13巻以降の話数の感想を書いていこうと思います
以前からツイッターでも書くようにしたんですが文字数が少なくてほとんど書けなかったので
毎話更新していく予定なので先の展開でUPした時点の分析が後の展開で否定されることもあると思いますが
一度書いたものは修正しません
(文章が分かり辛かったり、誤字脱字など内容が変わらない形の修正はします)

異論反論含め、感想ご意見大募集
コメントにてお願いします

 

前回karte.189

 

 

 

ラーメン屋で足立と昼食をとる京太郎から場面が始まります
この日は併願校Cの受験日当日でもあるはずなんですが
すでに終わっているようですね
(試験って、すぐ終わるんですね)
修岳館入試は2月9日でした
するとこの日は2月11日、曜日で言えば木曜日
建国記念の日、祝日ですね
試験帰りの京太郎はいいとして、キャラクター全員制服を着ているんですが
実は登校日だったのかな
3学期が午前授業になっている代わりに祝日が登校日になったんでしょうか
併願3校目が終わった、と言っているので合計4校全部受験したんですね
karte.187で何も言っていなかったので
併願Bは受けなかった可能性も考えたんですけど、カットされただけか

足立の関心事は京太郎の受験ではなく女子たちの卒業旅行のことのようですね
旅行には足立も来るつもりでしょうか

合否の発表は試験日の2日後の12時に届きます
時計は11:57を表示していますが果たして

二人が食べているラーメン屋は間取りからして以前も着た店ですね

味のわりに穴場らしい
平日昼間でも混雑していないので都合がよかった?

12時を過ぎましたが京太郎にはすぐに合否通知を確認することが出来ません
幕有高校に不合格だった時の記憶が甦っているようです
確認する前に、足立に頼んで女子たちを集めてもらいます
これを頼むために足立と食事をしていたのか

足立に呼び出されたはずなのに京太郎が居たことで山田と萌子も状況を察します
山田も今日が合格発表日であることは知っていますから
朝から恐々としていたことでしょう
その京太郎から呼び出されたことで心中穏やかなはずはないでしょうね
京太郎が自ら呼ばずに足立を通して集まってもらったのは、
山田に構えてほしくなかったからでしょうか

足立が京太郎の名前なしに女子4人を集められたのは意外でしたね
足立はどこまで女子たちの連絡先を知っているんでしょうか
足立は山田の連絡先も知っている可能性は0ではないと思います
足立は京太郎と山田の交際を知る貴重な男子なので
ただし一番あり得そうなのは足立がLINEしたのは萌子で
萌子から山田小林吉田、に連絡でしょうか

おそらくですが、3年1組にはLINEグループが存在している可能性が高い
何故って、カンカンが居るからです
カンカンは2年の頃も2組にLINEグループを作っていました(karte.31)
カンカンの性格を考えれば3年生のクラスでも作ろうとすると思います
しかし足立は2組ですから仮に3年1組にLINEグループがあったとしても
それには入っていません
どちらにしろ今回の連絡には活かせませんね

足立が萌子とLINEを交換しているとしたら2年生の間だったことになるでしょう
足立と萌子の間に接点があったのはホワイトデーが思い出されます
ただしkarte.90のお手紙イベント、
実は足立と萌子のフラグ成立イベント、ではないんですよ
足立はその後で京太郎と体育祭で対決していますし、
karte.145でもあの対決がなければ自分は山田を諦められなかったと言ってますね
足立の恋愛描写を読み返すと
karte.4で渡した手紙の内容は「LINE教えてください」だけだったし
karte.25でも山田相手だと緊張していつもの調子が出ませんでした
足立は本命には一途で誠実、本命に対してはいつもの調子が出せないやつ、でした
それを踏まえてkarte.90の手紙を読んでみますと・・・
萌子には気持ちがないから書けた文面だったんですね
萌子がそれをわかってなかったはずはありません
足立と萌子は2年生のうちにLINEの交換を済ませていて
足立が山田を諦められたのは3年生になってから、だとしたら
二人の関係は完全に「友達」かな
交換した場面として可能性が高いのはkarte.95の花見回でしょうか
あの場面で交換を済ませたんだとしたら足立萌子だけでなく
市川足立神崎太田、萌子こばやしにゃあ、全員でLINE交換した可能性が高いですね
足立は萌子だけでなく山田こばやしにゃあ全員に直接出来てもおかしくないか
そうじゃないとそもそも今回、
京太郎が足立にみんなの招集を頼む流れになりませんから

