「数学は壊滅的です」と言われ、娘はその場で泣きました。
帰国子女でも、こんなに厳しい現実を突きつけられるのかと、私も言葉を失いました。
それでも1年後、結果は大きく変わりました。
娘は中学1年の7月に渡英しました。
それまでの4ヶ月間は、日本で中学受験をして入学した中高一貫の女子校に通っていました。
その後、本帰国が決まり、元の学校に連絡。
帰国直後に編入試験を受けることになりました。
試験の結果、点数の開示はありませんでしたが、
校長先生から伝えられた言葉が今でも強く印象に残っています。
「英語は、まぁできて当たり前。
国語は普通。
数学は……壊滅的です。」
娘は面談室を出て、見知った先生に温かく声をかけていただいた時、それまでこらえていた涙をこぼしました。
私は、面談中に何もフォローの言葉をかけることができず、
ただ隣で話を聞いていることしかできなかった自分に、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
イギリスにいれば、現地校に通っていれば、自然と英語ができるようになる——
そんなふうに思われがちですが、実際はまったくそんなことはありません。
現地の日本人コミュニティの中でさまざまなご家庭を見てきましたが、
何年もイギリスに住んでいても英検準1級に届かない子も少なくありません。
環境だけで英語力が伸びるわけではなく、結局はご家庭の方針と本人の努力次第。
娘は英検なんて受けたことない状態で渡英してから本当によく頑張り、1年で英検準1級に合格しました。
それは決して「たまたま」ではなく、積み重ねてきた努力の結果です。
だからこそ「英語はできて当たり前」という言葉に、親としては少し複雑な気持ちもありました。
さらに後からわかったことですが、
数学の編入試験は高校の担当教員が作成していたそうで、
中学3年の4月から編入するにもかかわらず、在校生でも中学2年までに習っていない範囲が出題されていたことがわかりました。
正直、「それはさすがに…」という気持ちもありましたが、
とはいえ数学に遅れがあったのは紛れもない事実。
そこからは気持ちを切り替え、4月以降は英検1級を目指しながらも、数学にかなりの時間をかけて取り組みました。
そして迎えた学年末。
成績は、国語9、数学8、社会9、英語10、理科7(10段階評価)。
さらにベネッセの全国模試では、英国数の3教科で学内3位を取ることができました。
あの編入試験で「数学は壊滅的」と言われたことから考えると、
ここまで持ち直せたことは、本人の努力の積み重ね以外の何ものでもありません。
帰国子女であっても、というか帰国子女ならではの教科ごとのギャップは確実に存在します。
ただ、その差は“正しい努力”で十分に埋められる——今回の経験は、それを教えてくれました。
この経験が同じような経験をされる方のご参考になれば嬉しいです。