核武装の議論をする人に読んでもらいたい本 | 誰かの妄想

核武装の議論をする人に読んでもらいたい本

夕凪の街 桜の国
¥800
株式会社 ビーケーワン

夕凪の街の舞台は、昭和30年(1955)の広島。

被爆者である皆実が主人公。戦後何年も経っていて、物語は基本的には平穏な生活を追っている。皆実たちもその日常の中でことさら思い悩んだりはしない。しかし、ふとした拍子で自分が今ここにいることに対する現実感が失われる。まあ、そんな感じの話。


桜の国の舞台は、昭和62年(1987)の東京、平成16年(2004)の東京・広島。

皆実の姪にあたる七波が主人公。七波は戦後ずっと経ってからの生まれで、母は被爆者で物語中では故人。舞台が東京であることもあり、やはり表面的には原爆の話は出てこない。でも、七波が怪我してただの鼻血を出しただけでも過度に気にする祖母など、ふとした表現は上手い。被爆者の家族に対する差別なども自然な形(物語として大げさに表現していないと言う意味で)で表現している。


簡単に核武装だなんだと言っている人(金正日とか中川とか麻生とか安倍とか)に是非読んでもらいたい本です。まあ、こいつらの感性ではわからんかも知れんが・・・


おととしの本ですが、部屋の片づけ中に出てきて、ちょうどこういう時期でもあったのでUPしました。