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『ロータス・エスプリSE』(エスプリターボSE)


今日は、愛車「エスプリSE」について話そうと思う~♪

何でいまさら取り上げるのかというと、エスプリ自体がそれほど人気がある車ではない為、
あまり詳しいところを知っている人は少なく認知度が低い。
それが原因で誤解があったり魅力が半減しているところがあったりとしているところを以前より感じていたのだ…。。。

まぁ、こんな記事をアップするのもオレだけだろうなぁ~^^;;

【スペック:ロータス・エスプリSE】(1989~1992年モデル)
サイズ  : 4,330x1,860x1,150 mm(オレのは1,090mm)  
車重   : 1,300Kg
エンジン : 2,169cc + Turbo 
最高出力 : 265ps/6,500rpm
最大トルク: 36.0kgm/3,900rpm
最高速  : 265km/h
0-100km/h : 5.2sec

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【エスプリの歴史】
1975年初代S1が登場し、その鋭利なジウジアーロデザインに世界中が感嘆した。
そしてS2、S2.2、S3、そしてターボモデルが登場して展開していく。
1987年にデザイン変更を受けて一新されつつ、ターボモデルを軸として発展。
1989年にターボSEが登場
1993年に限定車S300(スポーツ300)が登場し、世界最強の4気筒モデルとなる。
その後はS4、S4sと発展し、2.0LターボのGT3が最後の4気筒モデルとなった。(1998年)
1996年に念願のV8モデルが登場し、その当時のフェラーリF355を出し抜く速さを得た。
2003年にエスプリ最終のモデルである「ファイナル」で最後となる。

おおよそ、28年間もの年月を基本設計を変えず生産されたエスプリは、空冷ポルシェ911に肩を並べるほどでもある。


【ネーミング:Esprit】
ロータス伝統の「E」から始まるネーミングは最初のロータス市販車『エリート』(Elite)から変わりなく現在でも続いている~!!
エリート、エラン、ヨーロッパ、エクラ、エスプリ、エクセル、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラ

『エスプリ』(Esprit)は元々フランス語で“精神”や“知性”や“魂”の意味。


【グレード:SE】
正確に言うと、
‘89~90年の車名が、『エスプリターボSE』(オレのは90年式)
‘91~92年の車名が、『エスプリSE』
車名から単純に想像しちゃうと、「ターボ」が無くなった?!のかと思ってしまうかもだが、
実は無くなったのは「NA」モデルの方で、その為わざわざ「ターボ」と名乗らなくてよくなったことによるもの。

・『SE』とは、スペシャルエクイップメントの略で、それまでの通常ターボモデルに対し、「マルチポイントインジェクション」や「水冷式インタークーラー」や「専用エアロやバンパー」、などなどの“特別装備”(スペシャルエクイップメント)したトップグレードのことを示す。


【デザイン:ジウジ ⇒ ニューシェイプ】
元々「鬼才ジウジアーロ」によってデザインされたエスプリは、1987年当時ロータス社内に在籍していた「ピーター・スティーブンス」によってリデザインされる。

少し丸味を帯びたニューデザインは「ニューシェイプ」と呼ばれ、華麗な『SE』の最大の特徴でもある
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後にスティーブンスは独立し、あの超スーパーカーである『マクラーレンF1』をデザインする!!!

因みに、元来のデザインである1986年までのモデルを、通称:『ジウジ』と呼ぶ。


【FRPボディー】
ロータスのお家芸ともいえる「FRPボディー」はエスプリに於いても踏襲された。
とにかく軽くて強靭な素材である為、スポーツカーにとっては純粋に適しているのである~!!

割れたら修復不可能なんてよく言われるが、専門者に掛かれば結構簡単に且つ綺麗に修復できるのである~♪
もちろん、錆びるなんてこともないしね~^^


【テールレンズ:ハチロク】
知る人ぞ知る「ニューシェイプ」のテールレンズは、実はハチロクのテールレンズなのである~!!!
正確に言うと、ハチロク(AE86)の前期型の「レビン・3ドアHB」の輸出仕様(中央側がバックフォグ)のもの。

因みに、トヨタとの関係は以前から有り、今でも主要部品であるエンジン供給などを受けている。
オレもハチロクオーナーだったので、テールレンズに関しては10代の頃から受け継いでいることになる~^^;
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【レーシング・レイアウトパッケージ】
いわゆる「ミッドシップ」のエスプリは、元々の設計が先代である「ヨーロッパ」の思想を踏襲しており、
数あるミッドシップ車の中でも、非常に走りに徹したパッケージングがなされている。

ハッキリいうと、今日までの数ある市販ミッドシップ車の中でも、レースカーに近いレイアウトパッケージなのである~!

◆バックボーンフレームにFRPのボディーを被せた構造は、昔のレーシングカーと同様であり、その長所を最大限生かしている。

 1990年式から更に優れた「イーグル・シャシー」となった。

◆エンジンは「縦置き」でドライバーの背中のすぐ直後に位置している。(真のミッドシップ)
ドライバーの背中からエンジンまでの距離は10cmと無い程、非常に接近している。
そこに在るのはシート背面厚み分とバルクヘッドの厚み分のみである~!!
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◆燃料タンクは、エンジン左右の外側に一つずつミッドに配置(計2個)されている。
 燃料の増減による重量配分変化の影響を最も受けにくいレイアウトなのである。

◆オイルクーラーも前部の左右にWで配置され、重量配分と冷却性能をしっかり両立させている。

因みに、車内の空間は人以外のスペースは殆ど皆無で、フェラーリのようにシート直後にゴルフバックを積めるという思想は全く無いし、NSXのように自慢げにゴルフバック2個も搭載できるようなトランクスペースも無い。

