マジックバーで早朝まで仕事した後、始発待ちのカラオケに行った時に、時々やたら高い声が出ることがあります。

 低音は出ないので、全体的に2~3度高くなってるわけですが、そういう時はここぞとばかりに led zeppelin とか L'Arc-en-Ciel とかオフコースとか山下達郎とか、普段は出ないような高い声の歌を歌います。

 原曲キーで歌えると、なんだか気持ちがいいのです。
 アーチストがちょっと身近になった気分。

 翌日になると、声も元にもどってるのですが、なんなんでしょうね、この突然の高音。
 普通は、歳をとるごとに声も下がるハズなんですが・・・

 Mixed Voiceってヤツ?

 いつも出るようになるなら、演技に取り入れられるなぁ、なんて事を思ったりします。
 酒を飲まないと出ない、っていうのだったらちょっと困りますけど。
 マジックでは、「小さい秘密の動きを、大きな動きでカバーする」という考え方があります。
 フィジカル・ミスディレクションの一種ですね。

 秘密の動作を隠すためには、確かに実用的でよく使うのですが、これはある意味、観客が想像するとおりの事でもあります。

 もしも可能であれば、小さい動きを大きな動きに「置き換える」、の方がより良い気がします。
 指で動かしていた所を「腕全体」の動きに替える。
 上半身ではなく「重心の移動」で体勢を変える。
 左右の動きを「前後の動き」にする、というのも有効ですね。

 人が動かす代わりに動力として「重力」を使う、というのも動きがなくなるので効果的です。「放す」とか「落とす」という動きですね。
 重力に沿った動きには、(脱力した結果に見えるため)意図が感じられない、という効果もあるため、余計に目立ちにくくなります。

 もちろん、適用可能なものと、そうでないものがあります。
 動きを小さくして何かでカバーするのか、それともカバーそのものを必要としなくなるようにするのか。ケースバイケースですし、組み合わせる事もよくあります。
 最終的に「何かしているのだけれど何もしていないように見える」事が達成されると、それはシチュエーションを選ばずに使える、非常に汎用性の高い技になります。


 ・・・マジックのこういう所って、武術の秘伝の話に似てるなぁ、と思うんですよね。
 何時のマジックコンベンションでしたか・・・

 スペインの名人・タマリッツの舞台を見た時、近くの客席に立川談志さんが居ました。
 私が客席で大笑いしてたのを、前の席から「誰だァ?そんな笑い転げてる奴ぁ」みたいな感じで振り向いて見られて、目が合った事を覚えています。


 タマリッツのレクチャーDVDに、コメディについてのレクチャーを行っているものがあります。
 正直、あまりに不思議なマジックをやる人のため、コメディマジシャンだという事を忘れていて、ちょっと意表をつかれた気がしました。

 確かに自分も大笑いして見ていた訳で、それはコメディマジック以外の何物でもないのですが、むしろコメディは目的というより、不思議を起こす材料として、または、不思議過ぎて頭痛くなるのを緩和するためにコメディ風にしてるんじゃないか、くらいの印象です。

 マジカルコメディアンではなく、コメディマジシャン、という事なのでしょう。


 そのタマリッツが教える笑いの原理は、「緊張と緩和の落差」なんだそうです。
 

 立川流のウエブサイトには、家元が毎日ひとことずつ書く「今日の家元」というコーナーがあります。
 以前そこに「笑いは緊張と緩和。ずっと考えてきたがそれしかない」といった主旨の事が書かれていました。

 二人の名人は、同じ境地に居るのでしょうか。

 おそらく、いろいろな笑いを分解していくと、「緊張と緩和」が様々な形で入っているのでしょう。
 私には、いろいろな笑いのどれにも「それしかない」と言えるほどの「笑い」の見識がないのですが、その視点で見るともっと発見があるのかな、と思う所です。


「今日の家元」は8/26で止まっています。年内はお休みなのだとか。
 家元が早く回復されることを祈っております。
9/23の『奇は奇術師の奇』にご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!

 師であるカズ・カタヤマさんのショーでしたが、私の出番も三度ほどありまして…こんなマジックをやりました。

「サイドウォーク・シャフル」
「ロープ切り」
「チャイニーズ・ステッキ」

 クラシックや、セミ・クラシックという感じのものです。

 ある観客の方から「三つともいいマジックですね」と言われたんですが、それがいいマジックとして演じられるようになりたい、という想いはあります。

 特にチャイニーズステッキ。
 シンプルゆえに難しいのですが、応用が効くんですね。今回は六人バージョンでした。


 見ていただいた方には重ねて感謝。
 感想などお寄せいただくと嬉しいです。
 というか、見た方には直接聞きに行くかもしれませんが、その時はどうぞよろしくお願いします。
『奇は奇術師の奇』

 9/23(水・祭)
 三鷹芸能劇場
 昼の部15:00 夜の部18:30
 料金 3000円

 出演
 カズ・カタヤマ
 MAYAKO
 ひかり
 ゆみ
 シン・ジソン
 ごっちくん
 GO!
 HIROSHI

 公式サイト
 http://members3.jcom.home.ne.jp/katayamakoubou.kazumagic.mayacco/


 It's Magicシリーズ、今回は私の師であるカズ・カタヤマさんの回。
 いろいろ面白い特集演目を取り揃えてます。

 ゲストのゆみさん、ひかりさんも、受賞アクトの他に新しい趣向の演し物を披露します。

 どちらかと言うと、18:30の方に席の余裕が多いようです。
 15時の回にいらっしゃる方は、できましたらお早めに。


 連休の最後の日、お時間のある方はぜひいらして下さい!