イスラエル非難決議案にアメリカが拒否権行使 | 誰かの妄想

イスラエル非難決議案にアメリカが拒否権行使

イスラエルのガザ侵攻非難決議を否決 安保理で米拒否権 (朝日新聞2006年07月14日)

これで事実上、北朝鮮制裁決議案はポシャッたといえるだろう。

ミサイル実験などではなく、現実の侵攻で死者も多数出ているにも関わらず、しかも制裁決議案ではなく非難決議案に対して、アメリカは単独で拒否権を行使している。

これに対して、中国は非難決議は容認している以上、北朝鮮制裁決議案に拒否権を行使したとしても、国際的に孤立する、ということは極めて考えにくい。もし、統一協会安倍やフロッピー麻生の主張どおり「「反対が中国だけならば決議採決を強行すべきだ」との方針」を貫いたとしても、今回のアメリカの拒否権行使によって、中国側は制裁決議案には躊躇なく拒否権を用いるだろうし、それによって中国がことさらに孤立することもない。
多少文言を修正(国連憲章第7章への言及を削除)したとしても、本質的に制裁が含まれている場合、例えそれが経済制裁だけだとしても、中国は考慮するとは思えない。


逆に、日本が制裁決議に拘れば拘るほど、日本のみが国際的に孤立することになるだろう。アメリカのヒル国務次官補も関係国が統一した行動をとることを望んでいることは明白で、英仏も譲歩する中、日本だけが制裁に拘れば、アメリカからも見放される可能性もある。


山本一太などは、今回の日本外交を自画自賛しているようだが、外交戦術として制裁決議案を提案するのは理解できるが(憲法との整合性上、賛成は出来ないが)、その後「先制攻撃」を公言するなど、自国政府の選択肢を狭めるだけの強硬発言を繰り返したのは、あまりにも稚拙と言う他ない。基本的には、制裁決議案を出しつつ避難非難決議案への譲歩を最初からにおわせた方がよかったのではないか。

強硬発言を繰り返し、大手マスコミもそれを支持するような論説を出し続けた結果、日本は引くに引けなくなった感がある。今さら非難決議に同意すれば、「弱腰」との批判を受けるような空気を、政府とマスコミが作り上げてしまっている。

冷静に先を見通すことなく、その場の雰囲気で強硬な世論を形成した(された)というのは、全く現在の日本の民度の低さを示されたようで情けない。