前回 の続き


「やや」にインすると、
やっぱり「やや」は保母さんだった。


ぼくは、あまり自分の悩みをチャトレさんに
打ち明けることはないのだが、
この日は、思い切って「やや」先生に相談してみた。


仕事のこと、プライベートのこと、
そして世間のこと…。


猫背になって、キーボードを叩いていると、
「やや」の答えが、なんだかいつも、
その背中をさすってくれているような
気がしてならなかった。


幼稚園の先生と面と向かって会話するのは、
はたして何十年ぶりだろうか?

でも、4~5歳時のぼくにとって、

保母さんという存在は、
あこがれの「きれいなお姉さん」だった。

たとえ会話だけとはいえ、
自分が保母さんを独占する行為など、
周囲に気兼ねして、到底できなかった。


いま思い出してみると、
たしか年中組のときの先生は、
春を迎えて、結婚退職したよな……。

あのときから、「結婚」は、
大好きな人とのお別れしなければならない
儀式なのかなと思ってしまった。


 「ややは、好きな人、いないの?」

 「結婚してみたいとか、考えているの?」

大人の幼稚園生は、途端に「やや」の
プライバシーに迫っていった。


 「抱かれたいと思うのは、どんなとき?」

「いまギャツビーさんと話しながら、そう思ってきちゃったかな。」

 「じゃあ、抱いてもいい?おっぱい見せてもらってもいい?」

「ちらりくらいなら…。
でも、いまはあまりそういう気分じゃないの。」


 「そうだよね……。」


保母さんは、園児のオイタをうまくスルーすることに、

慣れている。


――後日

 「今日は、見せたい気分?」


「見せても良い気分の日なんて、あるのかなー。」

 「たとえば、爽やかに晴れた日とか?」


「そうね。開放的で、気持ちいいよね。
じゃ、今日はいいかなー(*^ー^*)♪
でも、見せるだけじゃ、さみしいからね。お話してね。」


そう忠告すると、「やや」はブラウスの襟元から
右肩を、続けて左肩を露わにして、腰元へ擦り寄せた。

C~Dカップと推定されるブラは、
紐ブラといわれるもので、ワイヤーは入っていない。
それでも、アンダーバストがしっかりしているのは、
日ごろ、園児を抱っこして鍛えた成果だろう。


いよいよ、肩紐に手を掛けた。
そして左手で左胸を、右手で右胸を隠し、
数秒間をおいて、手と胸に挟まれたブラは、
スルスルッと、画面下方へ消えていった。
その瞬間だけ、先生は女になっていた気がする。
幼心の夢は、数十年のときを経て叶おうとしていた。


それから20分くらい、「やや」の胸と会話していた。


「わたし、オレンジ大好きなの!」


お話の途中で、そう言われても、
ぼくは「やや」自身が育てた果実を前にして、
固唾を呑み込むばかりだった。