13巻以降の話数の感想を書いていこうと思います
以前からツイッターでも書くようにしたんですが文字数が少なくてほとんど書けなかったので
毎話更新していく予定なので先の展開でUPした時点の分析が後の展開で否定されることもあると思いますが
一度書いたものは修正しません
(文章が分かり辛かったり、誤字脱字など内容が変わらない形の修正はします)
前回考察を読んでからでないと意味が分からない箇所が出てくるのでこれを読まれる方はその前に必ず12巻考察記事をお読みください
勿論、原作karte.1~karte.168も必読!です

異論反論含め、感想ご意見大募集
コメントにてお願いします

 

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京太郎が追い込まれていく14巻5話目

今回は半沢さんでページを消化するかと思いましたが
半沢さんとの一件はあっさりと解決し、回想だけで終わりましたね
話をまとめると、
「半沢さんは旅行に行きたいと言っても家族の賛成は得られないと思っていたが
意外にも好意的でちゃんと頼んでみたら要望があっさり通ったという話」
他愛のない話ですが、誰でも経験のあることだと思います
半沢家が裕福ではないのも家の用事を子供たちが担っているのも事実でしょう
ただし卒業という節目に何年に1回の贅沢が許されないほどではなかった

ここで山田が果たした役割はとても大きい
一言相談すれば済む話でもその一言の相談に半沢さんは躊躇していたんですからね
それぞれが本来のポテンシャルを発揮しさえすれば成功する事柄が
現実には上手くいくとは限らないのが組織というものです
そのため組織は報連相を担える調整役を重宝します
山田がやったのは所謂「組織の潤滑油」というやつ
山田が居なければ半沢さんは行けるはずの旅行に行けなかった
十分に誇っていい活躍でした

勇気を出して相談してみれば障害など最初から存在していなかった
これは僕の心のヤバイやつの作品テーマそのものでもあります
最近にも同じ問題にぶち当たったキャラクターが何人もいましたね
まずは少し前の萌子
萌子の両親は自分の娘の本気を応援できない人たちではなかった
そんな当たり前のことであの聡明な萌子が何年も悩んでいたんです
さらに前にはおねえとももちゃんの解散トラブルです
これも話し合ってみれば初めから喧嘩する理由なんて何もなかった
そしてもうひとり、同じ袋小路に迷い込みながら
今もそこから抜け出せないでいるキャラクターが居ます
11巻からの市川京太郎ですね
まさに作品タイトル通り、困難はいつもその人の心の中にしかないのです

山田がすんなりと解決して拍子抜けしている事件は
主要3キャラが抜け出すために足掻いた、
あるいは足掻いても抜け出せていない難関だといえるもの
本当に途轍もないことをしています
京太郎もその凄さを理解していますがしかし理解していないこともあります
山田が半沢さんに向けた行動力のその千倍が自分に向けられていることです

本筋の合間のささやかな出来事はすんなり解決となりましたが
今回の出来事もあとあとの展開で活きてくることでしょう
毎回、巻の5話目辺りの回は後の伏線回になっていることが多いです
半沢さん自身には活躍と呼べる活躍がありませんでしたので
半沢さんの活躍回も今後に持ち越しですね
卒業旅行に行くシーンもあるでしょうし、まだ出番は残されていると思います
妹ちゃんのほうは登場はこれで終わりでもおかしくないですが


受験当日までのわずかな時間を少しでも勉強に費やす京太郎
今度はおねえが直接京太郎の勉強を見てあげていますね
大学生の姉が弟の勉強を見ているのは当たり前のこと、なんですが・・・
なんでもない一コマですが、このコマも前回のももちゃんの力添えが
あってこそなんだと想像してしまうと非常に感慨深い

遡ってみるとおねえがあまり京太郎に接触しなくなったのは
karte.183から突然ではありません
karte.166文化祭ライブの日、山田を客席に送り出すところまで見届けた後
客席で待つ京太郎たちの元に山田が来なかったことを
おねえが知らないはずはないですよね
慌てる京太郎の様子はステージからも見えたはずです
そこからクリスマスまでの最悪の時期についても
おねえが二人の状況を把握していないはずはないのに目立った動きなし
13巻では京太郎と山田の同棲をセッティングする重要な役割を果たしましたが
これも考えてみれば山田のアシストに徹しただけで自分は京太郎に接触していません
改めて見ると香奈には京太郎との接触を不自然に避けていた様子があるんです
それが久しぶりに京太郎の勉強を直接見ているコマが1つ描かれました
この変化がkarte.185でももちゃんが与えたものだったとしたら・・・
まさにももちゃんがkarte.185で果たした役割というのは
karte.167で萌子がやった役割と同じものであったこと言う事です

そしてついに受験日の前日、
深夜眠りに付こうとする京太郎ですが・・・眠れなくなります
コミカルな絵で緊迫のシーンが続きます
様々な方法を試みますがちっとも心が落ち着かない
原因は、山田の声をこの日だけあまり聞けていなかったから

それだけのことで京太郎がここまで取り乱すでしょうか
これではもはや山田依存症です
京太郎はこんなにも弱い人間だったでしょうか
いつから?
karte.154から・・・ですよね

京太郎にとってショッキングな出来事が続いた11巻、
その最終話で京太郎の心は止めを刺されます
あんなに頑張って作り上げた文化祭だったのに
山田は事務所の指示を優先し、文化祭の欠席を選んでしまった
山田は事務所に命令されたら自分より仕事を取るんだ
このまま売れ続ければいずれ山田とも別れの時が来るかもしれない
そんなあり得ない妄想に京太郎の心は無茶苦茶に破壊されます
12巻では原因が分からずも京太郎を助けようとする山田の奮闘により
京太郎は自我の崩壊を免れますが問題が無くなったわけではない
続く13巻の序盤は京太郎の心を治療するエピソードでした
同棲編の裏側もわたしには「そういうこと」だったように思えます

中学生を一人置いて秋田に帰省する
その間は恋人の家に泊まらせる
普通の考えなら市川の両親の判断は非常識です
京太郎の父の職業は大学教授、学生を教育する立場です
若い男女を二人きりにするのがどういうことかも熟知している立場のはず

しかし、あれに治療の意味合いがあったとしたら?

