前回の記事でも書きましが、私は某市立美術館でアルバイトをしていたことがありあました。そこで遭遇したならず者を紹介しましょう。
その日の私の担当は券売でした。その美術館は公立施設のわりに民間企業とのコラボレート(?)が充実していて、○×百貨店の友の会のカードやコープの組合員証、鉄道会社の1日乗車券などを提示すると2割引といったサービスが、驚くほどたくさんあり、バイトに入ったばかりの頃は、「これ、全部覚えられるだろうか・・・」と思ったものでした。
その日、私が遭遇したならず者はとある中年夫婦です。
いつものように「一般、お一人様800円です」と営業スマイルで接客していたら、奥さんが、「あら、ここはJ○Fの会員証を提示すれば割引があるの?」と、受付に掲示していた割引適用一覧表に気づいて聞いてきた。
私「はい。ご提示していただければ2割引になります。」
奥さん「あなた会員でしょ?」
旦那「けど、会員証は車の中やないか。帰りに持ってくるから割引しといて」
私「いま、ご提示いただけないと・・・」
旦那「なんや、わざわざ取りにいかせるんか!」
私「・・・(提示してもらうのが割り引き条件なんですけど)」
奥さん「なんやのこの美術館~!」
私「・・・(俺の言ってることおかしいかな)」
そのあとは、この件とは関係のない苦情のオンパレード。
「美術館の立地条件が悪い」「道路の案内表示がわかりにくい」「無料駐車場が無いのは不便だ。作れ」「コレクションが貧弱だ」などなど。
バイトの俺にどうしろというんだというような内容ばかりを、館内に響くほどの大声でまくしたてられ、たまらず、事務所にヘルプの電話をした。
すると事務室長と総務の職員の2人が来てくれて、対応してくれた。
事務室長「いかがなさいましたか?とりあえず奥の応接へどうぞ」
旦那「べつにここでええ。」
とさらに大声でクレームをまくし立てる。
聞けば、大阪の阪●古書のまちで美術書を扱う古書店の店主夫妻だったようである。
「わしは○×(美術評論家)や■△(大御所作家)、◎*(大手画廊)とお付き合いさせてもらってる。」
→なんでクレーマーって大物の名前を出したがるのでしょうか・・・、大物の皆様も勝手に名前を使われて迷惑だと思う。
「今回の展覧会も、招待券くらい手に入れることはできたんや。」
→その場でJ○F会員証を提示しないから受けられない160円が原因でわめき散らすくらいなら、「最初から招待券で来いよ!」と、そこにいた人みんなが心の中で突っこんだ瞬間だった。
さらにあきれたのは、わめき散らす旦那をうっとりとした表情で見ている奥さんの存在だ・・・(汗
結局最後は、室長が「今回は、私が招待させていただきます」といって招待券を渡し、古書店主夫妻は展示室へと向かっていったのでした。
私「室長すみませんでした。」
室長「君の対応に間違いは無いよ。その場で提示してもらえない場合は絶対に割引しなくてええから。」
私「それにしても室長は、クレーム対応に慣れてますね」
室長「前に生活保護を担当する部署におったからな。生活保護を受給できなかった人のクレームは、こんなもんやなかったで。それにな、ああいう奴はいろんな所で、あることないこと言いふらしよるねん。だから、はいはい言うとけばええねん。」
私「なるほど~」
ちなみに、クレーマー夫妻の経営する古書店には、バイト時代も学芸員になった今も行ったことはない。