今日は、最近弱い動きから強い動きに変化してきている【4496 株式会社コマースOneホールディングス】を企業分析しました。
短時間で分析することを目的とした個人的な分析メモですので、正確性は保証しないのでご了承ください。また、投資判断は自己責任で行ってください。本情報により損害が生じた場合、私は責任を負いません。
なお、情報に誤り等がある場合、お知らせいただけると助かります。
4496 株式会社コマースOneホールディングス
時価総額51億円 PER15.2 PBR1.90
同社はECサイトの構築、運用を容易にするサービスと、ECサイトのバックヤード業務を一元管理するサービスをクラウド上で提供しており、これらサービスが売上、利益の主な源泉となっている。
業績を見ると、売上は順調に成長しているが、営業利益は2023決算で落ち込んでいる。2023有価証券報告書に、この落ち込みは、償却負担の増加、人件費の増加が原因とあり、費用増を価格に転嫁できていない状況と思われる。さらに、開発人員不足により、売上高の減少、売上原価の上昇となったとあり、その対応の一環としてSAMURAI TECHNOLOGY㈱を買収したと記載されている。この対応は、理解できるが、これが利益圧迫の一因となっている可能性がある。また、2022と2023で、「販売費及び一般管理費」を比較するとおよそ2億円程度の増加となっており、内給料及び手当で1億円程度の増加が確認できたが、他の増加要因は確認できなかった。
2024においても、営業利益率の低下傾向が続く見込みとなっている。
ECサイトの構築等サービスを行っている子会社の契約店補数が2023で微減ではあるが減少している点もきになる。コロナ特需の反動によるものと思われるが、企業が実店舗運営に重きを置いて経費を投入する傾向とも考えられるので、今後の動きに注目したい。身近な店舗でも、ECサービスをやめてしまったり、サービスが不便なものに変更なったと言う話題を耳にすることがあるので注意したい。
一方PER等の推移等は次の通りとなっている。各指標とも実績値ではなく予想値で算出したものである。株価は予想を反映して動く場合が多いと考えているので、これら数値を採用した。
これをみると、PERが高く、ROEが低い値になっているのでが分かる。当然ではあるが、前述した営業利益率の低下が影響している。同社の今後の成長性を考慮して割安、割高を判断したいところである。
(PBR計算には年間予想配当と株数を用いているが、年間予想配当発表後に株式分割した場合は正確にPBR計算できないことをご了承ください)
最後になるが、昨今、人手不足と盛んに言われる中、同社がSAMURAI TECHNOLOGY㈱を買収してこの問題に対応したことや、今後のサービス充実のためにAI関連の㈱空色を買収したことは理解できる。今後、これら子会社を活用していかに利益率の高いサービスを創造していくかが、企業価値向上のキーとなると考えている。
上場以来、ほぼ一貫して株価は下落しており、PER的には安値圏にも見えるが、上記営業利益率の低下等の内容に注意して投資判断を行いたい。
(参考)DCFで計算した企業価値から算出した論理株価とチャート
試行中のプログラムによる計算結果ですので、あくまで参考としてください。正確性は保証しません。
ブルーラインが成長率0、ピンクラインが5年後に営業利益2倍となる場合の計算結果です。