京太郎が山田と引き離すことが出来ないと判断されていたとしたら
甘い両親が中学生の我儘に負けただけのエピソードではなかったんですね
一週間にわたる同棲生活ですが、山田の必死の介護も
京太郎の心を癒しきるには至りませんでした
karte.182「僕らはまた愛おしくなる」感想では

「遊べないのが辛い、寂しいのサインを送っていた」

は本当に山田のことを言ってるんでしょうかと書きました
同棲期間が終了し新学期が始まって、恋人に会える時間が少なくなったことで

禁断症状を起こしていたのは山田ではなく京太郎のほうだったんですね
そして13巻ラストのエピソード

感動のシーンを装っていますが

山田にとって見れば京太郎の受験はどうでもいい事だった、

遊ぶ時間が減ることのほうが不満だった、

と言われたことは京太郎にとっては自分の努力を否定されたに等しい

山田の機転は一時的には京太郎を立ち直らせることはできましたが

それ以上に深い溝を作ってしまうことになりました

渋谷幕有高校の不合格の際も山田は寄り添ってくれましたが
それがあっては山田の気持ちも京太郎の心の奥までは届きません
京太郎は山田の気持ちを信じられないのです
その心情は「いいやつだなみりあは・・・山田と違って」のモノローグにも表れていますね
京太郎のこれまでの経緯を考えれば試験日前日のプレッシャーで

メンタルが保てなくなってもなにもおかしくはないでしょう
京太郎は一睡もできないまま試験日当日を迎えてしまいました
「ミルクティー」は間に合わなかったか・・・

物語序盤の京太郎は、山田の目線で見れば奇抜を通り越して危険、

十分に危ない人でした
授業中に黒板にカッターを突き立て模造紙を切り裂くのも
登校中に川に自転車を投げ入れるのも一つ間違えればけが人が出ていた危険行為
普通であれば避けられるようになっても不思議ではありません
しかしある時奇跡が起こります
なにげなく渡されたミルクティーが山田にひらめきを与えました
これまでの奇妙な体験ひとつひとつが頭の中で繋がって一本の線になります
京太郎の奇行の数々は思い返して見れば全て自分を守るための行動だったのです
山田の恋はそこから始まります
その日から山田は変わりました
京太郎には積極的にアプローチするようになり、
人の気持ちを思いやって考えられるようになります
人から助けられることが当たり前であることを恥じるようになります
その変化は仕事にも影響を与えます
落選続きだったオーディションにも少しずつ受かるようになり、
モデルとしても女優としても実力を認められるようになるのは3巻からでしたね
そして現在、今度は京太郎の前にも
ライブを観るという約束を反故にしたり、
教室で突然怒って怒鳴ってきたり、
嫌われてもおかしくないおかしな行動を繰り返している者が居ます

わたしの予想では、試験当日までには京太郎にも同じ奇跡が、思っていたのですが
京太郎に山田ほどの察しの良さはなかったようです、
(アニメ改変ではありますが)山田にはkarte.85(アニメ18話)の時点で
ナンパイの嘘を見抜き、京太郎が自分を裏切るはずがないと即断できました
監修は入っているので原作山田にも同じことが出来たことに違いはないでしょう
一方京太郎は、同karte.85でやっと山田が自分を好きだと確信に辿り着きました
その後かなり時間が経ってkarte.154でも「事務所に反対されたらそれに従う」、
京太郎には山田の本気がいまだに信じられないようです
山田が差し出す特大の、そして大量の「ミルクティー」に未だ気付かないようです
京太郎がどうしようもないと諦めてしまっている壁はただの幻だというのに
山田の気持ちなんて、「何より大切で、誰より特別で、私の全部」
これを言葉通りに受け止めればいいだけだというのに

目下、京太郎の状況は絶望を極めています
受験勉強そっちのけで山田へのプレゼント作りに熱中しだした逃避行動
極寒の空の下パジャマで深夜徘徊
自分の寂しさを山田が感じたものだと錯覚する投影
そして不眠症
可能性は感じつつもあえて言及することは避けていたのですが・・・、
状況証拠が揃いすぎました、そろそろ認めなければなりませんね、
京太郎は比喩的な意味合いではなく一種の精神疾患、病気と言っていい状況です
karte.164での山田の態度からして
嫉妬するより先に京太郎の様子を心配する山田は病人に接しているように見えました
毎話の話数をこれまでkarte.と呼んでいた伏線も回収されてしまうのか

精神疾患と言っても性質を理解し、症状と付き合っていければ何も問題はないのですが
山田にとって京太郎は自分の全てです
どれだけ耐えがたい苦痛だろうと山田は京太郎のためであれば耐えられます
京太郎に毒だと認識すれば自分が消えることも厭わないのはkarte.166で示した通り
京太郎はまたもや山田に最悪の選択を取らせてしまうのか
緊迫の中次回へ

(2026/3/16UP)

 

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