めっきり寒くなった今日この頃。ほっと一息の午後のティータイム。
先日、キャラメル&バナナティーという小粋な紅茶が売っていたので買ってみた。
これでボクも白金を闊歩する有閑マダムの仲間入りだ!意気揚々と淹れてみると、なるほどバナナとキャラメルな甘い香りが立ち昇ってきた。
・・・飲んでみると、甘くないけっこう普通の紅茶であった。香りだけ。キャラメルの味も、バナナの味もしない。いや、ほのかに・・・風味が、味ではなく風味がある気がする。
ボクの大雑把な舌では、こんなもんなのか?コーヒー党なので紅茶のことはよくわからん。
初めてアップルティーを飲んだときのことを思い出した。
ティーパックにりんごの絵の描かれたアップルティー、美味しそうだな~と飲んだ感想。
なにこれ、りんごの味がしないじゃないか!?
軽く失望し、そして思った。りんごの紅茶とは、別にりんごの味ではなく、りんごの木の葉っぱで作られているのだろうと。
違った。
調べてみると、どうやらアップルティーとは紅茶とりんごの皮を淹れることでできるらしい。
ということはだ。アップルティーのパックの中には紅茶の葉と乾燥したりんごの皮が入っているということのなる。オレンジティーもそうだろう。ミルクティーはミルクを入れる。レモンティーもレモンをいれる。
だったら、バナナとキャラメルはいっているのだろーか?
どこかにキャラメルの生る木が生えていて、その葉っぱでも入っているのか?
バナナの果肉を覆っている白い筋を乾燥させたものでも入っているのか?
しかし、まあいいさ。香りは素晴らしいのだ。
目を閉じ、その立ち昇る芳醇な香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
そう、おれは有閑マダム・・・いや、有閑ダンディーだ!!
そっと目を開けると、そこには恐ろしいことに、髪も髭もぼさぼさで、汚らしいぼろきれの様な衣服を身にまっとった、子犬のように怯えた目のひとりのくたびれた男がいた。
そう、ボクだ。
残酷な現実を目の当たりにし、ふっとため息。
あれほど甘く美しかった香りも、ボクの気管を通り吐き出された後には、10年熟成されたヘドロのような悪臭となり、大気を汚した。
目の前に花瓶に生けられた一輪の花があったとしたら、すぐさま萎れ朽ち果てていたことだろう。
やれやれ・・・。
ボクは一口紅茶をすすると、再びそっと目を閉じた。