2002年10月7日 | 絶叫機械-残酷物語

2002年10月7日

 相変わらず、おれは糞のような仕事をしている。
 どこかで穴を掘ってそれを埋めるような仕事はないか、そのほうが百倍も増しだと思えるような、そんな仕事だと思って頂きたい。
 おれは自分のケツの穴を舐める気持ちで人様に笑顔を振り撒く。
 糞だ、糞を塗りたくった顔だ。
 俺の人生は糞のようなものだ。
 ベルトコンベアの上を糞が流れていく。
 糞には刻印が押してあり、それが価値あるものだと示している。
 やがて俺は同僚の女性店員の顔を見ながら、その肛門を想像した。
 すると、その端正とは言い難い愛嬌のある顔の上に、コインのようなものが回り始めた。
 コイン状のそれは切り取った肛門で、唇の端と同じような桃褐色の愛らしい姿を見せて、回っていた。
 やがて、客の頭上に、それぞれの肛門が回り始めた。

 かろかろかろかろかろ。

 ボールペンで自殺する方法。鼻に刺しこみ、てのひらで上に突き上げる。
 うまく行けば脳にボールペンが刺さるだろう。
 ボールペンの尻をノックすると、そのたびに俺はびくんと跳ね上がる。
 ノック
 ビクン
 ノック
 ビクン
 ノック
 バタン

 そしてまた夜が来る。
 眠れぬ、音がないと眠れぬ、耳の中に無理から進入する音がないと、俺の脳はどうでも良い音ばかりを拾うようにできているので、いつまでたっても眠れない。
 ラジカセはどこへ行った、部屋がごみと本と服ですり鉢状になっているから埋もれているのは間違いないのだが、見つからぬ。

 寝ていないから思考も分散する、俺は布団をはねのけて、はたと窓を睨んだ。

 白んでおる。

 夜はどこへ行った、俺の夜は、糞、脳がずれる。

 10月7日、原稿は遅々として進まぬ、11月の公演まであと一月を切った、頭蓋がかたむく、朝日を受けてちろりちろりと俺の尿が空を飛ぶ、ここは地上三階、落ちれば死ねるやもしれぬ、長い尿条が途切れるまで、俺の逡巡は続いた。

 

 その日の夜、俺は階下の住人に金属バットで殴り殺された。