アメリカ下院の金融安定化法案の否決は、アメリカ発の株式暴落として世界一周しました。
ブッシュ大統領は声明を出し1日も早い法案成立を訴えていますが、法案否決はブッシュ大統領の失政批判の側面もあり有効に働くかどうかは未知数のようです。
また、ヨーロッパではフランス・サルコジ大統領の提案した、金融システム安定化のためのG8に先立ち、4カ国(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア)による準備会合を近く開くと発表され、金融安定化への取り組みが本格化しています。

こちらのエントリー にも記しましたが、いずれアメリカの金融安定化法案は可決成立するでしょうが、そのことと問題解決は別のようです。

ところで翻って、日本の麻生太郎首相、中川昭一財務大臣はどうでしょう?
報道されている限りでは、
(時事通信 2008/09/30-19:49 から引用)
麻生太郎首相は30日夕、東京株式市場で株価が年初来安値を更新したことに関し「(米金融安定化法案の否決が)日本の株式市場に与えている影響は大きい」と指摘した上で、「(米株式市場は)底値が見えない限り下がり続けるので、きちんと対応をするほかに方法はない」と述べ、米国発の金融危機の拡大に強い懸念を示した。首相官邸で記者団に語った。
(引用ここまで)
という「きちんと対応をするほかに方法がない」という抽象的で何を言っているのか理解できない声明だけで、アメリカ発の株式暴落に何もできず手をこまねいているだけの姿を晒しています。

せめて、「アメリカの金融安定化法案はいずれ成立するから冷静な対応が求められる」とでも言えばよいのでしょうが、残念ながら金融危機に主体的に対処できる総理大臣や金融大臣ではないようです。

それどころか、自民党の笹川堯総務会長は「下院議長は女性でしょう。やっぱり男性とは一味違うような気がする、リードが。それで破裂した」と国会内で語ったと報じられ、金融対策法案の否決は、アメリカ下院が女性議長だからと、トンチンカンな女性差別発言を行う始末です。

いったい、政府・与党はこの金融危機をどう捉えているのでしょう?

あまりにも、対応がお粗末過ぎませんか?

そういえば、リーマンショックの「流血の日曜日」も、総裁選挙に大忙しで、特に政府与党から「何か」対策が出た形跡はないという前科がありますが…

アメリカ発の金融危機は、金融資本主義の終焉をもたらすことになりそうです。
そして、アメリカ一極支配は終焉し、多極支配へ移行することは容易に想像できます。

アメリカ一辺倒の政策では限界にきているのです!

そのことを、自覚しなければ、アメリカが沈む前に日本だけ沈む恐れがあるように思えてなりません。

そして、危機に発する言葉こそ、そのリーダーの本質を表す言葉になります。
残念ながら、麻生太郎氏のきちんと対応をするほかに方法がない」という抽象的な声明は、リーダーとしての資質の欠如を自ら暴露したようなものです。

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結局、政府・与党にとって金融危機は他人事みたいです…

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