産後だからこそ、体と心の快適を。 -114ページ目

産後だからこそ、体と心の快適を。

マドレボニータ産後ケア 中目黒・武蔵小杉教室 インストラクター 井端梓のブログです。

最近、すごく面白い本を読みました。

「ママたちが非常事態?!最新科学で読み解くニッポン」
著者:NHKスペシャル取材班
発行:2016年12月


もともとNHKの特番で放送されたものが反響を呼んで、本になったそうです。

番組をつくったディレクターが、自分自身の子育て経験から

人間の子育ては、他の動物と比較して、どう考えても大変すぎる!
なぜ、子育てがこんなに大変でつらいのか!おかしいじゃないか!
これはどういう地球における生存戦略なのか、科学で説明がつかないのか!?


と思ったことがきっかけなんだとか。

育児を「科学の目線」(進化、脳科学、分泌学、動物行動学。発達心理学など)
からひもとくことで、子育てへの見方を変えられないか とする内容です。

たしかに、経験則で語られることが多い3大悩みの、夜泣き、人見知り、イヤイヤ期。これらの原因や対応方法が、実験や研究結果をもとに、科学的に説明されていて、おもしろい!!

特に印象に残ったことが一つ。

なぜ育児中の母親たちの多くが孤独や不安感を感じるのか?ということ。

まず、妊娠から出産まで、母親の体内の女性ホルモン量は通常の数百倍になりますが、出産後は急激に減少して一気に通常レベルに戻るのだそうです。

この変化が、脳で孤独や不安を感じやすくさせるのだそうです。

いまから育児でがんばらなくてはならない母が、こんなメンタル状況では、
子育てしずらいではないか!なぜ、母の体がこんな仕組みになっているのか?


その理由を解明するのに、700万年前までさかのぼります。


700万年前に誕生した私たち人類。私たちの祖先が獲得した生き残るための生存戦略が、沢山の子を産み育てるための「共同養育」。例えば村単位で、誰が誰の子、という区別なく共同で子育てをする。

これこそが人間本来の子育ての形だったのだ、と今でもその習慣の残るアフリカのジャングルの「バカ族」を取材し紹介しています。

出産後の母たちの体内で女性ホルモンが急激に低下し、不安や孤独を感じるようになる体の仕組みは、共同養育をする仲間を見つけさせ、わが子を他者にゆだねられるように、700万年前に始めた人類の共同保育を支える仕組みが今なお現代の母親の体内に残されているのだ と分析されていました(P85)。

かつては、祖父母や近所の人など、母の育児を手助けしてくれる共同養育仲間は周りにたくさんいました。しかし、ここ100年ほどの急速な核家族化や、コミュニティの人間関係が希薄になったことなどによって、育児は今、母一人にかなりの部分がゆだねられています。
 

共同保育を求める母の体の本能と、現代の孤独な育児環境、そのギャップに母たちは苦しむ。それこそが現代日本の母の7割が育児に感じる孤独の正体だと考えられる。

人間はみんなで助け合って子どもを育てるという道を選んだからこそ繁栄できた生物だから、共同保育はいわば人間らしさ。今も、私たちの体内には共同養育の本能が流れているんだから、現代の母たちが『育児がツラい』と思うのは、人間として当たり前のこと。
現代の孤独な育児環境は人類700万年の歴史においても初めてともいえる「育児の非常事態」に直面している。


と書かれています(P85~87)。


「ママたちへ。子育てがつらいのは、決してあなたのせいではありません。」(P15まえがきより)という言葉が印象的ですが、夜泣きや不安でいっぱいいっぱいの時読むと、少し状況を客観視できる本だなあと思いました。