3巻の京太郎と山田のLINE交換は序盤の山場イベントでした
ナンパイのエピソードも絡めて考えると山田とのLINE交換は男子にとって貴重、
京太郎だけが山田とLINE交換している構図が特別な空気を生んでいましたが
京太郎と山田、二人の交友関係が広がった現在では
山田が京太郎以外の男子ともLINE交換していても不思議ではないでしょうか
京太郎にとって山田とLINE交換している男子が自分だけという事実には
山田を独占している優越感もあったとは思います
しかし僕ヤバは、そういった子供っぽい精神性から脱却する過程を描いた漫画
karte.161で萌子が図書室で隣に座ったことで山田は嫉妬した(ように見えた)
以前の京太郎は別として今の京太郎はその段階には居ません

わざと話をそらしているわけでなく足立は本当に市川の受験を気にしてないのか
悪意なく卒業旅行の話題で盛り上がる足立
この反応が、市川にとっては逆に有難かったんでしょうね
(このために足立を同席させたのか)
足立はとても卒業旅行に行きたそうにしていますけど
卒業旅行編はいつになく大所帯のイベントになってしまうんでしょうか
「足立が来る」ということは足立にも役割や見せ場が用意されいるという事です
足立が来るなら木下も来るでしょうし半沢さんカンカンで合計9人
修学旅行編は大掛かりなイベントになるのかもしれませんね

京太郎に呼ばれたのは女子だけではありません
京太郎は木下も呼んでいました
木下も修岳館受験生、大事な発表があるのは木下も同じです
(足立は自分の知らない市川の友達の登場にちょっとジェラシー?)
京太郎は木下の言葉を遮りました
まだその時ではないようです

たっぷり長コマ5コマ、1ページ分の雑談
卒業旅行の行先はいまだに不明、これも引っ張りますね
パシリに使おうとする萌子に足立は素でウザそうにしています
やはり今のところ二人にフラグは立ってなさそうですね
山田がこばやしの口にポテトを入れようとして、
自分の口に入れる遊びをしていました
あれ?こばやしのアレルギーは?
こばやしのアレルゲンは揚げたポテトではなかった?
「わかってたくせに」という台詞から
やっぱりこばやしはフライドポテトにはアレルギーがあって、
その上でこの二人は口にポテトを入れる真似をする遊びをしていますね
入れるわけがないから「わかってたくせに」なんですね
本当に中学生は大人には考えられない馬鹿な冗談をしますね
しかし山田は1年半前までお菓子を食べるのにこばやしから隠れていたのです
こばやしが不要な気遣いだというのに山田が勝手にやっていました
それがこんな冗談をするようになった
こばやしのアレルギーに全く気を使わない関係になったのです
山田とこばやしの関係も成長しているんですね
そして、ここでやっと、京太郎は自らのスマホを確認しました

立ち上がる京太郎
山田はみんなのおしゃべりを制します

京太郎は合格していました!
勿論木下も
涙を浮かべて最高の喜びを表現しているのが山田と萌子
受かると思っていなかった?本当に驚いている様子なのが吉田
足立は重大さはわかってないようでも喜び祝福していますね
これで京太郎、木下、萌子、受験組3人全員の合格が決まりました

