産経症・よく調べない
2007/8/20の産経抄
「▼国語学者の山口仲美さんによれば、さまざまな擬音語でセミの声を楽しむのは、日本文化の特質らしい。中国人やアメリカ人にとっては、単なる騒音にすぎないから、いちいち言葉で認識したりしない。」
ほんまかいな、と思って調べてみる。
中国東北地方出身の上海在住の知り合いに聞いたところ、中国でも鳴き声を楽しむことはあるけど、日本の方がもっと楽しんでる、とのこと。なるほど。
ネットでも調べてみると、色々あって、
「中国名は蚱蝉(さくぜん)。蝉という漢字は昔の中国人がクマゼミの鳴き声を「センセン」と聞いたことよる、とある本に書いてありましたが中国語の「蝉」の現在の発音は「チャン」です。」
http://www5e.biglobe.ne.jp/~elnino/Folder_DiscoverJPN/Folder_PhotoLibrary/JPN_Insects_Cc.htm
「ズバリ言うと「知了(ちりょう)」とは蝉の鳴き声が「ちりょう」と聞えるところからつけられた名前です。」
http://tubomim.exblog.jp/6151073/
などとある。「チャン」と「知了」は同じ語でしょうね。多分。
中国語でのセミの鳴き声の擬音語は「知了」しか見当たらないので、「さまざまな擬音語でセミの声を楽しむのは、日本文化の特質」というのは正しいのでしょう。ただ、「中国人やアメリカ人にとっては、単なる騒音にすぎない」というのは誤りですな。
「いちいち言葉で認識したりしない」というのは、中国については嘘だし。
(セミの鳴き声を英語では、「buzz of a cicada」というそうで文字通り「buzz(騒音)」らしい。擬音語がないかどうかはわからんが・・・)
(2007/8/28追記: 老人28号さんの指摘で、cicada song と言う表現で調べると、英語圏でも必ずしも騒音とはとえていないようです。)
この他、鈴虫とかは中国でも鳴き声を楽しむようです。戦わせたり食べたりもするようですが。
http://www.itakon.com/mushi/97cricket/china.html
そう言えば、「燃えよドラゴン」では、蟷螂を戦わせていたなあ。
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あと別に、虫を戦わせたり食べたりするのは日本にもあるので中国特有と言うわけではない。念のため。
http://www.cyberoz.net/city/sekine/KAJIKI4.htm