田中上奏文(田中メモランダム)について
えーと、田中義一内閣の時に天皇に奏上された日本の大陸征服計画と、言われているものです。
ネットで調べてみたところ(WIKIとか)、偽書だそうです。
ネトウヨの皆さんは、ほら見ろやっぱり中国は嘘つきだ、みたいな反応ですね。
「日本は侵略などしていない」などと香ばしい限りです。
出所は、ソ連だとかいう記載がネット上では多いのですが、なんとも言えないですね~。それこそ当時の日本の右翼が上奏文を擬して作成したのを中国側が入手して勘違いした、ということもありそうですし。
国家規模でやったのか、民間有志がやったのか、もわかりません。
当時の中国に数多あった民間抗日組織の一つが偽造したのが広まった、とかいうのが一番ありそうですけど。
日本の上奏文なのに、日本原文が現存しない、とか考えるとそりゃ偽書でしょ、と言う感じです。
だからと言って、中国国民党や中国共産党が(それも国家レベル)常に偽造しているわけではないのですけどね。
実際、日本でも似たようなことがあります。
「盧溝橋事件、中国共産党主犯説」の根拠に用いられている、中国人民解放軍の『戦士政治課本』なるテキストに、「七七事変は劉少奇同志の指揮する抗日救国学生の一隊が決死的行動を以って党中央の指令を実行したもの」と書いてある、というものです。
ちなみに「戦士政治課本」なるテキストにこのような記載があるかどうかは、現在のところ不明です。
http://www.geocities.jp/yu77799/rokoukyou/inbou1.html##kasai
偽書の可能性は高そうに思います。
結局のところ、偽書なんて物は歴史の上ではよく存在してますし、偽書でなかったとしても記載が全て信用できるわけでもないでしょう。
「田中上奏文」に戻ると、別に日本の侵略の証拠は「田中上奏文」だけじゃないですからね。
実際に、張作霖を殺し、満州事変を起こし、熱河に侵攻し、冀東政府を作り、華北・上海に侵攻して、傀儡政権を作っているわけです。
「田中上奏文」が偽書でも、実際の行動を見れば「日本は侵略などしていない」などとは言えないですね。