京太郎は安堵から昔の悪い癖が出てしまいましたがこれは京太郎流照れ隠し
京太郎は発表寸前まで自分が合格していることを知りませんでした
もし不合格でも結果を報告するつもりで集めたのがこのメンバーでした
一緒に合否を確認することが京太郎のできる限りのお礼だったんです

この場に半沢さんが居なかったのが残念ですね
京太郎が合格できたのは半沢さんの働きも大きかったのですが
京太郎目線ではわからないので仕方ないか
半沢さんを呼ぶと確実にカンカンも来ることになりますからね

今回は8ページ、合格発表だけで1話を使い切りました
物語はやっとここで大きな一区切り、
しかし前回も書いたように本当の試練が始まるのはここから、でしょう
これから始まる本当の試練から見れば受験も前座と考えるべきです
受験が終わったことで、本当の試練が始まる前に今まであった問題は
いったん一通りが片付いたことになります
様々なことがありましたが、合格ですべて報われた形となりました
現在の京太郎と山田は幸せの絶頂にあると言ってよい
しかし大きな絶望の前に幸せに持ち上げて展開に落差を付けるのは
ストーリーテリングの基本ですね

ここからの展開は卒業旅行編が示唆されていますが
中学生はこれからイベント目白押し
バレンタイン、卒業式、ホワイトデー、京太郎誕生日、
高校進学後も描くなら山田出演の映画の公開も待っています
本編がどのあたりまでを描くのかは未知数ですが
ペースを早くすれば全部やり切ることも可能ですが
14巻に入ってからは心理描写が細かくなって
反対に時間の進み具合は遅くなっています



京太郎の本命志望校合格のお祝いを兼ねまして
今回の京太郎の勝因がなんだったのか?を考えてみたいと思います
karte.183ではこれより偏差値の低い幕有高校に合格できなかったのに
それより難関の修岳館にはどうして合格てきたのでしょうか

京太郎合格までの道のりにはどのような苦難があり、どうやってそれを乗り越え、

その度にどのような戦略が駆使されていたのでしょうか

物語の外の視点で見るならハッピーエンドで終わることは分かっている物語で
14巻完結が宣言されたのですからここで主人公が落第する展開は考え辛かった
それは正しいのですがそういった意見はあくまで物語の外の視点です
何故?幕有高校に落ちた京太郎が
それより偏差値の高い修岳館には合格できたんでしょうか
幕有高校に落ちたkarte.183から修岳館を受験するkarte.189までの間に
京太郎の成績が上がるきっかけがあったという事でしょうか
京太郎はkarte.183の前も後もずっと勉強しています
本人の勉強態度にはkarte.183前後で特に変化はなかったと言えます
結果はたまたま?
京太郎は本来どんな学校にも合格できるだけの学力があったのに
試験は一発勝負なのでkarte.183は「運が悪かった」だけなんでしょうか
これが現実のことであればそういうこともあるでしょう
しかしこの作品は僕の心のヤバイやつ
起る事象には理由があり、無駄なエピソードは一つもない
幕有高校に合格できなかったのは合格できなかった理由があり
修岳館に合格できたのには合格できた理由があって、
その理由はちゃんと物語のどこかに描かれているはずです
今回はそれを読み解いてみようと思います

京太郎が勉学優秀な生徒であると明かされたのはkarte.24
科学のテストで92点でしたね
続いてツイヤバ

服装が冬服ですからここでいう期末テストは2年生の2学期です
成績は7位
第十二中学は普通の公立校ですがその中では上位の成績でした
またkarte.35で山田とこばやしの会話の中で
市川は成績が良いように話されています
しかし翌karte.36では市川が授業に積極的に参加することが
昔から珍しかったような言われ方をしています
成績優秀で小学校の頃は賞状なども貰っていたのに
活動には積極的ではなかったんですね
中学受験の設定が明かされだしたのはkarte.55、
初詣後に山田が市川家に着た頃から
中学受験失敗のトラウマが彼の大きな部分を占めていた事が明かされます
しかしこれは裏返せば、運悪く合格は出来なかったものの、
誰もが合格確実と期待していた程度に成績優秀だったことでもあります
市川が小学生時代に多くの賞をもらっていたことが
本編内で開示されたのもこの頃
ただし京太郎自室のトロフィーや賞状は早い段階で公開されていました

