宇宙の話に夢中になり、気がつけば夜は明けていた。 | Unlimited Possibilities

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「やっぱりビッグバンだよね」

三杯目のウィスキーと、カシューナッツをほお張りながら、唐突にディーが切り出す。

「僕の脳の中には小宇宙があって、みんなの脳の中にも小宇宙があって、それらが交わりあうことによって、ひとつの宇宙が形成されている。人の想像力は無限大。宇宙は人間の想像力の産物なんだよ。つまりね、最初にビッグバンが起きてから宇宙が拡がり続けているのはそういうことなんだ」

謎や神秘に魅せられる人は少なくないと思う。
その中でも宇宙は特に謎や神秘だらけで、僕の想像力(妄想力?)が掻き立てられる。
"宇宙マニア"と称するディーと僕にとって、酒の肴となるのは、決まって宇宙の話となる。

昔、太陽系の配列と分子の構造が酷似していると何かの本で読んだことがある。

僕たちが存在する宇宙は、もっとどでかい生物の分子の一部なのかもしれないし、
僕たちの遺伝子情報を司るDNA分子の中には、壮大な宇宙が拡がっているのかもしれない。

「宇宙のいいところはね」と、ディーが続ける。

「宇宙の壮大な歴史から比べたら、僕たちの一生なんて取るに足らないくらい一瞬のできことで、その中で悩んでいることなんて、米粒よりもちっぽけなものなんだよ。だってそうだろ?あの星の光だって何百年も前に出発してようやく地球に到達しているんだ。その間に悩みを覚え続けてることなんて出来るか?だから僕は何かに悩んだら星を見上げることにしてるんだよ」

宇宙の話に夢中になり、気がつけば夜は明けていた。

明け方の月の光がやけに眩しく、身体中に染み渡るようだった。