わが夫(英国人)が
チェーンソー教室に参加したその1週間、
我が家には10代の育ちざかりの青年も
顔負けの食欲の持ち主が登場しました・・・

「ただいまー!お腹減りましたー!
何か食べるものはありますか―?」

このセリフを朗らかに玄関で口にする
四十男の素晴らしさ。

腹は減るもんじゃ


「チェーンソーというのは
そんなに重労働なのか」

「そうですね、割と重さのある器械を
ずっと正しい姿勢で
保持しなくてはならないですし」

ウエイトトレーニング的に考えますと
ちょっと変な形をしたオモリ(6キロ)を
体から少し離した位置に持ち、
膝と背中と腕を使って
それを上下左右に動かす、
その時反動を使ってはいけない、
時々そのオモリが予測不可能に
『跳ねる』可能性アリ、気をつけよう、
しかも足場は基本的によろしくない、
本当に気をつけよう、と、そういう運動を
お教室では朝から晩まで続けるわけで
「それはお腹が空いて当然だな」

「それにですね、チェーンソーを使うというのは
そのこと自体が全身運動ですけど、さらに加えて
現場までチェーンソーを運んだり
チェーンソーで切った木を移動したりするのも
かなりの運動になるんですよ」

実地演習というか訓練はどこかの山の中で
行われたそうなのですが、
駐車場からその現場までのそれなりの距離
講習参加者はチェーンソー片手に
えっちらおっちら移動しなくてはならない。

練習として切り倒した木は
あとからその山に足を踏み入れる人の
邪魔・危険にならないように
登山道から少し入ったところに
積み上げなくてはならない。

チェーンソーは重く、そして木もまた重い・・・

それは本当に
お腹が空いて当然です!

なおこの講座では
『正しいチェーンソーの使い方』の一環として
『どのような木をチェーンソーで切っていいか』
などの理論も教えてくれるそうで、
週半ばには翌週の試験対策として
「では実際に木を選んで切ってみましょう」

参加者は各自自分で
『切り倒すのにちょうどいい木』を選び
「この木を、この方向に倒します」と宣言、
その際に倒す方向の『目印』になるものを申告する。

夫は自分の木を選ぶと講師の先生を呼んで
「僕の木はこれで、この方向に倒します。
目印とするのは・・・あの松の木です」

伐木の前準備として邪魔になる枝を落とし
周囲の障害物を取り除き、足場を確保し
周囲の人に離れてもらうように声をかけ
いざ幹にチェーンソーを入れる!

夫の木は無事にめきめきめきっと
小気味よい音を立て地面に倒れ、
夫はチェーンソーのエンジンを切ってから
「作業完了です!」

講師の先生はひとつ頷いてから
「すべての動作に安定感があった!
で、ひとつ確認したいけれども、
木が倒れた方向は最初の目印通りかい?」

あ、作業完了時にそのことも
声に出して確認しなくちゃいけなかったのかな、と
夫は改めて木が倒れた方向にある松の木を指さし
「目印の松の木に向かって真っすぐ倒れました!」

「本当に?」

「はい。あれ?僕、松の木を
目印にするって言いましたよね?」

その時講師の先生の後ろにいた
夫と組になっていた別の生徒さんが
申し訳なさそうに夫の指差した方向とは
真逆の方向に手を差し伸べて
「君が目印にしたのはあっちの松の木だよ」

そう、そこは松林
似たような見た目の松の木は
そこらじゅうに
にょきにょき生えていたのです・・・!

ほ、ほら、試験当日に
大間違いをやらかすよりは
模試で大怪我をしたほうが、ねえ・・・!

なおこの教室ではその他にも
『正しいチェーンソーの手入れ法』も
講師が丁寧に教えてくれたそうで、
実は夫はわが義父とその前から
『チェーンソーの刃の研ぎ方』について
軽く対立していたのですが
「僕のやり方が正しかったです!
講師の先生が教えてくれたのと同じでした!」

夫は意気揚々と義父に電話をかけ
自分の勝利を宣言したのですが
義父は義父で絶対に
負けを認めなかったという・・・

夫はその後無事に試験に合格しました。


夫個人の感想としては
「行ってよかったチェーンソー教室」
だそうです

以来、夫とチェーンソーは
我が家で八面六臂の大活躍中

夫とチェーンソーを見ていると
『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』
を思い出します

夫はこの名作を知らないらしい

なんということ、あの可愛い
スチーム・ショベルを知らないなんて!
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マリガン氏とそのショベルカーについては
こちらの絵本をご参照ください:

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こんな可愛いショベルカーはなかなかいない

・・・あ、でもコンストラクティコンズ
(和名ビルドロン)のスカベンジャー君も
可愛いと言えば可愛いなあ
(特に昨今のアメコミにおいて)

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私はショベルカーマニアなのかもしれない