某「ライフ・イン・ザ・UK・テスト」を

昨年末受験した際、

準備勉強の鬱屈を

ここのブログで発散してやれと

意気込んだこと がございました。


しかしいざ記事を書き終わって

その文章を読み返してみますと
「英内務省の
洒落のわからない関係者が

万が一このブログをうっかり読んでしまった場合

この内容はかなり

私の立場にとってよろしくないんじゃないか」

みたいな不安がもくもくと立ち上がり・・・

記事の更新を見合わせたことがありました。


このたび無事に新しいビザも取得しましたし

パスポートも手元に戻ってきましたので

ここに当時の記事を掲載いたします。


さてそんなわけで

すっかり受験生じみた日々を

送っている私でありますが
ここにきて思わぬ弊害が。


私と夫(英国人)は

結婚後同居を開始して以来

そんなに目立った喧嘩もなく

これまで仲良くやってきたのですが、

試験勉強を開始してからの私は

まるで手負いの虎か飢えた狼

かなり危険な精神状態になっています。


ビザ更新の主目的が

「夫婦そろって暮らすこと」であるのに、

何故に私ひとりが

こんな苦しい思いをせなばならないのか。

これは不公平ではないのか。

つうかよう、理不尽だろうよう!

(悲しみのあまり

言葉が乱れてしまってすみません)


夫に罪および非はないのは

私も頭では理解しているのですが・・・


でも絶対

この試験が遠因となって離婚に踏み切る

英国在住の異国籍間夫婦、

今後増えると思うんですけど。


見事に家庭をささくれ立たせる

脅威のアイテム、それが

「ライフ・イン・ザ・UK・テスト」。


・・・案外英内務省の真の狙いは

そこらへんにあったりするんじゃないか?


英国人は英国人と結婚するべし、みたいな

このご時世口に出したら

全世界から糾弾されるであろう秘密の意図が

テストの背景にあるんじゃないか?

・・・そんなことを邪推しては気を紛らわせている

今日この頃の私です。


ああ、なんとしても

早めに合格しておかないと、

私の精神が

このままでは暗黒面に沈んでしまう・・・


以上です。


今回あらためて読み直してみたら、

別に不安になるほど過激なことは

まったく書いていないんで逆に驚いたのですが、

たぶん当時の私の心が

それだけ過敏になっていたということでしょう。


そういえば試験当日、

私のテストが終わるのを

会場の外で待っていた夫は、

同じく妻の受験に付き添いに来たという

ひとりの男性と知り合ったのでした。

彼はコソボからの移民というか難民で、

6年ほど前から英国に暮らしていて、

先日「ライフ・イン・ザ・UK・テスト」を受け

晴れて合格したという話。


「でもね、一緒に試験を

受けた妻は落第しちゃって・・・

今日は彼女の再試なんだ!」

と言う彼に、夫は

「そうですか、でも

貴方がすでに試験をパスなさっているなら

奥様に受験のコツとかを教えてあげられるから

それは素敵なことですよね!」

「・・・いや・・・それがね・・・

妻は僕が勉強を教えてあげようとすると

すっごい不機嫌になるんだよ・・・」


ああ・・・

私、奥様の気持ち、すごくよくわかりますわ・・・


ちなみに私が合格証書を片手に

試験会場から外に出てきたとき、

夫は彼に

「君は英国人なのに、

祖国のことをあまり知らないし、

しかも愛国心も足りないように見える」

本気で叱られておりました。


「僕の知り合った英国人は皆そうだ。

もっと君たちは自分の国に

誇りを持たなくちゃいけないよ。

僕の生まれ育ったコソボの町には

『ブレア』と名づけられた子供がたくさんいる。

僕の国が内戦で滅茶苦茶になったとき、

世界中が僕達を見捨てたけれども、

ブレアとクリントンだけが

介入をあきらめないでくれたんだ。

あのときの英国と米国の態度を

散々非難する人もたくさんいるのは知っている。

でもね、ブレアがあそこでああしてくれなきゃ

僕の町の住民は全滅していた。

勇気ある決断をしてくれた英国の

市民権を獲得できて、

僕がどれだけ誇りに思っているかわかるかい」


彼と別れた後、夫は

「コソボ内戦時のブレア首相の対応について

あそこまで肯定的な意見を持つ人に会ったのは

人生これが初めてだ」

とつぶやいておりました。


なお彼の奥様は

再試にも不合格でいらしたようで・・・

奥様が会場から出ていらしたとき

「あ!あれが妻だよ!紹介するね!」

と彼は言ったのですが、

奥様ったら手を振る彼を完全に無視して

どこかに走り去ってしまい・・・


英内務省の謀略が功を奏し

危機をむかえている夫婦が

ここにも存在したわけです。