるときは事情の説明もしているはずなのですが
しかし京太郎がしている誤解が想像が付かない内容だったので
誤解そのものを解消することはできませんでした

5つ目のやらかしはkarte.156
「会わない約束の撤回をはねつける」
会わないことで京太郎が勉強に集中できるどころか
無意味で害しかないと感じた山田は約束を撤回するよう迫りました

決め事の根拠となった理由が誤解なのですから続ける意味がありません
しかし京太郎は今度も山田の話をろくに聞かずに提案を退けてしまいます
これで二人は大変な苦労をすることになります
この約束はこの後karte.170にて山田の必死の説得により
正式に撤回され、現在は残っていないのですが
そもそも約束を言い出したこと、撤回を退けたことの反省がまだ済んでいないので
現在も禍根となって残っているやらかしに数えます

6つ目のやらかしはkarte.159
「10月以降の成績を隠す」
京太郎はkarte.142で9月模試の成績が良かったことを伝えていました
karte.155で10月模試の成績が悪くなってからは伝えなくなりました
京太郎の成績が涙が出るほどの心配事であったことはkarte.142で知ったはずです
そうでなくても山田は京太郎が努力してそれが報われることが自分にとっても幸せであると何度も説明してきました
その健気さが京太郎には見えていなかったことになります

7つ目のやらかしはkarte.178
「試験日4日前に萌子の家に行く」
これが受験生としての自覚のない行動であることに説明は不要でしょう
これも受験生として、ではなく山田の彼氏としてのやらかしに入る出来事です
山田が京太郎の合格のためにどれだけ腐心しているかが目に入っていれば
今自分がすべきことがつづくのMV制作ではないことがわかったはずです

8つ目のやらかしはkarte.181karte.182
「試験3日前に深夜に外で夜明かしし、試験直前に風邪を引く」
これも7つ目のやらかしと同類ですね
試験3日前の深夜に家を飛び出します
当然のように風邪を引き、試験日前日前々日もろくに勉強できずに
試験当日を迎えてしまうことになります
京太郎は「山田は今すぐ自分と会いたいと思っている」と誤解したことで
試験直前の大事な時期に体調を崩してしまいます

10つ目のやらかしはkarte.182
「3度もチャンスがあったのに山田が京太郎の受験を心配していることに気付かず
勉強ばかりして遊んであげられないことが怒りの原因だと勘違いした」
目下の状況ではこれが最大のやらかしとなって京太郎たちを苦しめています
そもそもの問題として、山田の寂しさが限界を迎えるほど
13巻の京太郎が勉強ばかりしていたようには見えません
それでも机に向かうコマも多かったので
描写外は全て勉強していたのでは、という反論もできました
それも塞いできたのが今回、karte.184となります
萌子の合格祝いなら、それは行くべきでしょう
しかし行くまでの動作が自然すぎる、葛藤がない
京太郎は集中しているつもりでもおねえの評価は「気を抜いている」です
京太郎は自らの現状認識を誤っていることになります
京太郎の自覚がこのままでは超難関校修岳館の合格は絶望的だということです

そして山田はこの危機に対してはどのような対応をとっていたでしょうか
京太郎の成績は10月から12月までは修岳館の合格は絶望的な点数で
1月模試の成績でやっとぎりぎりのB判定に持ち直したに過ぎません
全体を通してみればかなり悪いのですが12月から1月で一気に成績が上昇したこと
修岳館はB判定でも偏差値72の学校にはA判定だったことで気の緩みが出ます
1月12日萌子家訪問
1月13日深夜外出
1月14日風邪を引く
1月16日幕有受験日結果は不合格
1月18日おねえに「気を抜かないように」と言われたのに自覚なし
1月20日カラオケに行く
こうして流れを整理してみると確かに京太郎は受験生として気が抜けていることがわかります
karte.178萌子家訪問は気の緩みが実際の行動になって表れた最初の事件であり、
山田が突然取り乱したように見えたkarte.180の「怒ってんだよ!」は

俯瞰して見れば初動のタイミングでそれを窘める理に適った対応だったんですね
Cに近いB判定は状況としてはかなり悪いのに京太郎がなぜか楽観的でいることに
山田(とおねえ)は1月12日よりも早い段階で危惧を抱いていたんだと思われます
しかし京太郎のとった行動は山田が期待していたものとは真逆のものでした
その日は勉強が手に付かず、なんと翌日には風邪を引いてしまいます
その上考えて出た結論が勉強ばかりしすぎたのが悪かったというのです
行動を見返せば山田の受験への協力態度はわかりやすく描写されていたと思います
言葉でも何度も伝えていたと思います
特にkarte.174ではついに京太郎と分かり合えたと思っていました
しかし実際は違いました
これ以上は言葉で言っても無意味と判断せざる得ない状況になってしまいました
山田は説得を諦めその場を収めるために京太郎の言葉に同意してしまいます
山田もついに二人の相互理解を諦めてしまったのでしょうか
いいえそうではないようです
山田は言いました「市川は大丈夫!」と
山田は信じているのです

京太郎と必ず分かり合えると
どれだけ思いが通じなくても、山田はけして諦めないのです

京太郎は11巻からのわずかな間にこれだけのやらかしを重ねていたんですね
積もり積もった多くの誤解が京太郎と山田の間に距離を作っており
現在の危機の原因となっています
誤解と認識のずれがテーマのラブコメ漫画の本領、
全ての危機は京太郎の誤解から生じていたのです
解決の糸口は一つしかありません
京太郎の自覚を促し、現状を正しく理解させること
しかしこれらの誤解は京太郎だけでなく読者も共有してしまっています
作品の展開は京太郎に覚醒を促しながら
それと同時に読者に対しても謎の解き明かしに導いているような気がします
連載完結まであと十数話、
伝えたいことはたった一つだけなのですが
それまでの過程はとても丁寧に進んでいくことでしょう

修岳館の試験日まであと20日に迫っています
京太郎の覚醒は間に合うでしょうか
山田は京太郎の成績を理解したうえで市川は大丈夫!と言っています
山田には何か考えがあるのか、それとも山田にはそう言うしかないのか
次回に続きます
(2026/1/29UP)