※エスプリは見た目以上に中身は実にスパルタンで、その裏にはレーシングレイアウト設計の思想が生きている為なのである~♪


【操縦性:真のミッドシップ】
上記のとおり、レーシングレイアウトのエスプリは、軽量なFRPボディーと相成って、
コーナリングは痛快&爽快&超楽しい~♪、まさしくロータス本来のコーナリングを得意とする身上で、
鼻先が入っていく感覚は、ポルシェにも決して負けてない~!!(元ポルシェオーナーのオレが実感&実証する)


【エンジン:オールアルミ製】
初代S1から続いてきたエンジンは、ロータス自社製の「オールアルミ製エンジン」である。
今では有り得ない程の「オーバースクエア&ショートストローク型」(ボア95.27mm × ストローク76.2mm)なので、
非常に高回転を好む傾向の回り方をするし、ターボも昔ながらの“ドッカンターボ”ゆえに、3,000回転以下はトロいが、4,000回転以上は脳ミソが出て来るぐらいのワープ感覚が味わえるのである~♪
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因みに、本当の「オールアルミ製」ゆえに、暖気運転は絶対に必須且つ非常に重要なのである。
某国産の“オールアルミと言っているだけ(=暖気運転不要)”のエンジンとは基が違うのである。


【ピストン&コンロッド:重量バランス】
この『SE』から、マーレの“鍛造ピストン”が採用されている。
しかもエンジンに組む際のピストンは、全て同じ重さのものだけで組まれている。
つまり、“1g”と違わないピストンによるエンジン回転は4気筒とは思えない程、非常に滑らかに回るのである。

コンロッドの重量合わせもシビアに管理されており、僅か2g以内にバランスを取ってある。

※このエンジン、ターボじゃなく高圧縮のNAにしたら、実はかなり気持ちイイかも~♪

     
【5速MT:シトロエン ⇒ ルノー】
シトロエン製 ⇒ ルノー製へ切り替わり搭載されている。
因みに、ルノーでいうと「アルピーヌV6ターボ」のMTである~!!
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※正直、あまりよくない~;;


【ブレーキ】
SEまでのブレーキは、正直クソである~;;;
フロントに15インチタイヤを履く仕様のため、ブレーキもまだまだ小さいものしか装着できず、
超高速域から急ブレーキを一回でも掛ければ「終了」みたいな~;;;

後モデルのS4以降はブレンボの4ポッドが付くし、S300やV8モデルは何とAP製である~!!!
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※正直、怖い~;;;


【正規ディーラー:アトランティック商事】
1972年から1995年くらいまでの間は、『アトランティック商事』が正規輸入していた。
現在は「アストン・マーチン」の正規ディーラーとして名高い。
当時から『アトラン』は敷居が高い感じがして、その感覚が今でも記憶に残っているが、
コンタクトしてみると、そんなに感じはしないし、むしろ電話だけでも親身に答えるところに『アトラン』の奥深さがある。

※D車の証である貴重なアトランのステッカーが輝いている~☆
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【ディーラー車(正規輸入車):LHD】
当初のこと(ジウジ時代)はあまり知らないが、ニューシェイプ時代のエスプリは、
北米(アメリカ)仕様をベースにして日本仕様が作られている。

つまり、日本仕様のエスプリとは、LHD(左ハン)のエスプリなのである。
(スピードメーターを「Km/h」に変更し、当然フロント&リアのサイドマーカーは外してある)
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これはオレの憶測だが、当時の日本では「外車=LHD(左ハン)」という認識が強かった。
逆に表現するのなら、『LHD(左ハン)でなければ外車(特別感)ではない!』という感覚が非常に強かったのだ。

その為、本国(イギリス)仕様のRHD(右ハン)をそのまま日本に導入しても、
日本の顧客(特に当時の富裕層)にはあまりウケが良くない為、売れないだろうとの公算があったに違いない。

現に当時、RHD(右ハン)を選べる車があったとしても、ほぼ全て顧客はLHD(左ハン)を好んで選んでいた事実があった。
特別な車であるがゆえに、やはりその特別感を味わうには非日常性が非常に大事であり、
普段味わえない特別な視点や視界や感覚がLHD(左ハン)には確かに存在しているからなのである~!!

オレもその感覚には同感するところだが、実際に冷静に考えれば、本国仕様のRHD(右ハン)の方が、
開発時の仕様そのものであるし、そもそも正統なのであるのだが~^^;;

◆エスプリSEは、LHD(左ハン)がD車(正規輸入車)で、RHD(右ハン)は並行車なのである~!!



【コノリーレザー:内装&シートの皮革】
内装&シートの皮革には、『コノリーレザー』(コノリー社製)で仕上げられている~!
この『コノリーレザー』とは同英国車の「ロールスロイス」が使用している皮革のことである~!!
つまり、エスプリはロールスと同じ内装皮革なのである~!!!


【ウィンカー&ワイパーのレバー】
この両方のレバーは、オールドミニとカウンタックと全く同じものが付いている~!!!
たぶん歴史から考えると、最初にミニが採用(量産)し、⇒次にカウンタック、⇒そしてエスプリと続いているので、もう半世紀(50年)も作られていたことになるのだ~^^;;
たぶん、この3車以外にも採用している車があるだろう~♪


【登場映画】
・プリティーウーマン
・氷の微笑
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いかがでしょうか~?! エスプリSEの魅力がだいぶ解って頂けたかと~^^:

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