karte.79からは2年生の学年末テストです
京太郎の3学期は小テストの成績が芳しくなかったと言っています
それでも学年7位(萌子は5位)
ここでいう7位は先ほどと同じ2学期の期末テストのことか、
それとも3学期の中間テストも7位だったのか
(中学校の3学期は中間テストは行われないことが多いですが)
ここで京太郎は山田によく思われたいために勉強に本腰を入れます
結果は学年2位!
この成績は在校生の送辞に選ばれるきっかけにもなりました
情報は長い時間をかけて少しずつ開示され、
京太郎の学業優秀のイメージが読者に浸透しています
karte.114で偏差値74の学校を進路に考えるのも違和感のない流れでした
karte.122で修岳館に受験することをはっきり宣言したところから
僕ヤバ受験編は始まります

京太郎の3年生の夏休みは勉強漬け
karte.124で修岳館の過去問なら合格点に届く点数が取れるようになっています
おねえ、市川香菜が和須田大学生であったことが明かされたのもkarte.124
ただし中学で私立に受かっていたことは6巻特装版のQ&Aにて既出です
6巻特装版のQ&Aでは市川父が大学教授であったことも開示されており
市川家には受験に適した環境が整っていることが分かりました

 

10巻のエピソードは全編が勉強合宿編でした

勉強より遊びの性質が強そうな夏の旅行でしたが

京太郎はここで受験の先輩たちから勉強のやり方を学びます

大きかったのは、この旅行で京太郎と山田の目指す方向が一致したこと

旅行の最後では京太郎は山田に自分からキスをすることが出来ました

これは京太郎が自分の欲望に偽らず向き合ったのと同時に
それが山田の望みを叶えることでもあったという画期的な出来事で、

大きな目標を達成できた実感は勉強意欲にも素晴らしい影響を与えました

夏休みの後半は勉強続きで山田と直接会える日は少なかったのですが

充実した状態で勉強に打ち込むことが出来ました


次に京太郎の成績が開示されたのはkarte.142
塾の9月模試ですね
雑念が多かったと自己評価していたにも拘らず、最もいい成績を修めます
合格確実とは言わないまでもそれに近い成績
合格率は90%には届かないものの80%以上のA判定でしょうか
この調子で勉強していれば合格は安泰の成績でした

京太郎の成績はこの時点がピークであった事になります
これは極めて重要な情報となります
京太郎にとって雑念はあっても成績に悪い影響を与えることはなく
反対に山田と親密な時間を過ごすほど勉強への集中力を増すことが
この回の他、karte.159でも説明されています
9月模試の成績が良かった事実はその直前のエピソード、合宿編で
山田との関係をグッドコミュニケーションで終われたことの反映です
ここから京太郎の成績は山田との関係と連動して上下するようになります
これから京太郎の成績は山田との関係悪化に伴って下落し、
また成績が下落した事実から山田との関係の悪化を知ることが出来ます

京太郎には実力さえ発揮できれば修岳館合格率A相当の学力は備わっていました
ただし成績がメンタルに左右され過ぎる弱点があり、
試験日の京太郎のコンディションがいかに保たれていたかにかかってきます

ここから京太郎の修岳館合格率(成績)をグラフにしていこうと思います
このグラフは京太郎と山田の気持ちのすれ違い具合も表すものでもあります

まずは9月模試のところで90%には少し届かない位置に点を打ちました

模試の成績は80以上をA判定、60~89%をB判定、40~59%をC判定

とするのが一般的のようです

 

