マンガ嫌韓流批判1・「第2話戦後補償問題」日韓資産評価の間違い | 誰かの妄想

マンガ嫌韓流批判1・「第2話戦後補償問題」日韓資産評価の間違い

マンガ嫌韓流/山野 車輪
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まず、つい最近関連項目を調べてて、突っ込みやすい内容から。

P51・
「まず日本は朝鮮半島に莫大な資産を残していると言う事実があります」
「韓国政府が1949年に対日賠償要求調書として連合国総司令部に提出した賠償要求額は当時のドルで21億ドルと各種現物返還」
「対して日本が朝鮮に残してきた資産はというと」「在外財産調査会が1947年頃まとめた「賠償関係資料」によれば軍事用資産と個人資産を除いても約47億ドル」「総司令部民間財産管理局の調査では軍事用資産を除き北鮮30億ドル南鮮23億ドル計53億ドル」

「日本は韓国の賠償請求額をはるかに超える資産を残していきましたし」



ここまででおかしな点が一点。


韓国の賠償要求額と、日本の在朝鮮資産を比較して、「日本は韓国の賠償請求額をはるかに超える資産を残し」たと断言しているのだが、この判断が、韓国の「当時のドルで21億ドル」と日本の「軍事用資産と個人資産を除いても約47億ドル」あるいは「軍事用資産を除き北鮮30億ドル南鮮23億ドル計53億ドル」によっていることは間違いなかろう。



すると、つまり ・・・「各種現物返還」が完全に忘れ去られている、ということになる。




最初に「21億ドルと各種現物返還」と言っているにも関わらず、この「各種現物返還」は以後全く出てこない

作者山野車輪が忘れたのか、大した額じゃないと決め付けたのか、意図的に隠したのかはわからないが、実はこの各種現物返還、無視できないほどの巨額である。


「検証日韓会談」(高崎宗司)によると、以下の通り


現物返還要求

1.金地金249633.19861kg(1g=405.1円) 約1011.2億円
2.銀地金 89112.20512kg(1g=24円計算(1973年相場を援用)) 約21.4億円
3.書籍、美術品、骨董品、地図原版 (換算不能)
4.船舶 8億1846万1700円
5.朝鮮銀行海外店舗動産不動産 832万746円


金額に換算できない「3」を除くと、総額で約1041億円、ほとんどが金地金である。
これを当時の円ドルレート(1ドル=15円)で換算すると、69.4億ドルになる。




つまり、国側の賠償要求額は、損害賠償としての21億ドルの他に70億ドル相当の現物返還要求があり、合計で91億ドルとなり、それは日本の在朝鮮資産47億ドル(または53億ドル)を遥かに上回っている。


結論として、
「日本は韓国の賠償請求額をはるかに超える資産を残していきましたし」
が、間違いであることがわかる。


無論、韓国側要求に瑕疵がないかどうかについては別途検討が必要だが、少なくとも「マンガ嫌韓流」はそういった検討を一切やらずに、黙って無視している点で問題といえる。



にも関わらず、嫌韓流ではこの誤った認識を基に、P66「日本は莫大な資産を請求できなくなり~」などと論を展開しているあたりは、悪質。