軍の関与の話、続く
これも「軍の関与」を示す資料、というかもろに「陸海軍の直接経営監督する」と書いてありますな。
興味深いと思ったのは、1938年4月の南京である点。ようやく南京事件が沈静化した時期ですね。
従軍慰安婦関連資料集成1
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32.「外務省警察史 在南京総領事館」抜粋(昭13)
昭和十三年四月十六日南京総領事館に於て陸海外三省関係者会同在留邦人の各種営業許可及取締に関し協議会を開催し各項に付き左の通り決定せり(南京警察署沿革誌に依る)
記
一.期日 昭和十三年四月十六日午前十時開始同午後五時終了
二.出席者
陸軍側 兵站司令官 千田大佐
第三師団参謀 栗栖中佐
第三師団軍医部 高原軍医中佐
南京特務機関 大西少佐
南京憲兵隊 小山中佐
南京憲兵隊 堀川大尉
同 北原中尉
海軍側 海軍武官 中原大佐
嵯峨艦長 上野中佐
領事館側 花輪総領事
田中領事
清水警察署長
佐々木警部補
三.議決事項
(一)~(五)略
(六)軍以外にも利用せらるる酒保慰安所の問題
陸海軍に専属する酒保及慰安所は陸海軍の直接経営監督するものなるに付領事館は干与せざるべきも一般に利用せらるる所謂酒保及慰安所に就ては此の限りにあらず此の場合業者に対する一般の取締は領事館その*に当り之に出入する軍人軍属に対する取締は憲兵隊に於て処理するものとす尚憲兵隊は必要の場合随時臨検其の他の取締を為すことあるべし
要するに軍憲領事館は協力して軍及居留民の保健衛生と業者の健全なる発展を期せんとするものなり
将来兵站部の指導に依り所設せらるべき軍専属の特殊慰安所は憲兵隊の取締る処にして既設の慰安所に対しては兵站部に於て一般居留民の利便をも考慮に入れ其の一部を特種慰安所に編入整理することあるべし
右は追て各機関協議の上決定するものとす
軍専属の酒保及特種慰安所を(陸海共)に於て許可したる場合は領事館の事務処理に便たる為当該軍憲より随時其の業態営業者の本籍、住所氏名、年齢、出生、死亡其の他身分上の異動を領事館に通報するものとす
*:判読できず