最寄りの駅に行くまでの道すがら、いつも眺める空き地がある。
私の背丈ぐらいの高さまで育ったススキの群生地。
何気なく毎日ぼやっと眺めては、コインパーキングを通り抜ける。
ただ、その日その駐車場には車がいつもより多く停まっていたし、巨木をそのまま綺麗にカットしたような木材を積んだトラックもいた。
次の日になれば、木材で家屋の輪郭はとっくに出来上がっていた。
木材が繋がれ合うその隙間から、相変わらずススキは無抵抗なままそこに存在していたけど、私はようやくいつか見えなくなる景色を実感した。
近年、家が建つのはとても早い。
新しい靴を買う頃には、きっと家は建っているだろう。
ただ、その度にその場所にいた草木は命を絶たれ、剥き出しの大地には冷たいコンクリートが降り注いでいる。
一瞬で景色も思い出の匂いも消え失せる。
それは淋しい事であって、私にとっては勿体無い事。
それと同時に新しい景色の生まれる瞬間。
新しい家族の居場所。
それは悪くないと思ってる。
何かが消えては生まれ、
何かを無くしては見つけ。
それをこれからも繰り返していくんだろうな。
新しい家族が、仲良いといい。
あたしには無関係だけど、隙間だらけの家族ってのはあんま良くない。
ススキをあたしから奪うんだから、絆を守ってあげて欲しい。
まずは事実を受け入れる事。だね。