しかし11巻では京太郎のメンタルを破壊にする出来事が立て続けに起こることになります
山田が仕事で成功するのと反対して二人は自由に話したりが出来なくなるのです
京太郎は芸能人の彼女と付き合う事の難しさを痛感します
そして11巻の終盤では京太郎が頑張って作り上げた文化祭を山田が欠席
京太郎は山田の気持ちを信じることが出来なくなってしまいます
山田にとって自分は仕事よりも軽い存在なのではないか

今の関係も、いずれ大人になるまでに終わってしまうのではないか、
そんな恐怖で京太郎の勉強への集中力も損なわれました

京太郎は受験合格を山田と付き合うための目標に据えて勉強するのですが

残念ながら京太郎はストレスを源泉に戦えるタイプではありません

京太郎には山田に応援してもらえている実感が必要なのです

12巻冒頭の10月模試の結果もその通りになり、

京太郎の成績は稲妻に撃たれたように下落します

続く小テストも惨敗
京太郎の成績低迷は一時の気の迷いではありません

グラフにしてみますとこうなるでしょうか

karte.176で64%を絶妙と言っていますから

この頃の成績はそれ未満、つまりC判定だったことになるでしょう

京太郎の成績はひと月でA判定からC判定以下まで下がってしまいます
 

山田が京太郎の異常を察知したのもこの頃、山田は即座に行動に移します

外で会わないの約束を搔い潜り、両親不在のタイミングを狙って
京太郎と秘密の一夜を過ごすのです
これにより京太郎の集中力はわずかに回復傾向になりますが
しかし先月まで成績は合格圏内だと言ってしまった手前、
京太郎は今更成績がC判定まで下がったとは言い出せなくなります

 

二人は直接会うことは出来ない代わりに

夜は就寝までLINEを続けることで昼の会話不足を補います

京太郎の成績は少しずつですが回復してきました

しかし京太郎にはやれることはやっているはずなのに
山田に置いていかれるような違和感を感じています(karte.163)

成績をB判定まで回復させておきます

しかしまだ良いとは言えませんね

 

そしてあの事件が起こります

京太郎はつづくのライブを成功させることが山田のためになる

山田は絶対に喜んでくれる、そう思って頑張っていたのに

山田は自分がライブを楽しみたい気持ちよりも京太郎の安静を優先させるのです

この時の判断は、今、見返してみるとどうだったでしょうか

このときの京太郎は山田とのデートを他人から見られることに恐怖を感じていました
karte.182からの京太郎は
山田を怒らせてしまったと思ったら深夜に薄着で飛び出し風邪を引き、
山田との会話が減っただけで不眠症になり、
送ってもらえなければ試験会場にも辿り着けていませんでしたね
この時の京太郎はkarte.182の頃よりもっと病状が深刻だった時期です
一見非情にも思えた山田の決断でしたが、
京太郎の精神崩壊をぎりぎりで救っていたというのが実際だったのでしょう

山田のとっさの判断で辛うじて再起不能を免れた京太郎でしたが
コンディションは最も最悪の時期を迎えることになります

ここから時間は12月後半まで一気に飛びます

11月模試と12月模試はkarte.167の間に起っていたことになります

京太郎の集中力は10月はじめの時期をさらに下回ったはずです
成績より深刻なのはそれを誰にも相談していないことです
karte.167で、関根に対して成績はまだ合格圏内だと嘘を付いているんですね

少なくとも10月模試が壊滅的だった時点でそれはあり得ないのですが

karte.163までは徐々に回復傾向だった成績はkarte.166で急降下

11月模試12月模試は10月模試よりさらに酷くなっていたと思われます

10月11月12月、3か月連続C判定以下と進路変更を考える水準まで来てしまいました

しかし京太郎にその選択肢はありません

合格するまで山田と外で会わないと言ってしまったからです

 

