前回 からの続きです。

スタートの合図とともに

参加者全員、全力疾走開始。

あまりの勢いに地響きがします。

イメージとしてはスペインの牛追い祭り。

・・・猛牛に追われているわけでもないのに

貴方たちは何故

そんなに必死の形相で走るのか・・・

200メートルほど先の角を

全走者が駆け抜けるのと同時に

雨が降り始めました。

この雨がまた結構な勢い。

近くの建物に避難。

30分ほどして

ようやく雨脚が弱まったので

ゴール地点に戻ると

恐ろしいことに

先頭走者はすでにゴールした後でした。

くりかえしますが

私が歩くと4時間かかるコースです。

それを33分台で駆け抜けるって・・・

私が呆然とする一方で

参加者たちはどんどん

ゴールに走りこんできます。

最後の直線が下り坂なせいもあるでしょうが

皆様かなりのスピード。

ふと気がつくと

ある走者は背中一面が泥まみれだったり、

ある走者は太腿の内側に

泥がべったりとついていたり・・・

背中はともかく、

腿の内側全体に泥がつくって

どんな転び方をしたというのですか・・・

しかし皆 苦しげながらも大変満足そうな顔・・・

変態だ・・・たいへんな変態だ・・・

なお、わが夫は40分台でゴール。

本人は悔しがっておりますが

十分たいした変態だと思います。

夫いわく

雨は山頂付近でもっとも強くなり

おかげで山道は

最高に滑りやすい状態であったそうです。

「シャワールームで隣になった人は

8回転んだって言っていた。

肩が上がらなくなっちゃったってさ」

・・・だから何故そこまでして走るのか・・・

「雨が降ると道が滑りやすくなるから走らない」とか

「下り坂は転びやすいから全力疾走しない」とか

そういうことは幼児期に学習しておくことだろう!

私の疑念はどこ吹く風、

参加者たちは皆一様に晴々とした顔をしています。

幼心を思い出す素敵なレースなんですかね、

子供は絶対真似しちゃいけない

危険な競技だとも思うんですけどね。

夫は来年も参加したいそうです。