利き手と、利き手ではない手では、どちらが技術の習得が早いのか?という話です。

 クロースアップマジックでは、左右の手の役割分担がけっこうはっきりしていて、同じ技を左右で使うことはあまりないようですが、ステージのマニピュレーションでは、両手を均等に使う機会がよく出てきます。

 普通に考えれば、利き手の技の習得が早い筈なんですが、これには異論があるようです。
 余計な動きを知らない分、利き手ではない方が早い、という説。
 ある意味、もっともらしいです。
 
 こういうのは実験してみるにかぎります。
 マジックの動きはもともと左右で既にできる動きに違いがあるので、やったことがないジャグリングの技を何種類かで比較。
 その結果は、微妙というか・・・

「同時に始めると、利き手の上達がちょっと早い」
「利き手でない側から先に始めると、後になっても利き手より上手いまま」

 ・・・という事になりました。

 もちろん、既に習得している動きの違い、握力などの基礎的な能力の違いがどのくらいあるか、などで結果は変わってくると思いますが、まったく新たな技の習得では思ったほどの差は出ないようです。

 むしろ「つい利き手の方で物を持ってしまう」事による、練習頻度の違いが大きい事を感じます。
 よく「左手はなかなか上達しない」という話は聞くのですが、どちらかというと「先か後か」の問題の方が大きいようです。先に右手で練習する事によって、脳の「こっちの方がやりやすいという認識」が出来てしまうのでしょう。


 意外だったのが、左右の手は形が同じではない事の影響です。
 私の場合は左の手首から指先までのサイズが右より5mmほど大きいので、たとえば右手を参考にして同じ技を習得しようとすると「当たる所」がズレてうまくいかず修正する必要がでてきます。

 どちらか片方の手が習得すれば、かなりのコツをもう片方に受け継げるので、ゼロから習得するよりは楽なのですが、ある程度以上の上達では、左右で微妙なアレンジが必要な事があるようです。