ただしこの間も、山田は京太郎の視界こそ入らなかっただけで
その影ではkarte.183~188の時のような活躍を続けていたことを忘れてはいけません
2か月に及ぶ山田の執念は京太郎が知っていなくても京太郎を守り続けていました
そして、山田の一念は京太郎に通じました
自分はどこにも行かない、一生京太郎を愛し続ける
その思いが京太郎にかかっていたkarte.154からの呪いを打ち破るのです
あの場面で、なぜ突然京太郎の口から愛という言葉が飛び出したのか、
物語の中では詳しく説明されていません
僕の心のヤバイやつは京太郎の一人称視点で描かれていく漫画で、
京太郎自身が理解していないことは説明されないからです

しかし二人の気持ちは理屈ではなくもっと深いところで繋がっていたのです

13巻前半のストーリーは傷ついた京太郎のメンタルを回復させるリハビリ期間です
山田との接点が増えるごとに京太郎の勉強も捗りました
山田のマンションで過ごした10日間で

京太郎の成績も3か月分の遅れを取り戻していきます
そして山田の働きが大きな成果を上げます
karte.154から京太郎を蝕んでいた大きな要因、
「外で会わない約束」の撤回に成功するんですね

しかし山田はここで大きな油断をしていました

山田が京太郎から成績のことを聞いたのはkarte.142が最後

山田は京太郎の成績の落ち込みを知らず、その後もA判定だと思っていました

二人の間の溝は埋められたのだから心配事はなくなったと思い込んでいました

 

京太郎は成績のことを誰にも言っていません

karte.169でも家族が成績は合格圏内だと話しています
京太郎の本当の成績は勉強を見ているはずのおねえも知らなかったのです
山田もいろいろあったがそれでも成績のほうは順調であり、

今まで通りの勉強を続けていれば合格の心配はしていなかったんですね
初詣、川崎大使では京太郎を絶対に合格させてみせると誓いました
 

しかし歯車が大きく狂うのはこの後です
萌子から模試のことを聞いた山田は京太郎の成績をこっそり見てしまいます
それはとてもショックな内容でした

京太郎からは合格圏内(ずっと80%以上をキープ)と聞いていたのですから、

これを見たときの絶望は計り知れません

良かったのは最初だけで10月11月12月は地を這うような成績

1月でちょっと上がってB判定に復帰した程度で本人は絶妙だと言っているのです

山田は危機感を募らせます

新学期からの山田は京太郎への態度がそれ以前と明らかに変化していますね

12巻では会えないまでも毎晩LINEで遅くまで会話していました

13巻前半の同棲編でほぼ24時間一緒に居たことになります

それが京太郎には勉強への集中力に繋がっていたのですが、

karte.178からは反対に会う時間をできるだけ少なくし、

京太郎には勉強だけをさせるようになるのです

LINEでのちょっとした連絡も我慢する徹底振りです

しかし山田にとってさらにショックな出来事が襲いました
昨晩は萌子の家に遊びに行っていたというのです
12巻の2か月の死闘からあまり時間も経っていません
実は危険域だった成績、嘘を付かれていた事、危機感のない本人の勉強態度、

そして最も山田を追い詰めたのは、今これを知っているのが自分一人だという事です

山田は京太郎の成績のことはおねえにも打ち明けていませんでした

(知っていたら、おねえはkarte.178で京太郎の外出を見過ごさないでしょう)

疲弊から回復する間もなく様々なものが一気に押し寄せたことで
ついに山田も冷静さを失ってしまいました
京太郎を怒鳴りつけ、叱ってしまうんですね

ここで少し脱線
karte.181「僕はくそゴミ」感想 13巻13話目では
京太郎の本当の成績はフレンズたちにも情報共有されているのでは、と書きまして

少なくともおねえは知っているものと当時は思っていたんですが
改めて読み返してみてそれはなかったですね

おねえも京太郎の成績は9月以降ずっとA判定だと思っていなければ

ももちゃんが京太郎を連れ出すのを止めないはずがなかったです
京太郎が秘密にしていることを山田が勝手に人にばらしたりはしませんでしたね


感情から出た行動で状況が好転することはありません
叱られてショックを受けた京太郎は狼狽して自分の体調管理もできなくなり
併願校の試験2日を前にして風邪で寝込んでしまいます
山田は自分の浅はかさに後悔しますが、狼狽えてばかりもいられません

