先日、早朝に東京駅で京葉線に乗ったときのこと。

 

東京駅発、蘇我行きの電車だったんだけど、

眠くてうとうとしてたらね。

 

「この電車は、▲時▲▲分発 各駅停車蘇我行きです」

というお決まりの車掌さんアナウンスが。

でも、マイクを通してじゃなくて、生声っぽく聴こえるし、

やたら頻繁に聴こえる。

 

あれ?なんだろ? って外観たら、

20歳ぐらいの青年(車掌さんじゃない)が

電車に乗るお客さん一人一人に呼びかけてる・・・。

「やたら丁寧な青年だな」と思ってたら、

僕の隣に座りまして。

 

そしたら、発車後も、車掌さんのアナウンスよりも、

1テンポ早い先回りで、アナウンスし始めました。

それがそれがもう正確でね。

この青年、鉄道ヲタクさんなのか、芸人さんなのか・・・

僕は寝たフリをしながら、逡巡しておりました。

 

 

すると、次の八丁堀を発車するとき、

ドアの閉まる時の音「タントン♪タントン♪」を

「たらこ♪ミラクル♪」と言い出した。

なるほど、音のプロはそう変換するのね。

 

続いて、電車が動きだすときの、

「プシューッ」の音、「ウーーン↑ ウーーン↑」の音が、

これまた最高に似ている。

 

「この人、細かすぎて伝わらないモノマネに出られるレベルだ・・・」

と思ってたら、次の越中島で、

一人のおっちゃんが電車にギリギリ走り込んできた。

 

ドアが閉まり、車内が無音の静寂に包まれるなか、

「駆け込み乗車はおやめください」

青年の低音アナウンスが響き、僕は吹き出してしまった。

 

その青年は、次の潮見で降りて行った。

僕は、舞浜に着くまでの間、ずっとうつむきながら、

彼のことを考えていた。