仰々しいタイトルですみません。

いえ、この夏、多くの知人友人を
お子様連れで我が家にご招待した結果、
私は彼らのとある教育方針に
非常に驚きを受けたのです。

食事の前、あるいは食事の後に
ストーブ前に移動して
私と夫(英国人)と友人夫妻とで
近況を報告しあうような場面に
なるとするではないですか。

すると子供は少し飽きてしまう。

わが知人友人は皆
『余所の家に遊びに行く』際の
準備にもおさおさ怠りない人々で
こうした事態に備えて前もって
子供用の本だのおもちゃだのを
持参していたわけですが、それでも
『勤め先の育児休暇システム』だの
『評判のいい配管工の噂』だの
『英国医療サービスの最新情報』だの
そんな話に大人たちが熱中すればするほど
子供というのは疎外を感じてしまうものなのか
彼らは自分たちの本やおもちゃから目をあげると
そっと母親か父親のお腹を指でつつき
「ねえ、それ、何のお話?それよりね、あのね・・・」

こういう時、私はまずすぐに
『子供の前で子供に
わからない話をしてしまった』
イコール、『子供に優しくなかった』と
己の振舞いを反省し、
小さな子でも理解できるようなことを
話題にしようと考えてしまうのですが、
どうやらこの国で幼いお子様をお持ちの
お父様お母様のお考えは異なるらしい。

彼らはそっと子供と目を合わせると
「パパとママはね、今、Norizoと
そのご夫君とお話をしています。
そういう時に邪魔をしてはいけません」

何がすごいって
これで子供は納得するんですよ!

つまり普段から『お客に行った先で
大人同士が話を始めたら
子供はそれを邪魔してはいけない』と
しっかり教え含められている様子なのです。

ただ黙って見つめ合うの図


「ああいう場合は子供に話を合わせてあげるか
『大人のお話だからあっちに行っていなさい』と
子供に言ってあげるか、どちらかだと私は思っていた」

お客の帰った後に夫にそう言うと
「でも子供に話を合わせたら
大人は楽しくないですし、
『あっちに行っていなさい』と言われたら
子供が楽しくないじゃないですか」

「・・・大人の話を聞いていて
子供は果たして楽しいものだろうかね?」

「楽しいですよ!また大人というのは
『こういう話は難しくて子供にはまだ
わからないだろう』とこっちを侮って
色々面白いことを口にするものなんです。
『大人同士の話は邪魔しちゃいけません』と
僕も言われて育ちましたけど、本当に
あれは素晴らしい教えでしたよ!
僕がどれだけたくさんの新しい語彙と
物の見方をあれで獲得したことか!」

自分が子供だった頃の記憶をたどってみるに
私はやはり「大人の話は黙って聞いていなさい」と
実際に言われたことはあまりない気がします。

『大人の大事な話に口を挟まない』は
前提として教わってはいたのですが、
そういう大事な話を大人がするときは
席から前もって離れて(離されて)いたか、
大人の中に『子供の相手をする人』役がいて
私にもわかるような話をしてくれていたか・・・

どっちがいい・悪いではなく、
そうか、こういう躾もあるのか、という
これはこの夏の私の新たなる発見でした。


彼らが子供の相手をしない、
というわけではないんですよね

『子供を優先する時間』と
『大人同士のつきあいを優先する時間』が
明確に線引きされていて、
子供もそれを理解したうえで
遊びに来ている、という感じだったんです

まあわが夫のような例もあるので
皆様もお子様の前での会話には
どうかお気を付けください

彼らはね、聞いています
の1クリックを

人気ブログランキングへ