擬態する罠

この季節地面にいるセミを見ると固まる人は少なくないはず…。

ヤツカです。

夏を彩るNoiseを発し力尽き地面に横たわるセミ。
生きてるのか？
それとも事切れているのか？
近づくまで分からない…。
しかも奴等は絶妙に人の進路上にいる。
きっと最後は蛾のように光に釣られてドア等の出入口付近に来て落下するのだろう。
窓を開けるたびにかなぶんや蛾と共にけたたましい羽音と悲鳴の様な声をあげて突進してくるセミ。
それを俺は小銭受けではたき落とす…。
しかし地面にいる奴はやはり近づくまでどうにも出来ない。
まるで地雷元を越えないと目的地に辿り着けない兵士の様な絶望的な気分になる。
今まさに俺の車の運転席のドアの前に奴が横たわっている…。
わかっていてもビックリするのが嫌なんだよな…。
どうする？俺!!