少し前のことになりますが、香港にいきました。 |
世界で最も有名なアートフェア「アートバーゼル」を見るために行ってきましたが、
まぁ本当に、すごい、人、人、人・・・。
チケットはALL SOLD OUT!
日本では考えられないような状況・・・。
アジアのアートの中心であるアートバーゼル香港への注目度の高さを、
肌身をもって経験しました。
私が、前回、アートバーゼル香港に行ったのは2012年。
7年ぶりに香港に降り立ちましたが、
その時の閑散ぶりとは全く様相が異なっていました。
この7年でアートバーゼルはブランディングに大成功。
今年は初日に数十億円の作品が次々と成約し、
まさにアートを購入する土壌が着々と整っている印象を受けました。
しかし、アートバーゼルよりも私が個人的に最も心に残ったのが、
香港のVictoriaハーバーに浮かんだこのKAWSの作品「Holiday」
いやー、本当にでかい!
全長30メートル、重さ40トンを誇る巨大な期間限定パブリックアート。
もうなんというか、圧巻でした。
この規模の作品を日本で、しかも、海岸線でやろうとすると、
本当にたくさんのハードルがありすぎて、もう頭が痛くなるのですが、
こういう巨大な作品を「ポーン」と置いてしまう香港を、
心から羨ましいと思いました。
(もちろん香港でも色々と大変なことがあったのは承知していますが、実現してしまえることがすごい!)
この一件をとってみても、今の香港の勢いを象徴していると思います。
この環境がうらやましくもあり、そして、
私もいずれ、香港にギャラリーを出して、
香港という地でアートを扱う夢を叶えたい。
そのような想いを固めた旅路となりました。
■世界で最も有名なギャラリーで見た世界初の展示とは?
さて、そんな中で表題の話に移っていくわけですが、
「世界で最も有名なギャラリー」と言えば、
あなたは何を思い浮かべますでしょうか?
おそらく、日本では全く馴染みがないため、
回答できる人はギャラリー関係者やコレクターの方くらいでしょうか。
答えは
「ガゴシアン・ギャラリー」
です。
ラリー・ガゴシアン率いる世界で最も有名なギャラリーであり、
世界・・・カ国にギャラリーを持つメガギャラリーです。
ラリー・ガゴシアンは度々、アート界で最も影響力がある人物のひとりとして度々名前が挙がっており、世界で最も有名なギャラリストです。
なんと、売上は1000億円以上とも言われており、
その規模はひとつのギャラリーが稼ぎ出すものとは到底思えないような額になります。
今回私が訪れたガゴシアン・ギャラリー香港は、アジアの中で最も大切な市場と位置付けられ、中国の富裕層への売買もこの地を拠点として行われているようです。
さて、今回このガゴシアン・ギャラリーで、どんな展示が行われるのか、
とても楽しみにしていました。
彼らは昨今、「ギャラリーをまるで、美術館の如く展示する」のが当たり前になってきており、「メガギャラリーの美術館化」が顕著になっています。
例えば、近代以前の素晴らしい画家たち、例えば、モネやルノアールなどの作品を展示(販売)したりしています。
そして、今回のガゴシアン@香港の展示はなんと、
「ポール・セザンヌ」「モランディ」「常玉(Sanyu)」
この3人の巨匠を並べた展覧会!
いやーーー、ため息が出ました。
ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますが、
この3人はいわゆる「世界の巨匠」です。
この3人の作品には共通点があります。
それは・・・
「静物画を描き続けた」
という点です。
私はこの3人の作品が並べてあるのを目の前にして、
なんとも言えない気持ちを抱きました。
そう、
三者とも気難しい性格で知られ、
人との距離を置いた人々、なのです。
ヒトよりもモノを好んで描いた画家たち・・・。
作品を通して伝わってくるのは、
彼らの心の底には、静かに横たわっている「孤高のチカラ」がある。
そんな「ヒトとしての強さ」でした。
一方で、
このような強さが横たわる彼らの作品の合間からは、
なんとも言えない「寂しさ」を覚えました。
この3人の作品が並置されることは世界初だそうです。
しかし、
「静物画」というジャンルで結ばれた3人のアーティストが、
この世に、香港という場所に現れることで
「静物=退屈」
「退屈=平和」
という「平穏であること」の尊さを思い出させてくれる奇跡。
一方、香港の街は人で溢れ、昼夜を問わず喧騒鳴り響く街・・・。
その中にあって、
この静物画の「静けさ」「平穏さ」がさらに浮き上がってくる、
そんなコントラストを感じざるを得ませんでした。
■セザンヌという巨匠が遺した最も大きな功績
さて、今回の旅で期せずして出会ったセザンヌ。
これは偶然ではない、
となんだか導かれた気持ちになったのですが、それは、なぜかというと、
「ゼロからわかる!アートセミナー」第2クールの第一回目に取り扱ったのが、
この「ポール・セザンヌ」だからです。
このセザンヌ、どうしてもアートヒストリーの観点からは避けて通れないアーティストです。
それはなぜでしょうか?
この点を参加者同士で考え、答えを導き出していきました。
ポールセザンヌという世界の巨匠について、1日中多面的に見ていくことで、参加者の方から多くの喜びの声を頂いています。
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ゼロからわかる!アートプログラム
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▼詳細は、以下のURLよりご覧ください。
https://sdart.jp/archives/2138
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香港へのアートの旅。
また定期的に行かねばと思った素晴らしい旅路になりました。