今は自分にできることをするしかありませ
山田はつづくのMVを携えて京太郎の看病に出向きました
しかし山田の苦難はこれでもまだ終わりではありませんでした
京太郎は自分に対して謝ってきますが、その内容というのが
「自分に構う事より勉強を優先してしまったこと」
自分が怒っていた理由も寂しい気持ちを態度で伝えていたのに
勉強ばかりして無視していた事だろう、というのです
京太郎が考えていたことは山田の気持ちとは正反対のことでした
山田が怒った本当の理由は「成績のことで嘘を付いていたこと」だったのに

山田は決断を迫られます

山田は京太郎に間違ってるよと言うべきだったのでしょうか

つい二日前にそれを言われて、絶望して病気にまでなってしまった京太郎に対して?
山田は言葉を飲み込み、京太郎の考えを肯定します
山田は根本的な問題の解決より一時のメンタルの安定を優先してしまうのでした

受験1校目、渋谷幕有高校の受験はそんな関係のまま迎えることになります

京太郎はこの時は、karte.182で自分は正しいことをしたと思っています

しかし山田の本当の心は泣いていました

二人の心はまた12巻の頃と同じくらいまで離れてしまいます

京太郎はkarte.182の山田が心の内側では泣いていたことを知りはしません
しかしkarte.168と同じです
山田がどれだけ悲しみを隠そうとも京太郎も心の深いところでは察してしまうのです

 

受験の結果も不合格

1月模試の成績は幕有高校は88%、合格圏内でしたがそれにも合格できなくなりました

幕有高校の合格率は88%→60%?くらい

修岳館の合格率は64%→50%?としておきます


この時期にこの成績は、もはや望みは絶たれたか・・・

この状況でとった山田起死回生の策・・・それは体当たりの全力愛情アピールです!
山田は再び作戦を切り替えます
接触を減らし、LINEでの連絡まで我慢したkarte.178からの作戦を反転

京太郎を一人にしない、「一緒にいる」「ずっとそばにいるって決めた」
食事をともにする、抱きしめる、深夜でも会いたいと言った直後に玄関に現れる、

つまりkarte.175以前の作戦に回帰したことになります

おねえが京太郎を応援している事を伝えたのも山田です
(この頃には香菜も京太郎の成績のことを知っていたんでしょうか?)
毎晩LINEで近況を話し続けているkarte.187はkarte.179とは正反対です
karte.182、1月15日で底を打った京太郎のメンタルは1月18日からまた急速回復
修岳館受験前日2/8までの3週間で本調子の一歩手前まで回復します
しかし京太郎の集中力は山田が励まし続けることで
辛うじて保っていたに過ぎませんでした
たった一日山田との会話が少なかった
それだけでのことで京太郎は眠ることも出来なくなってしまうのです

karte.154からの京太郎の病状は回復はしても完治はしていなかったんですね

しかし山田に抜かりはありません、最後のダメ押しです
試験日当日は目黒駅に先回り
試験会場まで一緒に行って送り届ける徹底したサポートに努めました
このとき、京太郎は今自分が諦めたら山田は自分を叱ってくれると思いました
これはkarte.182とは逆のことを考えたことになります
karte.180で山田が怒った本当の理由を京太郎はこの時でも知らないはずです
なのになぜ、この時はこう思ったのでしょうか
これもkarte.168の時と同じですね
京太郎は山田が何をしていたのか、理屈では知らなくても気持ちは伝わっていたのです

