昨年度大学選手権で優勝したとき、新聞やネットニュース、ラグマガの記事で、対抗戦の早明戦で負けてから“40日間”でチームを立て直したことが書かれていて、一体どんな40日間を過ごせばあんなに見違えるように強くなれるのかと想像していました。
目次で「40日」のタイトルを見て、絶対この期間のことが書いてあるんだと思って、早く読みたくてウズウズしていました。
まず意識。
体を前傾させて目線を上げ、前に出る準備をする『勝ちポジ』を構えだけでなく心も含めて準備することを徹底させます。
次に「権丈タイム」。
第9章でも「権丈タイム」のことが書かれていましたが、大学選手権に向けて、半分“しぼり”のような「権丈タイム」になって、選手たちも権丈コーチも泣きながらフルコンタクトで練習したそうです
さらに居酒屋で「FW会」を開いて一致団結しました。
続いて委員を含むリーダーと4年生と権丈コーチ、布施メンタルコーチでの話し合い。
「遠慮があったら絶対に勝てない。自分の気持ちを伝えないと後悔する。」「腹を割って話す。まっ、いいか、はよくない。」
学生同士の距離が縮まって、本当の仲間になれたそうです
戦術的には、2年間強化してきたディフェンスに加えて、選手権前からはアタックにも力を入れました。
ここで活躍したのが後藤コーチ。分析が細かく、独特の視点を持っていて、それまでの攻め方に変化をつけました。
その効果が、早稲田にとっての大学選手権初戦、準々決勝の日大戦に出たそうです
準決勝の天理戦の勝利。特にセットプレーが良かったです。
試合後、天理の岡田スクラムコーチは、「スクラムで勝とうと思ったら、数を組んで、低くなって、固まる。数を組むような単調で面白くない、しんどい練習をやらないと勝てない、ということが早稲田の学生たちは身についている。それを継続できることが強み。それが早稲田の伝統。」とおっしゃっていたそうです。
「7月、暑い中でスクラムに特化し、それ以降も組み続けた練習の成果は正月に出る。」この相良監督の自信に満ちた一文が好きです
スクラムだけでなくラインアウトもうまくいきました。準決勝に出た選手たちが「Bの方が速くてうまかった」と言うほど、Bチームが「仮想・天理」となってラインアウトを分析・予想して動いたそうです
準決勝の1試合目で早稲田が勝利した後、2試合目に臨む明治大学の田中監督と相良監督がかわした握手のエピソードも、Bチーム以下の練習試合のことも、早稲田と明治の素晴らしい友情を感じました
決勝戦のHO森島選手とLO三浦選手のMVP級の活躍。そこに至るまでの彼らの努力、本当に感動しました
決勝戦については試合の流れが詳しく書かれていて、また試合の録画を観たくなりました。何度観ても泣けます
選手権の優勝直後、その日にあった祝勝会、1月14日に丸茂選手の写真の前で、そして1月25日に上井草であったパレード、4回『荒ぶる』を歌ったそうです
私は優勝直後国立競技場で、その夜都内のホテルであった祝勝会で、2回聴きました
相良監督が分析する丸尾主将と下川副将の性格は、試合を観たり様々なインタビューから私が想像した印象とあまり違いがありませんでした
主将を選んだ当時は、まさか新型コロナウイルスというのもが流行って、一時練習ができなくなるなんて予想はしていなかったと思いますが、早稲田愛が強く勝つことしか見えていない丸尾主将は、例年通り練習や試合ができない今年にピッタリなリーダーだと思います
相良監督は、「私は運がいい」とか「周囲、選手へ感謝」とおっしゃっていますが、相良監督はその人に合った役割を与えて任すことがとても上手で、コーチ陣も選手たちもそれに応えようと努力して、その結果上手く歯車がかみ合っていると思いました
著書の中には本当にたくさんの方々が登場して、相良監督は人を大切にしている方なんだなぁと強く感じます。
連覇に向けてスタートしたばかり
今シーズンも大好きな早稲田ラグビーを堪能したいと思います
それと、ウイルス感染が収束したら、上井草グラウンドに山茶花を見に行きたいです。
花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」。ピンク色は「永遠の愛=永遠の仲間」