南京事件否定派の歴史認識 | 誰かの妄想

南京事件否定派の歴史認識

まあ、映画「南京の真実」掲示板に拠っている否定派を持って「否定派」をひとくくりにするのに抵抗を感じる人もいるでしょうが・・・(あんな低レベルな奴らと一緒にするな、と)。

しかし、他のところでも見かけるのだが、どうしてこう事実関係すら把握でなきないんだろう?


135 大虐殺って何ですか??
[48]肯定派へ
 何故、日本軍は何の罪もない史那人を大量虐殺する必然性があったのでしょうか?根拠を教えてほしいですね。
それに、先に上海に中国軍が攻撃したわけです。たくさんの外国人がいる地域に。もちろん、日本人も住んでました。
それで上海事変があって、そのあとに盧溝橋で中共が発砲して
日史事変がおきて、南京事件へと発展するわけですが。
それなしに南京事件は語れません。
悪いのは全部中国軍です。いつも攻撃してきたのは相手側ですから、それに応戦したわけです。
なのに、便衣兵はともかく、30万人も疑って虐殺するなんて、ありえないです。ぶっちゃけ、殺してもなんの得もありませんから。逆に厳しく軍法会議で罰せされます。
松井石根大将は親中でしたから。

投稿者:凪桜 さん 日時:2007年10月2日 3:15


事件部分については、今さら突っ込むのも何なので飛ばしますが、問題はこの部分。


「先に上海に中国軍が攻撃したわけです。たくさんの外国人がいる地域に。もちろん、日本人も住んでました。
それで上海事変があって、そのあとに盧溝橋で中共が発砲して日史事変がおきて、南京事件へと発展するわけですが。」


文脈からすると、第二次上海事変を指していると思われますが、第二次上海事変勃発は1937年8月13日、盧溝橋事件は1937年7月7日、前後関係が逆です。
この程度の認識でどうこう言っても説得力皆無なんですよね。両方とも日中戦争関連では前後関係を間違うはずがないくらいの重要な歴史的事件ですし。


言い訳としては、「これは第一次上海事変を指しているんだあ!」が考えられますが、第一次上海事変勃発は満州事変継続中の1932年1月28日。原因は日本軍特務機関の謀略であったとされています(日本人居留民も相当煽ってますけどね、焼き討ちとかしたり)。
なので、今度は「先に上海に中国軍が攻撃した」が矛盾するわけです。

ま、そもそも文脈からは第二次上海事変としか取れませんけど。

「それなしに南京事件は語れません。」とありますが、このコメンタにはそもそも南京事件を語る能力はないと思われます。


それはそうと、特に否定派に多い気がするのですが(肯定派にもいるかも知れませんが)、第一次上海事変と第二次上海事変をごっちゃにしている人をたまに見かけます。

多いのが、第二次上海事変の中国軍側に第19路軍がいるという勘違い。これ、どっかに変なソースがあるのかもしれない。
http://godslounge.seesaa.net/article/22906978.html
の中の人が、参照した資料が間違っていたらしいですが、元資料は「シナ大陸の真相」かな?
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4886561888/afittutemugen-22/ref=nosim/


展転社だからなあ・・・。


この他に、gooだったかyahooだったかの回答者にもそんな人がいたんだけど、どこか忘れた・・・


ちなみに第19路軍は、第一次上海事変後の1933年に福建省で福建事変(閩変)を起こし国民政府からの独立を図ってますが、協力者を得られずに、2ヶ月弱で蒋介石に鎮圧されてます。
この時に第19路軍は解隊されてますので、第二次上海事変の時には存在しません。軍長の蔡廷鍇も盧溝橋事件以後に国民政府軍事委員会の特任参議官として復帰してますが、11月に南京で交通事故に遭いしばらく療養しています。


参照(中文):http://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%8B%E6%B0%91%E9%9D%A9%E5%91%BD%E8%BB%8D%E5%8D%81%E4%B9%9D%E8%B7%AF%E8%BB%8D



「シナ大陸の真相」のアマゾンレビューはこんな感じ。


「何と言っても1938年2月に発刊されたというだけで貴重な本である。
歴史的な発掘といって良いのかもしれない。
この本はシナ事変勃発によって、当時、国際的非難を浴びていた日本を弁護することを趣旨としてイギリスで発刊された本であるため、「反日」的な人は、“何だか、日本に都合が良いように書かれていないか?”と思うのかもしれないが、何故、日本人がわざわざ日本に都合悪く「反日」的な歴史観を持たなくてはいけないのか?
「歴史問題」を外交カードに使い、日本を世界的に貶めようとしている中国・韓国といった国は都合良い・悪いの次元ではなく、嘘だろうが捏造だろうが関係のない、史実を完全に無視した虚言・妄言・暴言のごり押しである。
我々は、日本人らしく正当な史実を持って、正々堂々と彼らの虚言を論破して、国益を守るべきであろう。 」


えーと、要約すると、「中国や韓国を論破するために、日本に都合が良いように書かれた本を使ってよい」ってことですかね。それって「史実を完全に無視した虚言・妄言・暴言のごり押し」では?


「何だか、日本に都合が良いように書かれていないか?」と言う質問に対して、YESともNOとも答えず、「何故、日本人がわざわざ日本に都合悪く「反日」的な歴史観を持たなくてはいけないのか?」と返答を反らしているのに、最後は何の根拠もなく「日本人らしく正当な史実を持って」と言っている。

結局、「日本に都合が良いように書かれて」いるのか、いないのか、どっちなんだ。