試験が終わって、一日分のメッセージを確認したとき
京太郎はやっと一人で受験を戦っていたわけではないことを思い知ります
これこそ、山田がずっと京太郎に伝えたかったことでした
本当はわかっていたはずなのにkarte.154で忘れてしまったことです
karte.182で山田が伝え損ねたことです
karte.183からの山田の作戦はそれを京太郎に思い出させることに絞られていました
常に声をかけ続け、京太郎が一人で戦っているわけではないことを意識させる

いつもそばに居る、決して一人にしない

12巻では山田は意に添わず京太郎の近くに居られませんでした

13巻後半ではそれが正しいことだと思い、京太郎から遠ざかる動きを見せました

14巻ではそれらの反対、同棲編の頃と同じくらい京太郎の近くに居るようにしました

それが京太郎に勉強への集中力も取り戻させることになります


グラフは起死回生の大逆転!

3週間でA判定まで回復しました

karte.183で併願校に落ちた京太郎がkarte.189でもっと難関の本命校に合格できた理由
karte.183前後で京太郎に起った変化は「山田の戦略の転換」でした

常識的に考えれば受験生なのだから、

karte.178でやった異性と距離を取って勉強だけに集中させる作戦が正しいはずです

しかし山田はkarte.183を境にそれを止めているんですね

山田がkarte.179でLINEを我慢したのには明確な考えがあった訳ですから

それを止める場合にも確固とした戦略があったはずです

山田自身はどこまで理解してやっていたのか、

明確なロジックがあったわけではなく

山田も京太郎と同じように心のもっと深いところで京太郎の求めていることを感じ取れたのでしょうか

どちらにせよ、山田は京太郎の調子が良かった時期の行動を再現しています

karte.185の深夜訪問には更なる秘密があったのでしょうか

自分にできること、京太郎が必要としている事を考え続けた山田の勝利
9巻karte.122から始まった京太郎を合格させるための山田の戦いは
多くの挫折を経、時には救おうとしている相手にすら裏切られ、

それでも諦めず足掻き続けたことでついに報われることになりました

karte.154に続き、karte.190でも最高難度のミッションを達成

今度も山田はすごいやつでした!

 

karte.183からの逆転劇に、大きなきっかけとなった一つの出来事、は存在しません

わたしは途中まで反対のことを考えていました

現在の二人の危機はkarte.154から始まる誤解から生じているのだから、

誤解さえ解ければ状況は劇的に改善し、京太郎は覚醒を遂げて成績も好転する

そんなドラマチックで分かりやすい展開が用意されていると予想していました

しかしそうではありませんでした

京太郎合格までの過程は地味で地道な努力の積み重ねだったんです

派手な展開で盛り上げる方法はいくらでもあったのにそうはしませんでした

京太郎の成績は落ちるときは一気に落ちるのに上がるときは徐々にしか上がりません

最後の逆転も実際には3週間かけて回復しています

ここには作者のメッセージ性も感じられます

そして肝心な問題として、京太郎が受験のことで嘘を付いていた伏線が

受験編の間に解決されず、次のエピソードに持ち越しになりました

受験のことで付いた嘘なんだったら受験のうちに報いがあると思っていたんですが

この伏線は果たして回収されるのか

 

12巻考察の記事に追記をしてみました

(追記は章のテーマがなんだったのかに関する内容なんですが)

12巻のエピソードも14巻前半の受験エピソードも、構図は同じものがありますね

作品で主人公としての役割を果たしていたのは山田で

京太郎の役割はヒロインだったということです

京太郎は努力を続けているのですがかかる災いを自らで解決することが出来ません

状況を変えるには物語の主人公、つまり山田杏奈の働きかけが必要でした

(全編で山田が主人公であったわけではなく

たとえば10巻では山田が救われるヒロイン側で京太郎が主人公の立場です)

これから主人公のバトンは京太郎に戻るのでしょうか

それとも14巻は最後まで山田主人公なんでしょうか

次回からは新展開です

(2026/5/18UP)