産経症・ヘイトスピーチ | 誰かの妄想

産経症・ヘイトスピーチ

今さら産経が嫌中のヘイトスピーチをしても別に珍しいとも思わんが。


産経抄2006/8/9


上海蟹の生息域が広まったことによる環境破壊に対して、
「なにせカニの故国は、「4本足のものは机以外、空飛ぶものは飛行機以外はすべてを食す」というお国柄。」

という。これってどう読んでも中国人蔑視の表現では?二本足の場合について書かなかったのは、少しは分別があるということか?


「▼人口13億人を数え、その大食漢ぶりが、世界から恐れられている。かつての大豆の輸出国が、今は世界最大の輸入国である。」
わざわざ、大豆の消費量を増やすようにアメリカが飼料用作物としての売り込みをかけた結果にすぎない。当然のことながら大豆は戦略物資であり、それをアメリカが抑えている状況。恐れられているどころか、大豆を抑えることによってアメリカは中国をある程度コントロールできるようになっている


「エネルギーの蕩尽(とうじん)ぶりはもっとすさまじい。すでに、米国に次ぐ石油消費大国でありながら、需要は年々増えるばかり。」
おそらく意図的に書いていないのだろうが、その中国に次ぐ石油消費大国は日本である。中国の消費量が日本を追い抜いたのは2002年のことに過ぎない。人口10分の一の日本は、これまでどれほどすさまじいエネルギーの蕩尽を行ってきたのだろうか?


また、2004年における国別石油消費量をみると、

アメリカ:2051.7万バレル/日、中国:668.4万バレル/日、日本:528.8万バレル/日

となっている。

大雑把に米中日の人口比を2:10:1とすると、単位人口当たり石油消費量の比は、


アメリカ:1000、中国:67、日本:500


となる。

こうしてみると、産経の意見がいかにデータを見ない情緒的なものであるかが浮き彫りになる。

(以下、原文)

平成18(2006)年8月9日[水]
 英国のオードブルといえば、代表的なのがスモークサーモン。特にスコットランド産が最上とされる。薄く切って、皿に広げたところに、レモンをひと搾り、タマネギの輪切りといっしょにほおばれば、スコッチも進む。そんな食文化が、危機にさらされているらしい。

 ▼昨日の小紙の北京電によれば、はるばる海を渡ってきた上海ガニが、サケの卵を食い荒らすおそれがあるというのだ。なるほど、食い意地は相当なものだろう。なにせカニの故国は、「4本足のものは机以外、空飛ぶものは飛行機以外はすべてを食す」というお国柄。

 ▼人口13億人を数え、その大食漢ぶりが、世界から恐れられている。かつての大豆の輸出国が、今は世界最大の輸入国である。歴史的に海水魚は食材として一般的ではなかったが、最近は、上海など沿海部を中心に魚食ブームとなっている。BSEや鳥インフルエンザの発生により、肉食離れが進んでいるからだ。

 ▼将来は高級マグロをめぐって、日本との間で争奪戦が起こるかもしれない。エネルギーの蕩尽(とうじん)ぶりはもっとすさまじい。すでに、米国に次ぐ石油消費大国でありながら、需要は年々増えるばかり。

 ▼世界各地で、なりふり構わない資源外交を続ける姿は、映画『千と千尋の神隠し』に出てくる化け物、カオナシを彷彿(ほうふつ)とさせる。八百万(やおよろず)の神々が疲れを癒やしにくる湯屋にどこからともなく現れ、やがて巨大化して、黄金をばらまきながら、ごちそうを食べ尽くす。

 ▼宮崎駿監督が作り出した数多くのキャラクターのなかでも、奇想天外さでは際だっている。主人公の少女、千尋の導きで、バブルがはじけたように元のおとなしい存在に戻るのだが、もちろん、中国にその気配はまったくみられない。