表面上は平和裏に行われているように見えているアメリカの政権移行ですが、やはりアメリカにはオバマ政権誕生を快く思わない層が数多くいるようです。
国内問題ではビッグ3救済が事実上オバマ政権に先送りされ、中東ではイスラエルとパレスチナが戦闘状態でオバマ政権誕生を迎えそうです。

オバマ次期大統領は、中東和平の実現を外交上の公約にしていました。
それを実現するためには、イスラエルもパレスチナも穏健派が実権を握っている必要がありました。
しかし、パレスチナは穏健派ファタハのアッバス議長の後継を決められないまま議長としての任期が終わる情勢で、イスラエルは和平推進派のオルメルト暫定首相の求心力は無く2月に選挙を控えと、それぞれ政権の求心力が失われている中での紛争勃発です。

今回の紛争のきっかけは、ガザ地区を実行支配するパレスチナ強硬派のハマスによるイスラエルへのミサイル攻撃ですが、この攻撃による報復措置としてはあまりにも空爆の規模が大きすぎます。
まるで政権移行期を迎え、弱腰を見せられない「チキンレース」のようです。

そして、紛争が激化すれば、パレスチナの和平プログラムは一気に後退します。
オバマ次期大統領の中東戦略は就任前から暗礁に乗り上げたことになります。

アメリカは、ハマスを和平交渉の当事者とは見なしてきませんでした。
それを改めることから、和平交渉は行われるのでしょうが、この状況ではそれも困難な道のりです。

そして、さらに厄介なことは深刻化する経済危機の中、アメリカ国内のイスラエル支持派は戦争肯定派と重なり合うことです。
アメリカ国内にも戦争による経済危機からの脱却を検討している声は多く、オバマ次期大統領はその圧力とも闘わなければならないことになります。

イスラエル国内の政権移行期に仕掛けられた時限爆弾。
それは、単純にパレスチナ強硬派vs.イスラエルという図式ではなく、ブッシュ現大統領のオバマ政権への置き土産として捉えたほうが良さそうです。
そして、オバマ政権は国内の圧倒的な支持の中、ブッシュの負の遺産だけでなく、オバマ政権を暗礁に乗り上げさせる置き土産とも闘わなければならなくなりそうです。


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やはり、ブッシュの置き土産でしょう

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