俺は何かを超えた。
女性から傷つけられる恐怖を超えた。
恐怖を超えた俺に在るのは、
まっすぐな、めらめらと燃える愛。
やっと俺は、彼女を心から愛せるんだ、という喜び。
やっと超えられたという安堵。
ずっとここを望んでいた。
たとえ彼女から傷つけられたとしても、
その彼女の奥に在る気持ちはもう分かりすぎるほどに、
今は分かる。
俺を嫌いなんじゃない。
彼女は彼女自身が嫌いなんだ。
でも、今はもう、
どんな彼女でも、俺は愛せる。
なにも怖いものは無い。
彼女が求めているのは、
お金でも地位でも、一軒家でも、優しさでもない。
彼女が求めていたのは、
俺の存在そのものだったんだ。
彼女は俺がいなくなることが怖かった。
彼女の前から俺が消えることが。
だから彼女は、全てを見せなかったんだ。
俺に嫌われることが怖くて。
彼女が彼女自身で嫌っている部分を見せることが怖かった。
でも俺は、その彼女の全てを受け入れるよ。
今の彼女も、彼女の持つ恐れも、未熟さも、
彼女が彼女自身を好きになれない姿も、すべて。
俺は彼女を愛したい。
理由は、無い。
でも彼女しか見えないんだ。
彼女なんだ。
彼女は俺だ。