今さらながら、「男たちの大和」を見てみた。 | 誰かの妄想

今さらながら、「男たちの大和」を見てみた。

東映
男たちの大和 / YAMATO

うーん、いまいち。


米軍機の飛び方がおかしいとか、血の色が変とか、艦船攻撃に対してやたら銃撃が多い気がするとか、敬礼の仕方が変とか、戦闘時や原爆後の患者の汚れ方が不自然とか、機銃座の動きがハンドルと同調していないとか、爆撃シーンで爆発後の地面が何事もなかったのように平坦であったとか、などなどという軍オタのようなつっこみはまあ置いといて。


ドラマとして考えてもなんかねえ。

現在から過去を思い出すというストーリー構成は、まあ定番ではあるんだが、同じようなつくりの「プライベートライアン」と比較しても、無用な台詞が多くて話がくどいし、冒頭から冗長な場面が多く見ていてタルい。映像・演出でもスピルバーグには遥かに及ばないし・・・

パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
プライベート・ライアン

戦争全体を描くにも、大和だけのドラマを描くにも、とにかく中途半端。


とりあえず、個人的には大和だけのドラマに絞って、真珠湾攻撃やサイパン戦のくだりは省略した方がよかったんじゃないかと思う。年少兵の視線から、レイテ海戦~沖縄特攻までの半年を描いても十分ドラマになったのでは。あと、ホームドラマは一人分で十分、いろんな家族模様もただ並べても冗長なだけ。特攻前の葛藤にしても、浅すぎる。

なんか、無理やりいろいろ詰め込もうとしてドラマとして失敗している感じがする。

戦争全体を描くなら、大和建造から大艦巨砲主義のくだりや戦局の推移や銃後の様子、特に本土空襲開始前後での変化などを描くべきでしょう。大和の目から見るなら、速力の遅い大和が空母艦隊の決戦に何ら寄与できない葛藤とか。「連合艦隊」みたくなっちゃうけど。

東宝
連合艦隊

なんにせよ、もう少しテーマというか舞台範囲を絞った方が良かったのではないかな?沖縄特攻だけでも話は作れるだろうし、その方がドラマの密度が濃くなったと思うし、無駄な台詞もなくて済んだはず。


あと、どんな客層を狙っているのかも微妙。軍オタ?一般人?

キャスティングから察するに、一般人受けを狙っていると思うんだが、レイテ海戦で武蔵以下、空母何隻、巡洋艦何隻を失う、なんて中途半端に詳細に説明する必要はないでしょう。「日本艦隊がほぼ壊滅した」だけ十分だと思う。


結論。

軍オタ的なつっこみをのぞいても、ドラマとして失敗でしょ。