・・・そんなわけで

雑種9歳雄犬ボブ(仮名)の

引取りに失敗した私です。

 

(ズキッ)

 

(自分の言葉に自分で傷つくお年頃)

 

ええ、敗因は自分にあるんです。

 

負けに不思議の負けなし。

 

で、でもやっぱり悔しいわ、未練だわ!

 

ボブを引き取ったという人が

どんな人だか知らないけれど

きっと私のほうが

より良き飼い主の資質を

持っていたんじゃないかしら!

 

そんな憎まれ口(ふられた人間に

ありがちな自己欺瞞とも言う)を

心の中で呟いていた私ですが

(流石にこんなことを実際に声には出せない)

ボブが引き取られて数時間後、施設のHPに

『ボブの譲渡先から写真が届きました』の

一文とともに貰われ先でのボブの画像が

アップされたんですが、それがね・・・

 

写真の中央でボブが寝ている、

ただそれだけの画像だったんですけどね・・・

 

ボブがですね、すっかり

安心して熟睡していたんですよ。

 

もう本当に『ぐっすり』という感じに。

 

何度も言うように

あの保護犬収容施設はいい施設。

 

掃除は行き届いているし

それぞれの犬への手入れも怠りないし。

 

ボブはあそこで十分な餌をもらい

運動もし自分だけの個室を与えられ

特に危険な目に合うことなく暮らしてきた。

 

でもそこにはどうしても何かが足りず、

そしてその不足していた何かを

ボブはやっと手に入れたんだな、と

心から納得できる寝顔でした。

 

またボブがその写真でも相変わらず

不細工なんですけどその写し方に

撮影者の愛が感じられてですね・・・

なんかこう・・・うん、君は

ボブの魅力をわかっているね、という・・・

 

(ものすごい上から目線)

 

(失恋者の言うことです、ご容赦ください)

 

思うにたぶんこの飼い主さんは

私と同じ行程をたどったのではないかと。

 

何かの拍子にうっかりボブと知り合い、

最初は当然その見た目に驚きつつも

彼の経歴と現在の立場と

その他諸々を耳にして、私と同じく

『義を見てせざるは勇無きなり』という

気持ちになり、そこからじわじわと

『義とか勇とかどうでもいい、ただひたすら

この犬のことが気になる、好きだ』という

最終心理に至ったのではないかと。

 

もうさー

こんなに幸せそうな寝顔を見せられたらさあー

もうそれは文句をいう隙もないじゃない!

 

わかったよ、ボブ、

君はそっちで幸せになれよ!

 

きっと君は私とよりも

そっちの人ともっとご縁があったんだ!

 

・・・そうある程度は割り切れた私ですが

何かしら、そういう私の隣で

「いやあ、ボブはいい人に貰われた

みたいですねえ、よかったよかった」

とかいう夫(英国人)に対しては

私は静かに煮えくり返るものを感じるの・・・!

 

ごめんなさい、私はもう40過ぎ、

乱れた言葉が素直に見苦しいお年頃、

でも私は叫ばざるを得ない、

「てめえが言うな、この野郎!」

(チンピラ風に甲高い発声で)

 

「いやいや、ボブのことを考えたら

これが最善の結論ですよ!

あっちの家には他の犬だとか

猫だとかもいないみたいだし、

つまり飼い主の愛情を

ボブは独占できるじゃないですか!

ボブのような犬は

それくらい愛されて当然ですよ!」

 

「それを言うか?貴様が言うか?

この私の前で、今、言うか?」

 

「たぶんこれ、貰い手は女性ですよね?

いいじゃないですか、彼女の周りには

僕みたいにボブの見た目にあーだこーだ言う

駄目な男はいないんですよ、きっと。

ああ、よかったよかった。ボブのことを思えば

本当にこれが一番・・・あれ、待って、

君、もしかして本気で傷ついていますか」

 

「大傷心だよ馬鹿野郎!」

(ビートたけしの口調で)

 

「あっごめんなさいごめんなさい、

僕が無神経でした、考えなしでした、

妻ちゃんごめんなさい、そういうことなら

今日から僕のことをボブと思って・・・」

 

ふうん、じゃあボブらしく今日から

全裸四つん這い生活をお願いできる?

という無慈悲な一言を

ぐっと飲み込んだ私です。

 

いやそんなこと実行されても困るし。

 

そんなわけで私の恋は

このような形で

終わりを迎えたのでございます。

 

この一連の犬記事に

当の犬の写真がなかったのも当然、

さすがに他人様の犬になった子の

画像をのうのうとはアップできませんよ・・・

 

まあそんなわけで

月をまたいでしまいますが

犬ネタはもう少々続きます。

 

おつきあいくださいませ。

 

 

なおボブはスタッフィ―

スタフォードシャー・ブルテリア

Staffordshire Bull Terrier)系に

何か顔と足が細い犬種が

混ざった雑種でした

 

スタッフィ―というのは

あまり日本では見かけない外見の犬で

(少なくとも私は見たことない)

血筋的にピットブルのいとこ、

みたいな犬なのだそうな

 

一見すると闘犬系で

思わず後じさる迫力のある容姿なんですが

気質はよろしいという話

 

こういうムンッ!という雰囲気の犬は

私の元々の趣味とは正反対にありまして、

しかしボブ以降

この小柄マッチョが気になるのは何故

 

でもねえ、顔がね、正統派というか

純血種スタッフィ―は顔が丸すぎるの

 

ボブはこうもっと四角い顔でね、

でも目と口はスタッフィ―的でね、

そのアンバランスさが最高だったの

 

あんな子、もう二度と現れないだろうなあ

 

・・・うっうっうっ

 

他人の失恋話が大好物なあなたも

そういうのは正直苦手、なあなたも

お帰りの前に1クリックを

人気ブログランキングへ