キャリアコンサルタント合格以降、資格について聞かれることが増えたので、知っている情報を書いていきたい。


資格さえ取れば生業になるというものではないが、よく分からない資格や協会ビジネスが増加の一途をたどる中、見極める目も必要とされ、ご質問も多いのだと思う。

 

よくある質問①
「心理系の勉強がしたいが、民間でたくさんの協会や講座が乱立していて金額は高額かつよく分からないものが多い、心理系の国家資格はないのか?」

 

心理系はいつでも人気があり、それだけ需要が多いのだと思う。
医者ではない臨床心理分野だと、最上位資格は臨床心理士
しかし難易度が非常に高いにも関わらず、国家資格ではない。
臨床心理士は大学院修了レベルの学びが必要とされるので、どうしてもハードルは高いと言える。


今年、新しく公認心理師法が施行され、カウンセラーの国家資格として「公認心理師」が登場。
もちろん一朝一夕で取得できるものではない。
心理系の大学+大学院修了、もしくはそれと同等の実務経験が必要である。
2018年中に第1回の試験が実施されるが、難関資格であることは確か。
大学を出ていても心理系の大学でないといけないため、改めて大学+大学院まで単位を取得する覚悟で学ぶ必要がある。

 

そして、民間資格は山ほどあるが、協会ビジネスが盛んな昨今、その協会に属していれば勝手にお膳立てしてくれると思うのは大きな誤解
心理系に限らず、追加セミナーや更新料ばかり搾取されて、たいした中身がないという例はいくらでもある。
自分であれば、認知度はもちろんのこと「実績(これまでの輩出人数・設立からの年数)」「取得後実際に何ができるのか」で判断すると思う。
法人設立がそれほど難しくない昨今、できたばかりのよく分からない民間の協会の傘下にお金を払って入ろうとは思わない。


よくある質問②
「産業カウンセラーとキャリアコンサルタントはどっちを取った方がいいのか?」

 

これもよく聞かれるのだけど・・
ざっくりと言えば、企業の従業員や学校の生徒の心理面の支援としてカウンセリングメインなら産業カウンセラー、法律や制度知識も含めたコンサルティングだとキャリアコンサルタントではないだろうか。
産業カウンセラーは民間資格、キャリアコンサルタントはH28年4月~国家資格化された。
民間資格と言えど産業カウンセラーの認知度は高く、養成講座への出席も半年以上必要。
「産業」という言葉はついているが、企業だけでなく、スクールカウンセラー等教育分野でも活躍している人が多い資格。
実際、キャリコン養成講座でも既に社労士や産業カウンセラーを持っている人が約半数いた。
この手の講座にくる熱心な人は1つ取れば満足ということはなく、常に専門分野を磨く、次の研鑽をしていることが多い。
単に資格を取りたいというよりは、自分のキャリアでどちらがイメージに近いのか?で選択した方がいいだろう。


講座費用も約20~30万円と同じくらいの金額である。

(試験対策に費やす追加費用は別として)
産業カウンセラーは既に飽和状態ではないか?という問いもあるが・・
心理系資格がこれだけにぎわう中、学歴は関係なくチャレンジできる資格とも言える。
キャリアコンサルタント、産業カウンセラーともに資格を取得しただけではすぐに生業にはならない資格ではあるが、現在メンタルヘルスの問題も多く、需要はますます増えるのではないか、と個人的には感じている。


よくある質問③
「キャリアコンサルタントになると何ができるのか?」

 

キャリアコンサルティング自体は資格がなくてもできる。
だからこそ”たくさんいる自称コンサルタント””国によって質を保証されたコンサルタント”であれば、人生の転機に誰に相談するだろう??という観点。
私なら迷わず後者を選ぶ。

 

この働き方改革の波の中にあって、キャリアの捉え方自体が大きく変化を迎えている。
求人と求職のマッチングを行うだけでなく、その人の人生に寄り添い、可能性を見つけて、実際的な問題解決を担っていく仕事となる。
有資格者としての業務としては、ジョブカードの作成支援を含めた職業選択支援や生活設計の明確化が挙げられる。
企業の助成金制度であるセルフキャリアドックを活用する際に、ジョブカードを活用した社員へのキャリアコンサルティングが必須であり、有資格者とのコンサルティングが必要。
クライエントの話を聴き、心理面のサポートをしていくのはもちろんだが、キャリアコンサルタントはカウンセラーの要素だけでは成り立たない。
その人の才能・強みに働きかけることに加えて、愚痴聞きやお悩み相談で終わらずに具体的な人生設計に携わっていくスキルが必要となる。
もちろん法律や助成金、教育訓練給付金制度の知識も不可欠である。

 

合格率だけ見ると簡単に取れそうな資格であるが、他の国家資格と比較して難易度は緩やかであるとは言え、やはり国家資格。


実際受験するにあたっては、幅広くまんべんなくきちんと勉強しないと楽に受かる資格ではない。

 

ある程度勉強の素地があり仕上がっていても、同じように受けたら1回目は半分くらいは落ちると思った方がいいだろう。

 

幸いなことに開催回数は多いので、受験機会は多い。

ただ、高い金額を支払って養成講座を修了したからと言ってすぐに生業になるものではないので、現在対人支援業務に携わっていない人であればなおさら「資格ありき」に陥らないよう注意する必要がある。

あくまで業務独占ではなく、名称独占資格

 

皆さんからの質問や素朴な疑問も多いので、試験対策など、私が分かる範囲で今後も情報提供していきたいと思う。

 

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